切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

文楽の初日に行ってきた。(第二部「近江源氏先陣館」「日高川」)

2014-09-09 12:29:08 | 恋する文楽
ごくごく簡単な印象だけなんですが、住大夫、源大夫引退後の東京初公演でしょ。パンフ見てたらちょっと寂しい感じがしたなあ~。ということで、とりあえず雑感のみ。

「盛綱陣屋」は、若手というか中堅というか、今後期待されているであろう三人、咲甫大夫、千歳大夫、文字久大夫。どこが悪いとか評論できる立場ではないんだけど、声量たっぷりの三人より、声量的には弱かったり、悪声とすらいえなくもない人間国宝たちの厳しい語りが無性に懐かしく思えたのはわたしだけでしょうか。それと、山城少掾のレコードやCDなんかを聞くと、落語を聞いているようなわかりやすさがあるし、録音年を調べるとやけに若かったりする。「大夫は六十の声を聞かなあ~」とはいうんだけど、そういうものでもないんじゃないかと。ということで、批判したいんじゃないですよ。こういう重厚な時代物は難しいなあと感じたんですよね。(改めて、とりあえず手元にある住大夫のと津大夫のビデオを見直そうっと。)

で、人形では女形の三役が素敵だと思いました。微妙(文雀)、早瀬(勘彌)、篝火(勘壽)。特に個人的には篝火の人形が良いなと。それと、歌舞伎の盛綱の方が大時代的というか、大仰というか、先代の勘三郎なんかが典型だけど、やりすぎ一歩手前なくらいが歌舞伎の良さで、文楽の場合はもうちょっとアプローチ違うなとはいつも思います。どうも表現がこなれていませんが…。あと、盛綱の頭について、玉女さんが『文楽へようこそ』で語っていた住大夫師とのエピソードがよいんですよね。

「日高川」は、予想外にと言っては失礼ですが、よかったなあ~。なにしろ「盛綱陣屋」の後だから、ちょっと気が抜けかかっていたのですが、清姫(蓑二郎)、船頭(玉佳)とも形が良くて雰囲気があったし、船頭の芳穂大夫が、こういう役もよいなと感心。清姫の三輪大夫も古風な姫の感じでよい。

というわけで、いろいろ言いながら、たぶん、できたら、もう一回行きます。お金とチケットの余裕があればですけど…。

文楽へようこそ (実用単行本)
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小学館
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