イギリスがEU離脱を国民投票で決めた。
私は、残留しても離脱してもいいが、何故国民投票で決めるのかが疑問であった。残留すれば残留するで、離脱すれば離脱するで、それぞれに一長一短があり、それぞれに道が開け、いずれにしても相応の対策が必要であろう。離脱か残留かの議論ではなく、その先をどうするのか、現実的・具体的対策はどうなっているのか、将来的にどの方向に進もうとしているのか、どの選択が最適なのかが問題であると思う。目先の問題に囚われて時間的にも空間的にも思考範囲においても全体を見回す冷静さを失ってはならない。
国民投票のいきさつは、昨年のイギリスの選挙にある。
現在のキャメロン首相は選挙公約でEU離脱か残留かを国民投票で決定すると約束してしまった。このことで当時の国民の人気は獲得できたが、実質的には公約が先で、中身の議論が十分でないことを露呈してしまった。その証拠に、自ら主張する残留の選択についてイギリス国民を持論で説得できなかった。結果として短命で辞任しなければならなくなった。彼としては残留を勝ち取ることに自信があったのだろうが、反対にその自信がイギリス国民の反感を買って、感情的な意見から僅差で離脱が優勢となったようだ。もっと本質的な議論で説得すべきで、ただ単なる短期の経済問題だけを掲げても国民は納得はしない。
衆愚政治という言葉がある。
一般大衆と言われる不特定多数の集団が政治を司ると、政策を誤まることになる。日本のことわざで「船頭多くして船陸に上がる」とも言われるが、まずはリーダーがしっかりとかじ取りをしないと衆愚政治では行き当たりばったりで一貫性のないまとまりのない政策ばかりとなる。そうならないために優秀な代表を選んで、最適のリーダーを選出して、英知を尽くして一般大衆の意見をまとめて、より良い方向に導いてくれることを期待しての議会制民主主義である。これを議論不十分なまま国民投票に委ねたら衆愚政治に逆戻りしてしまう。
キャメロン首相はいみじくも「船長が務まらない」と言って辞任した。
その通りである。かじ取りができなかったのであり、イギリス国民がかじ取りを任せられないと判断したのである。それを最終決定的な「国民投票」で決めてしまった。即刻辞任表明したのも理解できる。このように重大な意味を持つ「国民投票」に意思決定を委ねたことにより、当分の間は誰もこの決定を変更することはできないだろう。下手をすると、イギリス国民のプライドの高さ故に未来永劫EU離脱になるかもしれない。また、EU側もイギリスを再び迎え入れようとする環境が整うまでには相当の時間を要するだろう。本来であれば政治家レベルで検討すべき課題であったのである。そうすればもっと柔軟に対応できたと思う。
「柔軟に」とは、離脱と残留の中間部分という意味である。
これまでもイギリスは離脱と残留の中間部分でEUと様々な調整をしてきて現在がある。このままで、個別の調整を重ねて、EUともしくは世界とうまくやる方法はあるはずであり、それを模索してもっと努力すべきだったと思う。今の状況は、離脱が決まっただけで、その後の対応については何も決まっていないし、これから離脱を前提に様々な調整が長期にわたってなされる。結果的には離脱と残留の中間部分の離脱に近い地点に着地するのだろう。国を二分して対立しているわけではなく、そこの着地点を双方で見出さなければならないのではなかろうか。
世界は大変だ、大変だと騒いでいるが、
大変なのは一時期だけで、イギリスがEUを離脱することを前提に世界は収束し落ち着いてゆく。そして、直ちに大変な状況になるわけではなく、少なくとも2年間をかけて徐々に手続きと調整を経て収束してゆく。問われているのは目の前の短期的な損得に冷静さを失わないことと、的確に対策をしてゆくことである。メリットを最大限生かしてデメリットを最大限なくす努力を直ちに始めて、少なくとも最初の荒波は乗り越えなければならないし、乗り越えるだけの体力を準備しなければならないと思う。
