つらねのため息

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シュレーダー氏の信任案否決

2005-07-02 00:47:08 | 海外のこと
シュレーダー氏の信任投票が否決された。この投票自体が憲法違反の疑いもあるらしいけど、とりあえず9月に総選挙という日程が大分現実味を帯びてきた。
それにしても今回の決断はシュレーダーさんが早まった気がする。州選挙で敗北した直後に選挙をやったら普通は勝てるはずがない。本来の任期切れまで、もう一年待てば支持率が回復する可能性だってあったわけだし。
どうも今回の決断はシュレーダーさんの個人的な思惑が反映しているような気もする。つまり一年待てば社民党全体として支持率が回復するかもしれないが、それまでシュレーダーさんの指導力は下がる。一方、今選挙をやれば社民党はシュレーダーさんの個人的な人気に頼らざるを得ないし、何より現状では結束しなければ選挙での敗北は目に見えているので、シュレーダーさんの指導力は回復する。もしぎりぎりでも選挙に勝てばドイツの安定性のやたら高い議会制度では任期切れまで務めることが可能になる。という計算があるのではないだろうか。
しかし実際のところこれはかなり危険な大博打である。ZDFSPIEGELの世論調査によるとSPD支持が27%に対してCDU/CSU支持が44%もある。連立を組んでいる緑の党が8~9%、CDU/CSUと連立を組むことが予想されるFDPは7%といった具合である。この数字を見る限りではCDU/CSUとFDPが過半数を占めるのは確実である。
今回注目すべきなのは東側の旧共産党の流れを汲むPDSが西側の左派政党である「選挙選択肢労働および社会的公正」WASGと共同して左派同盟を結成し選挙戦に臨む構えである点である。世論調査によると、この新党は8%ほどの支持を集めている。この党の筆頭候補には元社民党党首オスカー・ラフォンテーヌがつくという。(まだ不確実な点もあるが)この党が実際に選挙に参加すれば確実に社民党の票を食うことになるだろう。さて、どうなるか。