情報化社会の世の中に「口コミ」が健在である。
口コミで広がった情報は数知れない。いかがわしい情報や、デマ、単なる噂などもあるが、れっきとした情報源として市民権を得ており、口コミが発端となりマスコミに取り上げられた情報は多い。反対に、よく考えるとマスコミに取り上げられる前の情報は全て「口コミ」なのである。口コミで広がる前にマスコミが横取りしてさも自分が発信源みたいな顔をしているだけである。
マスコミが独自に取材したものもあるかも知れないが、
取材そのものが大半は「口コミ」からの情報である。その情報を記事にするために、文献や資料、他のマスコミの報道等を参考にして裏付けし肉付けして記事として発信しているのであろう。口コミ情報が一切なくて、すでに公開されている情報だけに頼るとなると情報の価値は下落しマスコミは困ってしまう。口コミを馬鹿にしてはいけない。その役割は重要なのである。
我々一般人は
1人の力で国を動かすことは99.99%(残りの0.01%は首相や大臣や有名人等になれる希望的確率)できないことと諦めてしまっているが、そんなことはない。有力な味方が「口コミ」である。実は、この「オクトシティー正直村」のホームページも「口コミ」の延長である。個人の主張が正しければ理解してくれ、賛同してくれ、応援してくれる人達が増え、その主張を核として波紋が輪のように広がって行く。国を大きく動かすような野心は持っていないが、少しでもみんなに役立ててもらえば光栄であると思っている。アクセス数はどのくらいの人が参考にしてくれているかのバロメーターである(かといってアクセス数を増やすために安易に迎合するつもりはさらさらない)。みなさんからの反応は、自分の主張をより磨くための試金石であり、間違いや不完全さを正す貴重な意見となる。
1人の力で大勢の心を動かすことは非常に難しい。
しかし、大きな釣り鐘に小さな力を少しずつ周期的に繰り返し蓄積し増幅させて、最後には目に見えるほどに釣り鐘を動かすことが可能なように、いっぺんには無理だが時間をかけて範囲を絞って集中的かつ継続的に働きかけることにより小さな力が増幅され最終的に大勢の心を動かすことは可能である。この非力な1人の力を増幅させる時の有能な味方が「口コミ」である。
口コミは、まず2人の会話からはじまる。
どちらか1人がある意見を発信すると、2人の内1人(半分)が主張する意見であり、正しい意見であればもう1人も確信をもった賛同者となる。3人グループによる会話で1人が意見を発信し2人目が絶対反対を表明しても、3人目の人から見ると2人の内1人(半分)が主張する意見であり、通常は2人目の否定的な反対意見より1人目の積極的な意見に賛同する可能性のほうが大きい。そうすると、3人中2人が賛同者となり、2人目の反対者も賛同の側に傾く可能性が高くなる。
4人グループの場合、
1人が意見を発信すると、3人中1人が賛同してくれれば半数が賛同したこととなり、他の2人も賛同に傾く可能性が高くなる。5人グループの場合、4人中の2人を賛同させれば目的を達する。いずれも、主張する意見が正当で賛同できるものであることは必要であるが、積極的に意見を主張する人には少人数の口コミは有利に働く。
ややこしい理屈をこね回したが、要するに、
人間は半数が同じ意見である場合、積極的な肯定的意見に同調しやすい傾向がある。2~5人くらいの小グループにおいては、正当な意見を前向きに積極的に発信した側が有利であり、その人の意見は受け入れられやすいということである。賛同者が得られれば、その賛同者はまた他の小グループに発信して行く。そうするとネズミ算的に一人の意見が指数関数的に増幅して行く。町を動かし、組織を動かし、国を動かし、世界を動かすことも可能である。これが口コミの真髄であろう。
ただし、口コミも正しい正確な情報を広めるならいいが、
非難や中傷、恐怖や不安、虚偽や推測等の情報の増幅に利用されると無用な混乱やパニックを引き起こすことにもなる。大衆が冷静で正常な判断力を持っていないと口コミは信用できないものとなる。反対に、冷静で正常な判断力を持つ大衆は貴重な情報のフィルタであり、このフィルタを通り抜け大衆に広まった情報は大衆の信任を得た真実に近いものであるともいえる。
我々は、どんなに正しいことであっても
個人の力は非力で一人ではどうしようもないと最初からあきらめているが、そんなことはない。自分の足下から自分の意見を情報として発信してゆく努力を怠らないことである。その意見が正当でみんなに受け入れられるものであれば、いずれは大きな輪になって世の中を変えてゆく原動力となる。
今日やって明日成果が出るというものではなく、
ものによっては長い年月を必要とするであろう。時によってはみんなの賛同を得られず徒労に終わるかも知れない。たとえそうであってもみんなの意見を聞きながら試行錯誤して自分の考えを磨き、理想と真実を目指して継続的に情報を発信して行けばいいと思う。それは自分自身を発見することでもある。世界を動かすチャネルは我々個人も持っているという自信を持つべきである。あきらめないことである。
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