切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

『おでんくん』② リリー・フランキー 著

2006-02-13 02:05:05 | 超読書日記
『東京タワー』100万部突破で、いまや大ベストセラー作家のリリー・フランキー。でも、先日放送のNHK「トップランナー」を観るまでは、彼がシュールなアニメ『おでんくん』(NHK教育)の原作者だとは全然知らなかったんですよね~。『東京タワー』も『ボロボロになった人へ』も積読状態のわたしだけど、この絵本ぐらいは読んでみるかってことで、感想です。

『おでんくん』の存在を知ったのは、わたしの周囲のある働く女性からなんだけど、主人公が数あるおでんダネの中で、「餅きんちゃく」だっていうのが笑えるし、ちゃんと食べられると生き返るんだけど、捨てられたりすると死んでしまうっていうのもなんだかシュール。このアニメのおかげで子供がいろんなおでんダネを覚えたり、ちゃんと残さないで食べるようになるなど、一応教育効果もあるんだそうです。

この本は『東京タワー』執筆と同時期に心血を注いだという子供向けの絵本で、現在2冊目まで出てるんだけど、残念ながら1冊目は品切れらしく、今回は2冊目の方を買ってみました。

この2冊目は、副題が「愛ってなんですかの巻」というわけで、なんだかバレンタインデー前にタイムリーな話題(?)、「恋愛の不条理」をおでんくんが学ぶというストーリーなんだけど、こういう絵本をお母さんが幼い男の子に読んで聞かせたら、女の子を監禁するような大人にならないですむかな~って気もしたなァ…。

で、やっぱり最後は母親への愛が語られたりして、『東京タワー』と繋がってる作品ってことなんでしょうね、これは。

色彩感覚とかデザイン性という点からも、大人の鑑賞に十分堪えるものなので、興味のある方はどうぞ!オススメです。とりあえず、1冊目も早く増刷してほしいなあ~。

なお、アニメのおでんくんの声は本上まなみさんです!(リリーフランキーは「実写でもいける」って言ってたなあ~。)

おでんくんアニメ公式HP

PS:アマゾンの書評で「落語家柳家小ゑん師匠の、おでんを題材にした名作「ぐつぐつとそっくりのところがある」という指摘がされているんですが、わたしはその落語、聞いたことがないので判断保留です。真相をご存知の方、どうかお教えください!

おでんくん―The adventure of Oden‐kun (2)

小学館

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東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

扶桑社

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4 コメント

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ぐつぐつ (落語好き)
2006-02-16 14:52:02
「ぐつぐつ」の落語を聴いたことが無いとのことですが、落語協会のホームページで動画で聴くことができます。下記のURLで「柳家小ゑん」を検索してください。

http://www.rakugo-kyokai.or.jp/Profiles.aspx

いかに筋書きや設定がそっくりそのままなのかがよく分かると思います。

星空の下、屋台のおでん屋に犬。そしておでんの会話に黒く煮詰まった玉子。こんな筋書きは常人では考えられませんし、偶然の一致にしてはあまりにも酷似し過ぎています。リリー・フランキーは偶然の一致と言い張っていますが、偶然の一致だという証拠はどこにも無いし、これだけ酷似していること自体が盗○らしきことを暗示しています。その判断は実際に「ぐつぐつ」を聴いた人の判断に任せます。「ぐっぐつ」は新作落語界では誰もが知っている、極めて有名な落語なので、これを聴いたことが無いと言い張るのはちょっと無理があるような気がします。
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ご情報ありがとうございます。 (切られお富 )
2006-02-18 14:53:41
落語好きさん。教えてくださってありがとうございます。



観ましたよ、「ぐつぐつ」の動画。



ただし、今現在わたしは、「おでんくん」の一冊目と文春の記事「リリー・フランキー氏絵本に柳家小ゑん師困惑」(06/02/02号)を読めていないので、最終的な判断は保留しておきますが、あくまで個人的な直感で言うと、リリー氏は「ぐつぐつ」を知っていたとは思います。



もっとも、直接知っていたのか、知り合いから「こういう落語があるよ」くらいの感じで聞かされていたのかわかりませんが…。



「著作権侵害」問題として論じるなら、「アイデア」の類似か、「表現」の類似かが焦点になるんでしょうが、このあたり一冊目を自分の目で確かめないとなんともいえません。



また、著作権問題は民事もしくは、刑事では親告罪なので、小ゑん師匠の見解も気になるところです。



わたしがなんとなく直感した理由は、『ボロボロになった人へ』という本が、読書家の書いたものというより、落語など話芸に関心のあるひとの文章という印象を持ったからですが、これはあくまでわたしの印象なので断言はできません。



わたしは「おでんくん」自体には、絵柄や子供の成長モノというストーリー構成から、リーリー氏の個性を濃厚に感じるのですが、もし影響関係が事実なら、「Thanks to 小ゑん師匠」ぐらい、本のどこかに書いたってばちはあたるまいとは思います。



自分で検証したらまた改めて書きますので、よろしく。

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小ゑん師匠、負けるな! (落語好き)
2006-02-18 22:53:59
週刊文春の記事の内容も、私が書いたものと同じようなものです。



それよりも、暇でしたら2チャンネルで「★☆おでんくん☆★byリリーフランキー」の掲示板を見てください。URLは下記の通りです。



http://tv8.2ch.net/test/read.cgi/nhk/1123398262/



真偽の程は分かりませんが、リリー・フランキーという人は、あちこちからパクリまくっているようですね。



小ゑん師匠も「一言、事前に言ってくれれば、それで済んだことなのに」と言っていました。今、小ゑん師匠は弁護士を立ててリリー・フランキーと小学館を相手に争っていますが、裁判へ持ち込むにしても、相手が自分から盗んだことを認めない限り、勝訴は難しいとのことです。なにしろ、個人と天下の小学館、さらにその後ろにはNHKがいますから、はっきりとした証拠が無い限り、勝ち目は望み薄だそうです。

なので「風説の流布」というか、世論をかきたてない限り、小ゑん師匠の名誉は守れません。パクリかどうかは私の知る限りではありませんが、この「おでんくん」と「ぐつぐつ」が酷似していることを多くの人に知ってもらい、それを知った各人がそれぞれに判断した結果が真実だと思います。
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ナルホド。 (切られお富 )
2006-02-20 02:51:49
落語好きさん、度々のコメントありがとうございます。



今後もこの件はWATCHしていこうと思っています。



確かに、「偶然の一致」ということでしらを切り通して裁判に勝ったケースも判例にあるし、「翻案」というのも「盗作」にならないから微妙な線ではありますが、オリジナルをリスペクトするっていう姿勢は重要ですからね。



今後も注目してますよ。
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