こう書くとフィンランド人の定義についてのナショナルな論争のようだが(苦笑)、ここで取り上げたいのは「真のフィンランド人」という政党のことである。
17日のフィンランド総選挙で反EUのこの政党が躍進し、一挙に議会第三党になったのだ(例えばアサヒの記事はこちら)。このことについてY武さんがブログでふれられていたのでコメント欄にちょくちょく書いていたのだが、コメント欄を荒すのも何なので自分のブログにその辺の書き込みをまとめてみようと思った次第である。
なお、この党については公式ウェブサイトがあるのだが残念ながら全てフィンランド語でさっぱりわからない。というわけでひとまずウィキペディアの記事はこちら、より詳しい英語版の記事はこちら。
この辺を見てわかるのは、反EU、反移民で自分たち(この場合フィンランド人)のつくってきた近代福祉国家を守ろうとする、まあ欧州ではよくある(ってのも変だが)極右政党だということ。例えばデンマーク国民党などが近い存在で、経済的には左翼だけど、社会的価値観でいうと右翼という政党で「福祉ショービニズム」とか言う。むしろ他の極右政党よりも「福祉国家を守る」的な主張が強く(この辺は北欧的特徴)、キワモノ度は低い印象を受ける。
ただ、1995年結党で結構歴史があるので「なぜ今?」という疑問は残る。選挙結果(これもとりあえず英語版ウィキペディアの記事を参照)を見てみると各党数パーセントずつ得票を減らしているのだが、特に首相を出していた中央党の落ち込みが激しいので、現政権批判の票が集まったような印象を受ける。本来、野党が集めるべき政権批判票も、ちょっと過激な党がポルトガル救済問題で目立ったのでそちらに流れたのかも知れない。
あと、全くの想像だが、左の側で同じような主張の受け皿になりそうな共産党(正確には人民民主同盟ですが)が、フィンランドの場合冷戦時代に政権参画したりしてたので、「体制派」的なイメージがついちゃってるのかも知れない。
ところで、この党を(恐らくはその経済政策から)「中道左派」と見る分析もあるようである。北欧諸国は社民党、共産党などの社会主義ブロックと保守政党や自由主義政党などのブルジョワブロックというような色分けがされるが、フィンランドではこの区別をあまり聞かない。その辺が社会主義的な思想を出自としていないこの党が「左派」に含まれる素地となっているのかもしれない。
いずれにせよ、EUの拡大と統合の深化につれて、こういった反EUを掲げる極右政党が進出する国が多くなっている。フィンランドも例外ではないということだ。
17日のフィンランド総選挙で反EUのこの政党が躍進し、一挙に議会第三党になったのだ(例えばアサヒの記事はこちら)。このことについてY武さんがブログでふれられていたのでコメント欄にちょくちょく書いていたのだが、コメント欄を荒すのも何なので自分のブログにその辺の書き込みをまとめてみようと思った次第である。
なお、この党については公式ウェブサイトがあるのだが残念ながら全てフィンランド語でさっぱりわからない。というわけでひとまずウィキペディアの記事はこちら、より詳しい英語版の記事はこちら。
この辺を見てわかるのは、反EU、反移民で自分たち(この場合フィンランド人)のつくってきた近代福祉国家を守ろうとする、まあ欧州ではよくある(ってのも変だが)極右政党だということ。例えばデンマーク国民党などが近い存在で、経済的には左翼だけど、社会的価値観でいうと右翼という政党で「福祉ショービニズム」とか言う。むしろ他の極右政党よりも「福祉国家を守る」的な主張が強く(この辺は北欧的特徴)、キワモノ度は低い印象を受ける。
ただ、1995年結党で結構歴史があるので「なぜ今?」という疑問は残る。選挙結果(これもとりあえず英語版ウィキペディアの記事を参照)を見てみると各党数パーセントずつ得票を減らしているのだが、特に首相を出していた中央党の落ち込みが激しいので、現政権批判の票が集まったような印象を受ける。本来、野党が集めるべき政権批判票も、ちょっと過激な党がポルトガル救済問題で目立ったのでそちらに流れたのかも知れない。
あと、全くの想像だが、左の側で同じような主張の受け皿になりそうな共産党(正確には人民民主同盟ですが)が、フィンランドの場合冷戦時代に政権参画したりしてたので、「体制派」的なイメージがついちゃってるのかも知れない。
ところで、この党を(恐らくはその経済政策から)「中道左派」と見る分析もあるようである。北欧諸国は社民党、共産党などの社会主義ブロックと保守政党や自由主義政党などのブルジョワブロックというような色分けがされるが、フィンランドではこの区別をあまり聞かない。その辺が社会主義的な思想を出自としていないこの党が「左派」に含まれる素地となっているのかもしれない。
いずれにせよ、EUの拡大と統合の深化につれて、こういった反EUを掲げる極右政党が進出する国が多くなっている。フィンランドも例外ではないということだ。
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