うろこ玉絵日記

日々のなにげない一こまを絵日記にしてみました。大阪に近い奈良県在住です。
マウスでかいてまーす。

光れ 輝け

2011-06-20 | Weblog
週末は安藤ニキさんの絵を見に美術館に行ったり
中原さんの六角橋吹奏楽団を聴きに行ったり
今日はアヤコさんのガラスや陶器を見に行ったり

思いがけず芸術の秋、ではなくて芸術の梅雨でした。

曇天や雨空の下でも、いいものです。
どれも、すてきでした。




中原さんの叩くドラムのオーケストラを聴きながら
わたしの心はわたしに言いました。
もうだいじょうぶだとか、前を向いてだとか、焦っていなかったかい?


まず、立ち止まろう。
自分自身の悲しみをカクニンしよう。
どれだけの傷が今あるのか、ちゃんとふれて、たしかめて。

そこからはじめて、進めるでしょ?


このちきゅうで、これからも生きていくんだ!
楽しむために、喜ぶために生まれたんだ!


宇宙があって惑星があって、溶岩があってマグマがあって鉱物があって湧水があって

ミジンコがいてクラゲがいて恐竜がいてオウムがいて

苔があってバオバブがあって砂漠があってマングローブがあって氷山があって

貝がいてカツオがいてイルカがいてイヌがいてニンゲンがいて

火があって土があって雨があって雪があって

紙があって歌があって絵があっておまじないがあって

編み物があって縫物があって織物があって

焼き物があって彫刻があってえんぴつがあって

地下鉄があってバスがあって飛行機があって自転車があって

工場があってデパートがあって動物園があって

科学があって化学があって宗教があって文学があって

農業があって畜産があって漁業があって

死刑があって戦争があって差別があって迫害があって破壊があって

トマトがあってカレーライスがあって肉じゃががあって

ちゃぶ台があってテレビがあって浴槽があって椅子があって

海があって空があって空気があって木々があって

お日様が昇って沈んでまた昇る






京都1泊

2011-06-13 | Weblog
田んぼ仲間のそふぃさんが、
京都のおかあさんが戦中から住んでいたお家を片付けると言うので
お布団や食器などいただきたく、土日と車で行って来ました。


軽バン、カーナビ無し、ETC無し、ステレオ無し。
片道400キロをとことこ飛ばしてね。

行きは雨がざばざば車の、上から横からジェットのように吹き付けてきて、ちょっとすごかった。アトラクションの乗り物みたいでした。



夕方着いたとき、ちょうど脱原発の行動が京都でも行われているということだったので
急いで京都駅前の関西電力京都支店までかけつけました。
会社はシャッターが閉まっていて、誰もでてきません。土曜日ですからね。
でも、その支店の前でマイクで話したり、ビラを配ったりしていました。

そのうち、一足先に新幹線で京都に着いていたそふぃさん夫妻が
ぞろぞろとデモの列の中から顔を出しました。
わいわいしゃべりながら、わたしたちもビラ配りのお手伝い。
京都デモは、640人ほどが参加したようです。

一人、「反戦老人クラブ」と書かれた虹色の旗を持っている男性がいらしたので
声をかけると、昨年うちの子どもたちがヒロシマで被爆体験を伺った、米澤鐵志さんということがわかりました。
すごい偶然です!
宇治にお住まいで、京都での脱原発運動にはよく顔を出されているとのこと。
今年も8月には生活クラブのヒロシマツアーで子どもたちに体験を語ってくださいます。
米澤さんは小学5年のときに、爆心から750メートルの路面電車の中で被爆、
阿鼻叫喚の中を生き延びました。
広島福屋前電車被爆の最後の生き残りの方だそうです。
「この震災で、デモにも若い人が多く参加するようになったよ」とにこっとされていました。




そふぃさんのおうちは上京区。
引き戸を開けるとしんとして、奥に長い。
三軒長屋のひとつで、1階にも、2階にも、古くて素敵なものがたくさんありました。
箪笥も器もちょっとした机も、全部ほしいくらい。
長い年月、大事に使われてきたものの威厳や温かさを感じるものばかりでした。

夜は近くの小さな料理屋さんで、めずらしいもの、おいしいものをたくさんいただいて
(アスパラとサザエの黄身酢あん、タコと根菜の煮もの、鮎の焼き浸し、スズキの山椒焼き、ハモの吸い物、ジャコのご飯などなど)
おうちに戻ってたくさん飲んで、たくさん飲んで・・・・。




次の日、わたしは、帰る前に1か所だけでもお寺にいきたいなーと、
みんなにお願いして広隆寺に連れていってもらいました。

昨夜はみんな口々に「水を飲んで寝なさい」と言ってくれていたようですが
結局なにも摂らずに寝たようで頭がぐらんぐらんです。
こんなひどい二日酔いでお寺の仏さんに向かい合う、なんてばちあたりな!


