つらねのため息

写真や少し長い文章を掲載していく予定。

管理社会の到来

2005-12-29 22:38:41 | 研究・大学のこと
早大でビラまき逮捕 建造物侵入容疑で(アサヒ・コム)

ビラまいてたら不審者として逮捕されたとか。
立川の反戦ビラ事件とか
世の中だんだんおかしな方向に進んでいて
すべてが管理され
社会的に「望ましくない」と判断されるものが
一方的に排除される
そんな世の中ができつつある。

もちろん、何が「望ましく」て何がそうでないのか、
誰が「不審者」なのか、
米英の流行を借りれば
誰が「テロリスト」なのか、
「疑わしい」のか、
それを決める回路が民主的に開放されているわけでもない。

そうした傾向が学問の府でも進みつつあるというのは
憤りを禁じえないが、残念なことにうちの大学でも
ものごとはその方向に進んでいる。

学生会館の移転と一連の騒動はその表れだ。

無論のこと「望ましくない」とされる側に
問題がないというわけではない。

でもせめて、それを対話によって
公共性の中で解決する努力だけは
怠ってほしくない。

人々が多様であることを認めなければ
お互いが違うことを認めなければ
民主主義は民主主義たりえない。
「ノイズ」を排除したところに成立する
「民主主義」が独裁以外の何者でもなかったことは
人民民主主義の半世紀の歴史が教えるところだ。

しかもそれがいやしくも真理を探究するべき
大学で起きたというのはどういうことだろうか。

自分が見たくないものを排除した上で探求される真理!
そんなものはおよそ学問の名に値しない。

学問の府としての、研究者としての良心は失ってはいけない。

「9条守ろう! ブロガーズ・リンク」賛同表明

2005-12-24 18:54:41 | 日本のこと
まああんまり「憲法を守ろう」っていう言い方は好きではないんですが。

いや例えば
1条を変えて共和国にするとか
9条を「改正」して自衛のためであっても
軍隊も持たないと明記するとか
24条の婚姻は「両性」の合意に基づくってのも変えるとか
地方自治も「地方公共団体」を「地方政府」に変えるとか
環境権のような権利を加えるとか
そういう「改正」はあってしかるべきだから。

でも現在策動されている憲法「改正」が
およそ「改正」の名に値しないのは明らかだろう。

明らかな国際法違反の侵略戦争への加担であった
イラクへの自衛隊派遣はこの国の戦後史において
取り返すことのできない汚点だけれども
それでもあの日本語のわからない首相が
「自衛隊のいるところが非戦闘地域です」
と意味不明なことをわめかなければならなかったのは
「武力の行使」を放棄した憲法9条があったからだ。

いまこの国の最後の良心といっても過言ではない
憲法9条が「改正」されたらどうなるか。
戦争の放棄を謳っている憲法のもとで
自衛隊が海外に行くのである。
それが変更されたらこの国が戦争を遂行するのに
何の障害もなくなってしまう。

「気がついたら戦争をやっていた」では遅い。

というわけでぼくはここに
「9条守ろう!ブロガーズ・リンク」
に賛同表明します。

「自由は置き物のようにそこにあるのではなく、
現実の行使によってだけ守られる」
丸山真男の言葉を肝に銘じつつ。