私は、残留しても離脱してもいいが、何故国民投票で決めるのかが疑問であった。残留すれば残留するで、離脱すれば離脱するで、それぞれに一長一短があり、それぞれに道が開け、いずれにしても相応の対策が必要であろう。離脱か残留かの議論ではなく、その先をどうするのか、現実的・具体的対策はどうなっているのか、将来的にどの方向に進もうとしているのか、どの選択が最適なのかが問題であると思う。目先の問題に囚われて時間的にも空間的にも思考範囲においても全体を見回す冷静さを失ってはならない。
国民投票のいきさつは、昨年のイギリスの選挙にある。
現在のキャメロン首相は選挙公約でEU離脱か残留かを国民投票で決定すると約束してしまった。このことで当時の国民の人気は獲得できたが、実質的には公約が先で、中身の議論が十分でないことを露呈してしまった。その証拠に、自ら主張する残留の選択についてイギリス国民を持論で説得できなかった。結果として短命で辞任しなければならなくなった。彼としては残留を勝ち取ることに自信があったのだろうが、反対にその自信がイギリス国民の反感を買って、感情的な意見から僅差で離脱が優勢となったようだ。もっと本質的な議論で説得すべきで、ただ単なる短期の経済問題だけを掲げても国民は納得はしない。
衆愚政治という言葉がある。
一般大衆と言われる不特定多数の集団が政治を司ると、政策を誤まることになる。日本のことわざで「船頭多くして船陸に上がる」とも言われるが、まずはリーダーがしっかりとかじ取りをしないと衆愚政治では行き当たりばったりで一貫性のないまとまりのない政策ばかりとなる。そうならないために優秀な代表を選んで、最適のリーダーを選出して、英知を尽くして一般大衆の意見をまとめて、より良い方向に導いてくれることを期待しての議会制民主主義である。これを議論不十分なまま国民投票に委ねたら衆愚政治に逆戻りしてしまう。
キャメロン首相はいみじくも「船長が務まらない」と言って辞任した。
その通りである。かじ取りができなかったのであり、イギリス国民がかじ取りを任せられないと判断したのである。それを最終決定的な「国民投票」で決めてしまった。即刻辞任表明したのも理解できる。このように重大な意味を持つ「国民投票」に意思決定を委ねたことにより、当分の間は誰もこの決定を変更することはできないだろう。下手をすると、イギリス国民のプライドの高さ故に未来永劫EU離脱になるかもしれない。また、EU側もイギリスを再び迎え入れようとする環境が整うまでには相当の時間を要するだろう。本来であれば政治家レベルで検討すべき課題であったのである。そうすればもっと柔軟に対応できたと思う。
「柔軟に」とは、離脱と残留の中間部分という意味である。
これまでもイギリスは離脱と残留の中間部分でEUと様々な調整をしてきて現在がある。このままで、個別の調整を重ねて、EUともしくは世界とうまくやる方法はあるはずであり、それを模索してもっと努力すべきだったと思う。今の状況は、離脱が決まっただけで、その後の対応については何も決まっていないし、これから離脱を前提に様々な調整が長期にわたってなされる。結果的には離脱と残留の中間部分の離脱に近い地点に着地するのだろう。国を二分して対立しているわけではなく、そこの着地点を双方で見出さなければならないのではなかろうか。
世界は大変だ、大変だと騒いでいるが、
大変なのは一時期だけで、イギリスがEUを離脱することを前提に世界は収束し落ち着いてゆく。そして、直ちに大変な状況になるわけではなく、少なくとも2年間をかけて徐々に手続きと調整を経て収束してゆく。問われているのは目の前の短期的な損得に冷静さを失わないことと、的確に対策をしてゆくことである。メリットを最大限生かしてデメリットを最大限なくす努力を直ちに始めて、少なくとも最初の荒波は乗り越えなければならないし、乗り越えるだけの体力を準備しなければならないと思う。
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