時代錯誤だとお叱りを受けるかもしれないが、実話だから仕方がない。兄が17歳、私7歳(国民学校1年生)のときの写真です。兄が志願して予科練に入隊するときの記念写真であります。母は大学への進学を薦めたようだが、兄はこちらの道を選んだようであります。
幸いにして、戦地へは行かずに終戦を迎えたので、生きて帰ってきてくれたが、戦争がもう少し延びていたら生死の程は定かではない。終戦の翌年春に、リュック一つで復員してきた。なぜか、アメリカ製の缶詰、タバコ等リュックの中には日本製のものは何もなかった。
私は、そのときもって帰った兄の7つボタンの制服(予科練兵)を小学生の頃、通学に着ていた記憶がある。教科書も着る物も履く物も食べるものさえなかった。あの耐乏生活というか、貧乏生活を決して忘れはしない。今でも食べ物、生活用品、身の回りの品々について、スペアがないと安心できない性分が身についてしまった。
われわれ世代のスタートは、何もないところから始まった。贅沢どころか生きること事態が大変な時代でした。何も現代に生きる人たちに同じ思いをさせたくないけれども、そういう時代があったことは知っておいてもらいたい。これから先に贅沢は敵だというような時代が来るかもしれない。その時のためにも。
*注・・兄が、たすきがけしているものは、国旗です。そこには近隣の人たちのそれぞれの思いが寄せ書きされておりました。今の人たちへの説明です。
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