つらねのため息

写真や少し長い文章を掲載していく予定。

野中広務引退

2003-09-09 00:00:00 | 日本のこと
野中さんが引退するとのことです。彼の、特に政治手法に関しては賛否両論があるでしょうが、個人的には気骨と良識を持った保守政治家であったと思います。その意味では彼の引退はとても残念なことです。

先日まろさんとも話したけれど、左右を問わず日本には良識的な政治家が減ってきたのではないでしょうか。いい意味でも、悪い意味でも戦後民主主義を象徴していた自民党、経世会政治の崩壊の一つでしょう。

翻って考えれば自民党の主流的な考えは石橋湛山など戦前の自由主義的「小国主義」だったわけで(民主化も平和主義もこの枠内で考えることが可能)、そこに戦後民主主義の可能性と限界は表れていたと後知恵的にいうことも可能だと思います。そのような保守政治に担われたこと、もっといえば保守主義と自由主義の間に一線が引かれなかったこと、そしてそれに対抗するような社会民主主義勢力が結実しなかったことこそ戦後民主主義の最大の痛恨事ではないのでしょうか。今からでも遅くはないと思いたいものですが。