えびす顔の造花卸売問屋元社長からの手紙

かすかな希望を抱いて幸せを自慢する尊大な手紙。重複掲載御免。造花仏花の造花輸入卸売問屋ニューホンコン造花提供

柔軟な医学的考え方を

2013年04月24日 14時46分18秒 | サンチョパンサ
 東北のみなさん こんにちは

 先月末に救急で入院した母、一時は危ない状態でしたが大阪警察病院やNTT大阪病院のみなさんのおかげで順調に回復してきています。その時の病名が敗血症性ショック。体全体に菌が回り血圧が低下、多臓器不全を起こすとても危険な状態です。

 その病名を決める診断。母は最高血圧が40まで下がっていました。そして感染症の反応が出ていました。
 
 1、何かに感染している
 2、血圧低下は血管の拡張でも起きる
 3、血管拡張はサイトカインが血液の中で増えると起きる
 4、サイトカインはエンドトキシンが血液に分泌されることで増える
 5、エンドトキシンは敗血症の原因菌によって血液に分泌される
 6、エンドトキシンが血液に分泌されたのだから敗血症の疑いがある

 もちろんこの推論だけではなく、他の症状や検査数値によって敗血症性ショックの診断になりましたが、この論理の組み立て方は診断を大きく左右しました。推論を重ねていく医療の現場ではとても当たり前なやり方です。しかし法学をかじった私には画期的な思考方法に思えました。刑事捜査の推論ではこの方法も使えるのでしょうが、裁判になるとこうはなりません。法学的に考えると、

 2、血圧の低下は血管拡張以外でも起きるから血管拡張かどうかは断定できない。
 3、血管の拡張はサイトカイン増加以外でも起きるからサイトカインが原因かどうか断定できない。
 4、エンドトキシン以外の理由でもサイトカインが増えるからエンドトキシンが血液にあるかいるかどうか断定できない。
 5、エンドトキシンは敗血症の原因菌以外の理由によっても増えるので、敗血症が原因とは断定できない。

 となるんじゃないでしょうか。簡単に例えると、法律では「殺人犯は長い包丁で刺した。あいつは長い包丁を持っているから犯人だ。」とは決してならないのです。推論だけで断定すると冤罪を生んでしまいます。それに比べて医学では推論を重ねていく。全く思考の方法が違います。そこには法学にはない柔軟な思考方法があります。法学がその性質から仕方ないこととは言え、しゃくし定規、固物と思われる所以はその柔軟性の無さなんでしょうね。法学的な考え方を強く持つ私には、柔軟な医学的な考え方がかなり必要な気がしました。
コメント (4)
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