うろこ玉絵日記

日々のなにげない一こまを絵日記にしてみました。大阪に近い奈良県在住です。
マウスでかいてまーす。

アリとえだまめ

2012-10-06 | Weblog
天神さんで古本市が開かれるのを娘はずっと楽しみにしていましたので
今日は母子で行って来ました。




天王寺から谷町線で南森町まで。
駅をでて、日本一長いという天神橋筋商店街をすこし歩けば、天満の天神さんにたどり着きます。


砂の敷かれた境内に、テントと本のワゴン。ハッピ着た店員さん。
リュックサック背負って熱心に物色する男女たち。
人は多いが、みんな無言だから妙に静か。
じゃりじゃり、ざらざら、と足音だけが聞こえてます。


娘は目当ての本を探しに、あっという間に視界から消えました。
置いてけぼりの息子とわたし。


わたしは一番近いテントの下に入って
公民権運動の最中の黒人たちを撮った写真集をぺらぺらめくって
買おうかどうしようか迷っていたら
息子が「ねえ、くまがいもりかずって誰だっけ誰だっけ」と話しかけてきました。

手に持っていたのは福音館の「こどものとも012」シリーズの「はじまるよ」という絵本でした。
おお、熊谷守一の絵だ。

春、奈良での詩人のアーサー・ビナードさんの講演に行ったときに紹介された名前。
アーサーさんが敬愛している画家で、
「彼はアリの身になりきって描いている!」と絶賛していたのでした。
アーサーさんは日本に来たとき、始め池袋の通称「外人ハウス」に住まい、
豊島区の熊谷守一美術館に行ったのが彼の絵との出会いだった、と話していたような気がします。

熊谷さんは1977年、97歳でなくなりましたが、
晩年はずっと家から出ることもなく、昼間は庭で自然や生き物の観察をして過ごしたそうです。

アーサーさんが言うには
「熊谷さんは、地面に寝転がりながらアリの動きを観察して、
アリは動きだす時、最初の一歩は左の真ん中の足が最初に前に出る、と気付いたそう」で、
アーサーさんが知人の生物学者にそれを話したら

「誰もそれを観察して発表したことはないけど、ありえる話だ」と答えたそうです。

そんな熊谷さんの絵に、ぱく きょんみさんの文が添えられた絵本を買いました。




娘はミステリーを2冊入手して戻ってきました。
「ママ、あそこにはアイヌの特集、こっちにはサンカとマタギの本があるよ!ここには沖縄と天皇制。」
と、わたしの思考や好みや趣味を熟知している有能な秘書のように鋭くせまってきてありがたかったのですが
手が届かないほどの金額ではなかったのですが、今回は食指が動かなかった。

結局そのあと、また2冊ほど絵本を買って(ジルベルトとかぜ、だいちゃんとうみ)
天神さんを後にしました。



梅田まで歩いて行ったら、あまりの人出でわけわかんなくなって、
わけわかんないついでに心斎橋まで御堂筋線で出て、歩いたらさらにわけがわからない人出で
みんな、どこに行こうとしてるんだ・・・と心の中でつぶやいて(そういうおまえがいちばんそうだろ)、

「すごいね」「うんすごいね」と話しながら帰宅しました。



夕飯のまえに、五條のNさんがくれたえだまめを沢山茹でて食べました。
ぷりぷりしておいしかった。

わたしたち3人は、今夜は熊谷さんのアリンコに変身だよ。





















秋なんです。

2012-10-02 | Weblog
娘はみかんを食べました。

息子はくりを食べました。


もう秋ですね。
台風のあと、午前4時に見えた満月よ。






商店街の十字路で、若者とおじいちゃんの自転車が出会いがしらぶつかったらしく
おじいちゃんがイテテと自転車を起こしていました。
ひきつった顔で謝る若者と
「なんやなんや」とあちこちから出てくるおっちゃんたち。


車椅子のおっちゃんが、車椅子のおっちゃんを押して二人でお出かけしていました。
おっちゃんたちは前後でぺちゃくちゃおしゃべりしてました。
自転車ですれちがって、買い物をすませて同じ道を通ったら、まだあんまり移動していませんでした。


夕方
釜の近く自転車をこいでいたら、道の脇に知り合いのおっちゃんがいました。
アルコール依存症の兆候が見られる人です。
お酒を飲みすぎたらしく、車椅子に座ったままぐったりしていました。
あっ、と思って急にブレーキをかけたら真正面からきた自転車のおっちゃんに
「こら・・・人がくるんやから前見て走らんかい・・・・!!」と思い切ーり低ーい声で言われました。おおー怖ー。
でもきっと、怒り方、手加減してくれたんだと思います。


車椅子のおっちゃんを起こし
「また飲んだでしょ!」と声をかけると
「おう、ええんやええんや、お前どこいくんや」とへべれけでご機嫌・・・・。
彼を見守っていて治療につなげようとしているグループに報告することにして仕事先に向かいました。




毎日なにかが起こるよ!あーしんど!
こんな西成の秋も深まっています。


訪問先のおじいさんも、サトイモを炊いたり
うどんを茹でたりしています。