切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

本日、新橋演舞場におりました!

2012-04-22 23:59:59 | 私の写メ日記(観劇版)
「仮名手本忠臣蔵」通し上演の<夜の部>観てました!なかなか捨てたもんじゃなかったですよ!亀治郎の六段目の勘平は上方の型で面白かったし、どうかと思われた七段目は福助&松緑のお軽・平右衛門が予想以上の出来!特に福助のお軽が可愛らしくて素晴らしい!そして、この段は染五郎の由良之助も健闘してました!というわけで、簡単な感想だけっ。

五段目&六段目は、亀治郎=勘平の上方式と東京方式の折衷型。

落語の「中村仲蔵」でお馴染み、斧定九郎。この役の獅童は姿形よし。久々に悪そうな、写楽の浮世絵に出てきそうな定九郎でした。ただ、ちょっと動きが硬かったかな~。粋な遊び人の部分はこれからか?ちなみに定九郎が口から出す血って、膝に落とさないといけないんですよね、衣装が汚れちゃうから。気づきました?

そして、六段目は上方方式と東京で主流の菊五郎型でだいぶ違うんですが、見慣れた菊五郎型だと美術が平舞台(舞台の床に敷物)なのに対して、上方式だと二重屋体(一段上がって部屋の内部になる。)。そして、勘平の腹切りが後ろ向きの腹切りで、「色にふけったばっかりに~」という台詞がないんですよね~。

さて、亀治郎は細身だけどなかなか色気のある勘平でした。「小栗判官」のときの浪七がよかったので期待していましたが、予想以上の出来!それに今回の型だと、勘平の腹切りの「早まった」感がいや増すんですよね。「ロミオとジュリエット」のロミオの早とちり早まった感によく似た感じ!上手に部屋があって、そこを演出に生かしているからそうなるんだけど、これは舞台を観てないとよくわからないですよね。

そして、亀治郎と並ぶ出色の芝居は母おかやの竹三郎!上方方式なので手慣れた竹三郎だったんだろうけど、去年の国立劇場「曽根崎心中」の久兵衛役に続く大熱演でした。あと、数右衛門の亀三郎もしっかりしてたなあ~。

そして、忠臣蔵の花、七段目!

とにかく、福助のお軽が可愛くてよかったです。歌右衛門を思わせる古風な所作と台詞が、かえって福助のお軽を可愛く若返らせた!なにしろ、今回の若手一座では年かさの方だし、松緑演じる平右衛門の妹という設定が大丈夫なのかって心配したけど、全くの杞憂でした。

松緑の平右衛門を観るのはちょうど10年くらい前の演舞場以来。、その時のお軽=菊之助と平右衛門=松緑は少年少女のような二人だったけど、今回の福助&松緑はもうちょっと年かさながら、ピュアで気持ちのいい舞台でした!

染五郎の由良之助は昼の部よりも全然よい。貫禄は不足しているけど、台詞の朗々とした感じはなかなかどうして立派でした。特に、最初の酔っぱらった登場の台詞なんて、吉右衛門そっくり!たぶん、七段目は大叔父の由良之助を理想としているんでしょう!その心掛け立派!立派!十五年後くらいが楽しみですね。

というわけで、存外楽しめました。GWあたりに詳しく感想書こうかな~。

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