切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

本日、文楽公演 第二部観てました。

2015-09-19 23:59:59 | 恋する文楽
妹背山婦女庭訓の井戸替から入鹿誅伐まで。満員御礼でしたね。第一に、勘十郎のお三輪がよかったです。杉酒屋の出のほおずきをにぎにぎしているところからして、今日のお三輪はよいなあ~と予感しました。というわけで、簡単な感想のみ。

久々に床がわりと近い席だったんで、道行恋苧環のときの清治さんが怖かったんですが(笑)、井戸替の松香大夫のベテランらしい世話ばらしい語り、対照的に、杉酒屋の老若揃った登場人物のうち、若い三角関係の語りの時の咲甫大夫、道行の呂勢大夫の後半、姫戻りの睦大夫が印象に残り、文字久大夫の鱶七は割と真面目だなあというのと、金殿の千歳大夫は東京新聞の記事と違いお三輪の絶唱より鱶七=金輪五郎がよかったかなと。

お三輪、橘姫、求馬の三人の人形ともよかったんですが、橘姫の和生、求馬の玉男とも佇まいに品がありましたね。わたしは鱶七という役が好きで、歌舞伎だと團十郎の陽気で太平楽な、鎌足のことを「鎌どん」と呼ぶのが様になる鱶七が大好きだったんですが、文楽の方は頭のせいもあるけど、もうちょっとカッコいいんですよね。その段でいうと、玉也の人形と文字久大夫の語りの鱶七はわりと真面目だなあ~と感じたんですが、これは團十郎に引きずられ過ぎていますかね?

そして、歌舞伎ではまずやらない誅伐は、首の飛ぶくだりの演出がもうちょっと面白いといいのにとは思いました。伝統芸としては異論が出るでしょうが、こういうところこそ、プロジェクションマッピングみたいなことがやれたら面白いんだけど、お金かかるんでしょうからね。あるいは、アナログでも何か変化があるといいですね。

で、ちょっと思ったのは、原作者近松半二って、妹背山のお三輪といい、十種香の八重垣姫といい、野崎村のお光といい、少女マンガっぽいヒロインを造形する人だなってこと。妹背山も庶民の娘お三輪が御殿に上がってしまうという、『王家の紋章』みたいなところがあるでしょ(ちょっと飛躍しすぎかな?)。

ということで、いろいろ考えながら観てしまいました。
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