香港の苦渋

　みなさん　こんにちは

　この7月の香港出張、三つの商社、十ほどのメーカーの方々と、中国では一つの商社、七つのメーカーの方々とお会いしました。その中で、今回の市民の抗議行動について話をしたのは、香港の商社2社だけです。ビジネスでのお付き合いなので、政治の話は基本的にＮＧです。しかし、信頼のおける相手とは踏み込んでこの手の話もします。

　商社社長６０代男性
　政治にはあまりかかわりを持ちたくない。今、問題もなく生活できている。

　商社共同経営者５０代男性
　若者たちがこれ以上状況を悪くさせると、中国が本気になる。すると小さな香港はひとたまりもない。中国が貿易をストップさせたり、観光客を来させなかったら、香港はたちどころに干上がる。それを若者は分かっているのだろうか。中国は５０年間一国二制度を国際的に約束したから、それは守るだろう。しかし、その時香港がコントロールできない状況だったら強硬な手段に出る。もしコントロールできる状況だったら緩やかな施策をする。そこまで考えて行動しないといけない。

　一見、お二人とも今の抗議行動に異論を唱えているように見えます。しかし実は、中国のやり口に不満を持っています。ただ強い中国に対し、強硬に出ることでより悪い状況に陥る。そのことを心配しているのです。

　中国での香港の位置は相対的に低下したとはいえ、まだまだ、金融、貿易で中国経済の一翼を担っています。報道によると、そう簡単に中国も強硬策には出られないでしょう。しかし、その姿におびえる香港の方々の苦渋、察してあまりあります。

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