スコセッシは嫌いじゃないんだけど、見逃していたんですよね~。といって、なんで今更この映画を見る気になったかといえば、この映画にはグノーの「ファウスト」というオペラが出てくるから!つまり、オペラ・ネタ映画鑑賞第2弾というわけなんです!
19世紀アメリカ社交界を舞台に、一人の青年(ダニエル・デイ・ルイス)とその婚約者(ウィノナ・ライダー)、そして"わけあり"の伯爵夫人(ミッシェル・ファイファー)の三角関係を描いたこの作品。
当時の社会風俗を再現しようとしただけあって、なかなかゴージャスな画面が続くんですが、冒頭に「ファウスト」というオペラの上演シーンが出てくるんですよね。
というのも、このオペラ、当時としては空前の大ヒット作で、ヨーロッパのみならずアメリカでも上演されていたということなんだとか。
で、オペラハウスの様子を通して人間関係を描くというのが、スコセッシの狙いだったようなんですが、変にトリッキーな撮り方が出てきたり、ヴィスコンティの『夏の嵐』そのまんまみたいなカット割が出てきたりと、どうもわたしはイマイチ乗り切れなかったんですよね。
ヴィスコンティの『夏の嵐』という映画では、ベネチアのフェニーチェ歌劇場で演じられるヴェルディの「トロヴァトーレ」の舞台と、そこで始まる不倫の愛というのが、実に効果的で美しいのですが、『エイジ・オブ・イノセンス』はスコセッシが『夏の嵐』の向こうを張って撮った映画ってことなんでしょう。(まあ、スコセッシ自身、イタリア移民の子でもありますしね。)
この映画、最大の難点は主役のダニエル・デイ・ルイス以外はミスキャストだらけだったということ。少なくとも、ウィノナ・ライダーとミシェル・ファイファーではなかったな、この話では!というのが偽らざる感想でしたね。
ただ気になったのは、「ファウスト」の舞台の映像が、なかなか魅力的ではあったということ。
わたしが見たことのある「ファウスト」の舞台映像は、舞台をパリ万博の頃に移し変えたもので、ミレッラ・フレーニは魅力的だったものの、ゲーテの時代のドイツみたいなイメージとはちょっと違った内容にはなっていました。
その点、この映画の中の「ファウスト」は、歌手の厚塗りのメイクといい、衣装といい、ゲーテっぽい雰囲気があるような気がして、オペラだけ続きが見たいって気にはなりましたね。
というわけで、スコセッシ演出のオペラ「ファウスト」が見たいというのは見果てぬ夢か…。
最後は、映画の感想じゃない、オペラ幻想になってしまいました…。
(参考)
スコセッシの語る今村昌平
19世紀アメリカ社交界を舞台に、一人の青年(ダニエル・デイ・ルイス)とその婚約者(ウィノナ・ライダー)、そして"わけあり"の伯爵夫人(ミッシェル・ファイファー)の三角関係を描いたこの作品。
当時の社会風俗を再現しようとしただけあって、なかなかゴージャスな画面が続くんですが、冒頭に「ファウスト」というオペラの上演シーンが出てくるんですよね。
というのも、このオペラ、当時としては空前の大ヒット作で、ヨーロッパのみならずアメリカでも上演されていたということなんだとか。
で、オペラハウスの様子を通して人間関係を描くというのが、スコセッシの狙いだったようなんですが、変にトリッキーな撮り方が出てきたり、ヴィスコンティの『夏の嵐』そのまんまみたいなカット割が出てきたりと、どうもわたしはイマイチ乗り切れなかったんですよね。
ヴィスコンティの『夏の嵐』という映画では、ベネチアのフェニーチェ歌劇場で演じられるヴェルディの「トロヴァトーレ」の舞台と、そこで始まる不倫の愛というのが、実に効果的で美しいのですが、『エイジ・オブ・イノセンス』はスコセッシが『夏の嵐』の向こうを張って撮った映画ってことなんでしょう。(まあ、スコセッシ自身、イタリア移民の子でもありますしね。)
この映画、最大の難点は主役のダニエル・デイ・ルイス以外はミスキャストだらけだったということ。少なくとも、ウィノナ・ライダーとミシェル・ファイファーではなかったな、この話では!というのが偽らざる感想でしたね。
ただ気になったのは、「ファウスト」の舞台の映像が、なかなか魅力的ではあったということ。
わたしが見たことのある「ファウスト」の舞台映像は、舞台をパリ万博の頃に移し変えたもので、ミレッラ・フレーニは魅力的だったものの、ゲーテの時代のドイツみたいなイメージとはちょっと違った内容にはなっていました。
その点、この映画の中の「ファウスト」は、歌手の厚塗りのメイクといい、衣装といい、ゲーテっぽい雰囲気があるような気がして、オペラだけ続きが見たいって気にはなりましたね。
というわけで、スコセッシ演出のオペラ「ファウスト」が見たいというのは見果てぬ夢か…。
最後は、映画の感想じゃない、オペラ幻想になってしまいました…。
(参考)
スコセッシの語る今村昌平
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ところで、オペラに関係した映画といえば、最近ではウディアレンの「マッチポイント」がお気に入りです。殺人のシーンで「オテロ」の音楽が使われたりして、さすが音楽マニアのアレン監督、やるなあと思いました。