オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

風評被害

2006年11月24日 | Weblog

SARS、鳥インフルエンザ、BSE、古いところでO-157等世間を騒がす元凶は絶えない。

 米国でBSE感染牛が見つかったと言うことで日本で大騒ぎになった。しかし牛から人間へBSEが感染するかはまだ解っていないし、ヤコブ病との関連も明確ではない。現実に米国でBSE感染牛が見つかったからといってこのことが原因で感染者や死亡者が増大したというニュースは聞かないし、米国民はいつもと変わらないように牛ステーキをたらふく食っている。私もBSEのニュースが流れた時「牛肉が値下がりする、この際たらふく食べてやろう」と楽しみにしていたら、政府が米国からの牛肉の輸入をストップしたのでかえって値上がりしてしまった。いまでは、おずおずと解禁しようとしている。

BSEとは「ウシ伝染性海綿状脳症」であり、プリオンという特殊な感染性タンパク質が体内に入り感染する。

 牛のプリオンが人のプリオンと同様な症状を引き起こすかは解っていないし、可能性はあっても爆発的に感染する恐れはない。BSEの牛を食べてプリオンを摂取したからと言って必ず感染するわけでもない。唯一怖いのは人間のプリオン病であるクロイツフェルト=ヤコブ病にかかると有効な治療法はなく、1~60ヶ月くらいで死亡することである。以前はBSEを「狂牛病」として報道していたが、名称が刺激的すぎるため変更したようである(情報操作?)。「狂牛病」という言葉と、感染した牛がヨダレを垂らして足腰が立たなくなる映像を再三見せつけられたためか、日本人全員がアレルギー反応を起こしたようである。

日本人のこのアレルギー反応はすごいものである。

 「穢れ」を忌み嫌う国民性からか、理性を失って国民全員が感情的に反応してしまう。正常な方向に反応するのは構わないが、異常な方向に反応するととんでもないことになってしまう。しかし、この日本国民のアレルギー反応はいろいろな場面で日本の国を救ってきたのではないかと思う。ある意味では自然の防御本能である。異質な物は排除する免疫反応といってもいい。日本が島国で同質性を保つことができたから可能なことであろう。ただし、国際社会においてはもっと冷静な理性的な反応を必要とするし、一時の感情や本能ではなくしっかりとした考え方、思想に基づいた判断であることが要求されるし、そうでなければ民族性の違う各国を納得させることはできない。 

以前あれほど騒がれたO-157はどうなったんだろう。

 O-157は大腸菌のひとつだからはっきり言うとどこにでもいるはずで今ここで発生してもおかしくない。ただし繁殖力が弱いため条件が揃わないと増殖しないだけのことであり、たとえ感染しても健康な大人であれば死ぬことはない。現実にあれほど騒がれたにもかかわらず結果としては毎年流行しているインフルエンザにも満たないほどの影響力であった。今でも時々新聞の片隅に発症の記事が出ているが、何が原因で当時はあれほど国をあげて騒がれたのだろう。基本的には「得体が知れない」「死ぬ」「感染する」という言葉ではないかと思う。そして、権威がある人なり団体が警告しているという事実であろうか。O-157もBSEも鳥インフルエンザもSARSも全て外国からもたらされたものである。実体を冷静に見つめることをしないで最初から全てを排除しようと感情的に騒ぎ立てる国民性が見えてくる。

鳥インフルエンザの風評で鶏肉、玉子の需要が落ち込んだことがあった。

 渡り鳥がインフルエンザの病原菌をせっせと運んでいるのはずっと前から知られていた。ここにきて何故今爆発的な騒ぎを巻き起こしたのだろう。しかも鳥インフルエンザは人間に感染する可能性はほとんどない。鶏肉も玉子も安全なのであり、今までも何の問題もなく食べていたのである。今現在から直ちに安全でなくなったというものでもない。それなのに何となく敬遠してしまう日本の国民性がある。困るのは養鶏農家であり流通業者である。O-157の時のカイワレ大根やダイオキシンのほうれん草騒動みたいなお粗末な結果にならないようにしたいものである。情報公開は結構であるが、事実が正確に伝わるような情報公開であって欲しい。見出しだけで中身のない人騒がせな情報公開は迷惑であり、そんな情報に惑わされない大人としての日本国民の対応を望むものである。

今朝テレビ放送でモノレールが停止しているのを見た。

 乗客には「車両故障のため・・・・」と説明されていたが、正確には「工事用車両の故障のため・・・・」と言うべきだろうと思わず突っ込んでしまった。素直に「工事用車両が故障して線路をふさいでいるので運行できない」と言った方が正確に理解してもらえると思う。以前、離陸した直後もとの飛行場に引き返した航空機に乗り合わせたことがあった。乗客への説明は「離陸装置の故障のため・・・・」となっていたが、現実は車輪が格納できなかったのだった。安全に離陸したばかりで離陸装置の故障が何の関係があるんだろうと疑問に思いながら事実は正確に理解できなかった。「車輪が格納できないためもとの飛行場に引き返します。着陸に問題はありません。」と説明した方がよっぽど解りやすいと思ったものである。確かに、乗客に不安を与えないようにと言う配慮はあるだろうが、少なくとも常識の範囲内で配慮してもらいたいものである。どう考えても「車両故障のため・・・・」「離陸装置の故障のため・・・・」は事実を正確には伝えていない。

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