かなり時間がかかってしまったが吉田徹『二大政党制批判論』(光文社新書)読了。
全般的には、政治学の教科書的な感じでよかったとは思うのだが、気になったのがいくつか。というわけで個人的なメモ。
・キルヒハイマーの包括政党論やピーター・メアのカルテル政党論があまりに政党システム論にからめとられすぎている気がする。まあ、新書だからしょうがないと言えばそれまでだけど、この辺はもう少し丁寧に論じてほしいところ。
・ドイツのユンカーやイギリスのジェントリと日本の武士を比べて後者を低く見るのはいかがかと思う。この辺は完全に素人なのでよくわからないが、明治以降の官僚制などへの接点はあっただろうし、そこに日本の民主主義の課題の原点を見出すのはちょっと苦しい気がする。
・その辺も含めて歴史的なところに答えを見出そうとしている割に、歴史の議論が荒っぽい印象を受ける。日本の農村社会の蓄積(地主層とか)や日本社会の中のクリーヴィッヂなど、もう少ししっかり議論しないとよくわからない。
・「日本の作法」によるデモクラシーというのは論争的で悩ましい結論だ。デモクラシーが多様であるというのは、その通りだが形容詞付きのデモクラシーって民主的じゃない場合が多いし。ナショナルな響きというよりも非民主的な響きに聞こえてしまう。
全般的には、政治学の教科書的な感じでよかったとは思うのだが、気になったのがいくつか。というわけで個人的なメモ。
・キルヒハイマーの包括政党論やピーター・メアのカルテル政党論があまりに政党システム論にからめとられすぎている気がする。まあ、新書だからしょうがないと言えばそれまでだけど、この辺はもう少し丁寧に論じてほしいところ。
・ドイツのユンカーやイギリスのジェントリと日本の武士を比べて後者を低く見るのはいかがかと思う。この辺は完全に素人なのでよくわからないが、明治以降の官僚制などへの接点はあっただろうし、そこに日本の民主主義の課題の原点を見出すのはちょっと苦しい気がする。
・その辺も含めて歴史的なところに答えを見出そうとしている割に、歴史の議論が荒っぽい印象を受ける。日本の農村社会の蓄積(地主層とか)や日本社会の中のクリーヴィッヂなど、もう少ししっかり議論しないとよくわからない。
・「日本の作法」によるデモクラシーというのは論争的で悩ましい結論だ。デモクラシーが多様であるというのは、その通りだが形容詞付きのデモクラシーって民主的じゃない場合が多いし。ナショナルな響きというよりも非民主的な響きに聞こえてしまう。
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