切られお富!

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夏の落語&芝居

2008-07-13 23:59:59 | 新釈落語噺
夏の落語といえば「船徳」というのが有名だし、去年は「佃祭」のことを取り上げたんだけど、他に夏の落語ってなかったかな~なんて思って、『落語百選 夏』という本の表紙をめくってみたものの、イマイチわたしの好みの噺って出てこなかったんですよね。

で、「佃祭」にしても、「船徳」にしても、夏といえば船でしょってことで思いだしたのが、「汲みたて」という噺。

タイトルといい、下げといい、品がないのですが、艶っぽくて船が出てくるところがわたし好みで、歌舞伎でも文楽でもそうだけど、船って風情があっていいんですよ~。

(因みに、わたしの気に入っているのは三遊亭円生の音源)

内容的には、美人の女師匠のところに出入りしていた男たちが、師匠の男に嫉妬して、船で夕涼みしている彼らの邪魔をするというもの。ちょっと「真景累ヶ淵」に似ているシチュエーションではあるんですよね~。

(参考)
・『怪談』 中田秀夫 監督

というわけで、なんで『落語百選 夏』に入らなかったのかはともかく、いいですよ!「汲みたて」。

            ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

夏の芝居といえば、「夏祭浪花鑑」が有名だし名作だとは思うけど、個人的な趣味でいえば、「伊勢音頭恋寝刃」がとっても好きなんですよね~。

というのも、若い美男子がオバサンの「やり手ババア」にいじられちゃうところが、シチュエーションとしてたまらなくよいんですよ。

近畿地方では伊勢参りで廓に寄って「おとな」になるという風習が近代以降も続いていたといいますが、伊勢参りには「若気の至り」みたいなイメージがあったのかもしれません。

まあ、わたしは、遊郭の女たちの団扇ヒラヒラが夏気分横溢で気に入っているんですけどね~。

昔の映画でも(『東京物語』とか『あにいもうと』とか)、夏といえば団扇ヒラヒラがよく出てきたけど、クーラー時代だとこういう風俗はなくなっちゃいますよね~、しょうがないんだろうけど!

取り止めがないんでこんなところで…。

・暑い夏と暑い映画と・・・。(過去の記事)


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