切られお富!

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ラモーンズのドキュメンタリー映画『END OF THE CENTURY』を観て。

2016-02-09 21:12:07 | カメレオンのための音楽
今年はラモーンズのデビューアルバム『ラモーンズの激情』が発売されて、ちょうど40周年。さまざまな記念イベントが予定されているって話だけど、今まで見逃していたこの有名なドキュメンタリー映画を、この機会にと思い、観ました!よいです!でも、評価はされているのに商業的に恵まれない存在って、自分が年を取ると、身につまされて感じてしまうものですね~。純粋にドキュメンタリー映画としてもよい作品。若い人はもちろん、中高年にもよいんじゃないかな。おすすめ!

オリジナルメンバーが全員死去っていうのもある意味凄いんですが、イギリスのパンクミュージシャンたちのあこがれの存在だったバンド、ラモーンズ。その歴史と実態がよくわかるよい作品です。

しかし、メンバーがこんなに仲が良くないってよく知らなかったなあ~。

一番早く亡くなった、2メートル近い大男にして、めちゃくちゃナイーブな佇まいのジョーイ・ラモーン!わたしはこの人がメンバーのなかでは一番好きなんですが、今でいう「引き籠り」っぽいボーカルのシャウトってところが、このバンドが今なお世界中の若者に支持される肝の部分かなという気がします。

また、メンバーが見事にインタビューで否定しているんですが(笑)、わたしはパンクのドラムのビート感を作ったのはこのバンドだと思うんですよね。でも、全然他のメンバーが認めてないってあたりが妙に笑えたな~。でも、特典映像では、二代目ドラマーがそのドラミングの特殊性について解説しているんですけどね・・・。

で、ジョーイ・ラモーンも語っているんだけど、パイオニアの栄光と苦悩を一身に背負ってしまったバンドだと思うんですよね。

アメリカ本国ではマイナーな存在なのに、イギリス上陸の際のライブでは、のちのパンクの英雄たちが、彼らのライブに熱狂している。そのことを証言しているクラッシュのジョー・ストラマーも、もはやこの世の人ではありませんが、イギリスがパンクで盛り上がる一方、パイオニアであるラモーンズがみじめな状態のままである苦悩って、能力あるのに報われない会社員なんかとちょっと似てるなあ~なんて思ってしまいました(ま、本人たちはこんなこと聞いたら、「一緒にするな」って言いそうだけど。)。

あと、好きな女性を他のメンバーに奪われた(というより振られたというのが本当だと思うが・・・)ジョーイ・ラモーンが当てつけみたいにして歌った歌詞がKKK took my baby awayだというエピソードは今となっては妙に可愛く感じるから不思議ですね。

で、メンバーは長いバンド活動のなかで必ずしもハッピーじゃなかったかもしれないけど、たぶん商業的にはラモーンズより成功したブロンディーなんて、今ではそんなに聞く人もいないだろうし、リスペクトもされていない一方、ラモーンズは世界中のバンド少年少女に尊敬されている!日本だって、少年ナイフが『大阪ラモーンズ』っていう秀逸なカバー曲アルバム作っていますしね。

なので、この映画を観て考えてしまいました。ラモーンズ的に生きるか、ブロンディー的に生きるかって。でも、これでよかったって言ってそうだから、ジョーイはカッコいいなあ~。ビックなバンドの成功譚なんかより、ずっと肌感覚に近い映画ではありました。しかし、バンドを続けるって難しいんですね~。バンド組んだことないけど・・・。


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