PPPPPP 8巻(完)
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漫画、マポロ3号
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今日発売の新刊。そして最終巻。
1巻から読み直さなきゃなと思いつつ、
読んだ勢いで感想書かないとだなと。
最終巻の表紙は天才ラッキー。
凡才で始まった主人公ラッキーくんが
天才になって終わる。
これだけなら良い話な感じがしますが、
天才に打ち勝とうと頑張ってた感じなのに
着地がそこというのは
ちょっとした闇落ちに近いような
それさえも凌駕したということなのか
ちょっと狂気を感じるラストでした。
手塚治虫先生の
重ための短編を読んだ後のような
うわぁぁぁってなる感じ。
必要最低限の情報だけに絞られた最終巻。
主人公のハズのラッキーくんは
数ページしか出てきません。
お母さんが亡くなって
“兄弟みんなでピアノを弾いて聴かせたい”
というラッキーくんを突き動かしていたものが
叶わなくなり、
ラッキーくんの価値観が一気に揺らいだ感じ。
今まで凡才ラッキーが閉じ込めていた
天才ラッキーが解き放たれる最終巻の
サブタイが“開幕”。
ここからラッキーくんは
どうするのかどうなるのか
どんな演奏になるのか
性格はどうなっていくのか。
ラストは楽音パパに“おかえり”といわれて
天才ラッキーが“ただいま”と殴ります。
(昔、殴られた仕返し)
凡才ラッキーは
親にそんなことしちゃ駄目だと言うけれど、
子供を殴る方がよっぽど駄目だろうと
聞く耳を持たずに笑いながら殴るという
ビックリなラストでした。
巨匠がラッキーくんについて言ってた、
天才とは本能で、
本能だけでは生きていけないから
“善い”ことを学ぶが
“善い”ことを全肯定するのは怖いこと
自分個人にとってそれが善なのかどうかは
それが善だと知った後の
自分の本能で判断するべき。
彼はステキな人間になる。
(途中多少略してます)
というのが、
このお話の芯の部分だったのかな。
凡才ラッキーだった時間を
“奇跡の日々はもう終わり”
という表現もゾワゾワしました。
天才ラッキーは凡才ラッキーのことを
“罪悪感” “良心の呵責” と呼ぶそうで
ほんともうゾワゾワです。
なんか哲学書を読んでるような気持ちに
なりました。
数年後とか、他の方の視点での続きとか
描いてく欲しいなぁ。
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