変な話だ。
だいたいが、「造反議員」という言葉がおかしい。何に対して造反したかというと、自民党が多数決で決めた郵政民営化という決定に対してである。自民党員全員が賛成して郵政民営化を行ったというのは嘘である。色々な問題を含み、色々な反対もあって、その中でとにかく郵政民営化に踏み出して無理はあったが実行に移したというのが実態であると思う。反対意見があって当然であり、大いに問題点を議論する場を作るべきだったのである。これを「造反」と決め付けられては議会制民主主義は成り立たない。国民としては大いに造反してもらいたい。自民党のために国民があるわけではない。
造反議員を離党させたのもおかしい。
自民党が離党させたのである。議員が自ら離党するのは自由だが、「反対するなら離党せよ」と強制するのはこれまた横暴である。より良い議論をする上において、反対者を封殺してしまっては議論は成り立たない。反対者あっての議論であり、反対者がなくなれば議論は成り立たない。反対者を排斥する事は議論を拒否する事で、郵政民営化は十分に議論される事なく発進したのが実態のようである。
造反議員の復党もおかしい。
郵政民営化反対をやめることを条件に復党している。反対と決めたら納得ゆくまで議論してもらいたいが、何が具体的な問題で反対しているのかがわからない。選挙の支持者が反対だから反対と言っているように見えるし、結果的にただ反対しているだけにしか見えない。賛成に転じた理由は、郵政民営化の国民の賛成が得られたからこれに従うという。どこにも自分の意見がない。「ここが問題で反対したが、郵政民営化をよりよくするため引き続き問題点は追求する」とコメントするなら、まだ理解できる。個人の政治信条が全く見えてこない。
週刊誌的に言うところの「刺客」論争も可笑しい。
役割が済んだので、自民党としては元に戻すということだろうが、自民党が支援すれば誰であっても選挙に当選するのも不思議だし、支援がなくなれば当選できない体制もおかしい。週刊誌的に「小泉チルドレン」と言われる新人議員も登場の時からおかしかったが、未だにおかしい。次の選挙では自力で頑張らなければならないが、支援が得られないことを被害者感覚でコメントしている。議員を選挙で選ぶのは国民であり、自民党ではないし、実績を上げられない議員は落選して当然である。客寄せパンダはやめてもらいたい。
今のままでは郵政民営化は改悪になってしまう。
引き続き検討すべき事は山ほどあり、始まったばかりだと思うが、政府が郵政民営化を決めた時点で論議は終わっている。あとはお任せと言うのか知らないが、それでは無責任である。長年にわたってせっかく築き上げた、国レベルの郵政事業を台無しにしてしまう。郵政事業のいいところは残して、悪いところを改善して近代化を図ってゆく必要がある。経営の自由度とサービスの向上、国民負担の軽減、国民貯金の公的資金化阻止などは引き続きやってゆかなければならない。郵政事業を民間に開放して従来の官業の郵政事業をだめにしてしまうのが郵政民営化ではないはずである。
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