コミュニティ会員の遠藤哲夫さんから聖和学園高校での食育授業のお手伝いの依頼を頂きましたが
期日も迫っていたため、有志数人を募り急遽食育授業のお手伝いをしてきました。
その様子をご報告致します。
会員の遠藤哲夫さんは野菜果物の卸売会社「宮果」前社長で業界ではドンと呼ばれた素晴らしい方で、
現在は、野菜果物の啓蒙に熱心に取り組んでらっしゃいます。
今回は遠藤さんからお声をかけていただき、
急遽、【聖和学園高校1年生を対象とする食育授業】のお手伝いに行ってきました。
この日は前日とは打って変わって急激に温度が低下し、風が冷たく吹きすさんでいたのですが
駆けつけた私達を待ち受けていたのは
今まで見たこともない程立派な五泉の里芋「帛乙女(きぬおとめ)」←詳細はリンク先をご覧になって下さい。
新潟県五泉市は、阿賀野川や早出川の豊かな水流と、水はけのよい砂質土壌という条件に合う
「里芋」の栽培を50年も前から始め、今では新潟県内60%以上のシェアを占める
里芋のトップ産地となっております。
品種名「帛乙女」という名前は、五泉の古くからの名産である「絹」の白さと、この芋独特の
肌の白さと滑らかな舌触りから、一般公募により命名されたそうで
火通りが良く、煮崩れしにくいという点も大きな特徴で、暖かい芋の子汁の嬉しいこの時期には
本領発揮とばかりに重宝されております。
「大きなホールに並べられた帛乙女」
掘りあげたばかりの帛乙女は綺麗に洗われて、見事なばかりの粒の大きさです。
親芋の回りに子芋、孫芋とつながっていくのですが
通常なら小さくなっていく孫芋が、小さめのリンゴほどの大きさがあり
これにも驚きです。
食育授業の冒頭では清和学園高校の校長先生から、食についての素晴らしいお話を頂きました。
「食べることは生きるために必要なことだけど、単に食べるだけでなく、『考えて食べる』ことが大切。
誰かのために作り、みんなで食べるということが、心の絆を作り、食文化を学んだり、マナーを学ぶ
たいせつな場となる。
食は人と人とをつなぐ、大切なコミュニケーションなんです。 」
その後、遠藤哲夫さんが演壇に立ち(左から2番めが遠藤さん、一番右がさといも生産者の浅井さん)
遠藤さんの軽妙な語り口で学生たちとの楽しいお野菜のお話が始まりました。
「食とは、、、『人を良くする』と書くんだよね。先ほど校長先生がおっしゃってたけど
食べることは、人を良くするんだね。」
「君たちは芋と言われる中で、どの芋が一番好き?」
「そうかいそうかい、里芋が一番好きなんだね。君は偉いな~」
「さて、糖尿病の人が増えているというけど、ゆっくり食べる人と、早く食べる人ではどちらに
糖尿病の人が多いと思う?」
「さつまいもは,糖化が遅いので、実は糖尿病になりにくいんだよな」 etc
さといも生産者の浅井久美雄さんとの漫才のような掛け合いも始まりました。
「じゃ、里芋から生まれた浅井さんから、里芋のお話を聞くよ」
浅井さんからは、何故里芋栽培を始めたか?等のお話や
マルチをかけながら植え付けていく里芋畑の様子や
150㌢位の丈に伸びている里芋の様子,夏から秋にかけての掘り上げの様子など
実際の画像を見ながら、めったに見ることの出来ない生産現場のお話を
伺うことができました。
そして、生徒さん達にも壇上に上がって頂き
やっとみつけてきたという、「いもあらい器」で実際にバケツの中で里芋を洗うお手伝いをしていただきました。
バケツの中の様子は、プロジェクタ上にも映され、バケツの中で里芋がゴロゴロしている様子を
見ることが出来ます。
「君たち、プールの中でいっぱい生徒が泳いでいる状態をなんて言う?」
「そうだよな、芋の子を洗うように入っている、という表現するよね」
と生徒さん達との楽しいお話が続きます。
「里芋、洗うとチクチクかゆくなるけど、それは、里芋に含まれるシュウ酸カルシウムという成分のため。
里芋が、人間や虫に食べられないようにするための自衛策なんだけど、
今回は急遽来ていただいた野菜ソムリエの人に、現代風の皮剥きの方法を教えてもらうね」
ということで
大宮会長に電子レンジを使った里芋の皮の剥き方を実演していただきました。
「里芋を濡らしたキッチンペーパーで包み、更にラップで包んで、500ワットのレンジでチン。
里芋2個だと3分程で、皮がツルンと剥けます。
実際にお生徒さんに皮をツルンと綺麗に剥いていただきました。
寒いお外ではそろそろ、里芋汁も出来上がったようです。
食育授業が終わり、たくさんの生徒たちが集まってきました。
五泉から朝2時にでてきたというJA五泉の皆様が【1000人鍋】で作った里芋汁を
かき混ぜて、お振る舞いの時間の始まりです。
味付けは味噌、醤油、砂糖にお酒のみ。
使った食材の量は、里芋100㌔! ごぼう15㌔ ! ニンジン15㌔ ネギ20㌔ ダイコン30㌔!!!
そしてお酒は2升も使ったそうです。
凍るような寒さの中、里芋汁を頬張る生徒たち。
「おかわりしてね~」「えぇ!!いいんすっか!、まじ嬉しいっす」
「やべえよ、まじ旨すぎるぅ」
「里芋こんなにいっぱい食べたの初めてです~」
「一番食べた子は、6杯食べましたぁ」
と、、、美味しい声が飛び交い
楽しくって美味しい、聖和学園高校の食育授業も無事終了いたしました。
今回は直前のヘルプ要請でしたので、少人数でのお手伝いとなりましたが
生徒さんたちとの会話も弾み、五泉の帛乙女のはいった里芋汁も最高に美味しく
正直私達も大変楽しい時間を過ごすことが出来ました、
「来年も又食育授業の際には、もっと多くのコミュニティの会員で駆けつけますから、、」と
遠藤さんと堅い約束を交わして、聖和学園高等学校を後にしました。
写真&文章 by 石館 志保子