京都、奈良のお寺は、20歳の頃仏像めぐりに訪れて以来なので
広隆寺も18年ぶりです。

弥勒菩薩さんに会いたかったのでした。

霊宝殿に入り、中学生の群れに混じりながら
あれ、こんな暗いとこにいたのか、そうだった、意外と小さくて・・・なんて見つめたら
もう目が釘付けになってしまって、体も動けなくて
金縛りのように、何分も見つめてしまっていました。

なんというか、この菩薩さんは、完璧なのです。

たたずまいも、周りの空気も、完全なんです。
言葉が出てこなくて。

ああー、となんだか涙がでてきちゃって、やっぱりここにくるだけでも価値があった、と心から感謝しました。




同じ建物に安置されている、不空羂索観音像の肉付き具合や腕のたおやかさに
20歳のわたしは電撃に撃たれたようになったのでした。
その感動は、今も同じですが、しみじみ今回は観察しました。

信仰の対象として見ることはなく、
どうしても美術品、工芸品を見るときの目で見てしまうのですが
時を超えて守られてきた、信仰のかたちが人のかたちであらわされている像、
木造や乾漆造だったりするのですが、そこに強い思念や祈りがこもっていて
人が作ったものでありながら、実はそうではないような気もします。

そういうところがわたしが仏像が好きな理由です。



嵐電の駅のホームにあるうどん屋さんで鳥なんばんを食べ、
スーパーで九条ねぎやらゆばやら豆腐やら買って、
後部座席におみやげたっぷり載せて、また400キロぶーんと、小田原まで戻ってきました。

夫はよくがんばりました。
そふぃさん、ほいさんありがとう!
また京都行きたいよ~。













田植え

2011-06-06 | Weblog
わたしはバイクも車も運転できないけど
田植え機は、なんとか。


自分でけっこううまくできたと思ってたのに
帰りに他の農家の人の田んぼ見たら、
定規で引いたみたいに寸分の狂いもなくまっすぐ植えられていて、素直に敗北しました。


昨日は仲間たちと田植えでした。小田原で田んぼやって7、8年経ちました。

手植えがもちろん好きです。
水の生ぬるさ、泥のにおい、体全体で感じる感覚。やったこと無い人にはすすめたい。
たまらない世界です。
手で植えたほうが確実だし、エコだし。
今までは機械植えなんて、と思っていました。

でも機械オンチのわたしが気付いてしまった。マシンの魅力に!
それはこの田植えを通してなんでした。今年で5年です。


紐をひっぱってぶるぶるっとエンジンかけて、
がちょんがちょんと大きなレバーを転換して
自転車のベルのような部品で出力を調節して、ガタガタ走る・・・。
あーかっこいーなー。



わたしは天才エンジニアヌカダさんの元で機械いじってるから
全然心配ない。
止まっても故障してもぜったいだいじょうぶ。


もちろん機械だけでは不十分です。
うまく植わってくれなかった稲の補植、機械が入らなかった場所の田植えは、人力です。
昨日は新旧そろってオールスターで真面目に働き、休憩時にはたくさん笑って、いろんな話をして
今年もがんばろうねと約束しました。



この地で今年も田植えをすることが完璧に安全だと思ってやっている人は一人もいなかったとおもいます。
ヌカダさんは簡易型の計測器で土壌や空中を測ってくれました。

もちろん、事故が起こる前よりは少し高い数値です。
すごく高い値とはいえないけどゼッタイ安全ともいえない・・・・。
これくらいなら、きっと大丈夫だろうと・・・。
誰も確実な未来は言い当てられないのです。
それでもわたしたちは稲を育てて1年間それを食べようと決めて集まりました。


お互い励まし合ってがんばろうと、不安は不安と言おうと、そんな仲間たちだと思います。
昨日もみんなで大笑いしました。
色んなことを話しました。野菜の話から子どもの話、政治の話まで。



すごく楽しい田植えだったけれど、今年の田植えは特別だ。





夜明けをまってる。

2011-06-02 | Weblog
真夜中に目が覚めたが最後、どうしても眠れないときは悪あがきせず夜明けがくるのをまちます。
もう、たくさん眠る体力がなくなってきてるのかもしれません。




そのときを待っていると、ふと。

わたしをおしつぶそうとしていた夜の重たさが、
じゃ、また、と潔く引き上げていきます。
ほろほろと、雲散霧消。それはあっけないのです。



昔話や物語で、夜明けに鬼が住みかに帰っていったり
お姫様の魔法がかかったりとけたりするのは、
このときのつよさや、ふしぎさを知っているひとびとがいたからかな?



どんどん、どんどん、空気が軽くなって、息が楽になります。
ああ、ほどけていく、と思います。

一瞬、すべての音がなくなって、
時間の感覚もなくなって、
わたしは真空のなかにいるようです(でも、息が吸えてるから真空ではないか)。

包まれているみたい。気持ちいいな。でも、眠っているわけじゃないよ。




鳥が鳴いてる。安心したわたしは体温を上げて、やっと眠れそうです。



・・・で、起床5時半なんですけど。あー仕事休みたい。