つらねのため息

写真や少し長い文章を掲載していく予定。

8月15日

2003-08-15 00:00:00 | 日本のこと
今更書くまでもないことだが、今日は「終戦記念日」とか。二重の意味でまやかしの日である。

ひとつは敗戦を終戦というあいまいな言葉で置き換えていること、もうひとつは日本がポツダム宣言の受け入れを決定した日でも受諾を連合国に通知した日でも協定に調印した日でもない8月15日が「記念日」となったことだ。

天皇が玉音放送をしたというだけの日が日本の戦前と戦後を分けているという理解そのものが、天皇制の呪縛と戦前と戦後の連続性を象徴しているといえるのかもしれない。

「8.15革命」という形容矛盾な言葉にこのことは象徴的に現れている。

今日は何の日?

2003-08-06 00:00:00 | 日本のこと
と言っておきながら別に書きたいことは何もない。今日が広島の58回目の原爆忌であることは前々から意識はしていたのだけれど特にこれという実感もないままその一日は過ぎようとしている。

この日を風化させることは絶対によくないと思うし、その意味では自分がこの日に何も感じていないことにはやや衝撃を受けてもいるのだが、しかし、この日が「日本の」平和運動の原点になっているような現実にはやや違和感を覚えてもいる。「唯一の被爆国」というアイデンティティは確かに大きいがそれは議論の対象となりえないがゆえに「何故」平和が必要であり「いかに」それが実現されるのかという議論を封じてしまったように思われる。

結局憲法と同様それは「神学」になってしまい、ナンセンスなものになってしまった。平和を求める声に本当に必要なのは唯一の被爆「国」というナショナルな物語に回収されない、真の意味で普遍的なアイデンティティであると思う。「憲法にそう書いてあるから」や、「被爆国だから」という理由ではなく「戦争がいやだから」「平和がいいから」というグラス・ルーツな実感に基づいた平和主義が必要だと思う。