僕の妻は感情がない 1〜4巻
漫画、杉浦次郎
家事ロボットが家電として売られてる世界。
家事ロボットのミーナを奥さんとしたタクマの
2人のお話。
すっごい絶妙な匙加減がスゴイ。
面白くて考えさせられる。
ロボットだから感情がない筈なのに、
学習機能とタクマが第一所有者として
登録されてることから、
ミーナちゃんの返す言葉は
とても素直な感情で
タクマを思い遣ってるように聞こえる。
文字としては、
感情がないロボットと言葉として見えるのに
脳に到達する時にはミーナちゃんの感情として
聞こえてくるのがスゴイ!
ちょっとした言葉選びと言葉のあやで
ちゃんとロボットしてるのにスゴイ!
読み始めた時はその違和感に
脳が追いつかない感じになったけど、
読めば読むほどミーナちゃんが可愛くて
タクマの気持ちがわかる!ってなります。
というわけで、本編。
一人暮らし3年のタクマは、
中古で料理と食器洗いのみの家事ロボット
ミーナと暮らし始める。
ロボットとはいえ自分の為に
料理をしてくれるのが嬉しいタクマ。
学習機能でタクマさまが好きな料理
オムライスを作ってくれる。
冗談で、
「お嫁さんになってくれない?」というと
『…かしこまりました』と返事が。
ちょっと賢い炊飯器に話しかけてるようだと
「あほらしい」と言うタクマ。
オムライスにはケチャップで
《LOVEタクマ》の文字がハートで囲んである
のを見てドキッとするタクマ。
説明書を見ても そんな機能はなく、
隠し機能なのか、前の持ち主の改造なのか
理由は分からないけれど心動かされるタクマ。
ここから本気でミーナを奥さんとして
対峙していくことになります。
ミーナは、ミーナシリーズの旧型なので
新しいのなら見た目も触った感じも
人間と変わらなくて、
ミーナは奥さんなら そっちがいいのでは?と
性能の問題として聞いてきますが、
タクマはミーナちゃんがいいんだよと
丁寧に教えます。
タクマさまにとって自分が1番ということを
学習したから言ってるだけなのに、
誇らしげに嬉しそうに宣言しているように
聞こえるんですよね。可愛いミーナ。
なのでミーナは、ミーナが思うとおりに
パーツ交換ができる機会が来ても、
『タクマさまが1番と言ったから』と
見た目のパーツは全部そのままにします。
もちろん感触も。
それにホッとして愛しく思うタクマ。
ほんとミーナちゃん可愛い。
そしてミーナがパーツ交換で留守の間
ミーナちゃんの代わりに
見守りしてたロボットが、
ミーナちゃんと交信して
タクマと触れ合ってトラブルがおきて
人格プログラムがゼロになり
言葉は簡単なものはわかるものの
自分が何が出来るのかも
よくわかってない状態になる。
しかし教えれば覚えて
出来るようになっていくので
まるで2人の子どもみたいだと
タクマはこのまま育てていくことを希望。
家が狭く感じてきてタクマは引っ越すことに。
引っ越し先のご近所さんの娘の絵里栖は、
どうやらロボットに懐疑的なようで、
タクマの留守を狙って
ミーナに危害を加えようとして…
というところで以下次巻。
絵里栖がミーナに、
旧型で料理しかできないミーナを
奥さんにしてるなんてと
罵詈雑言を浴びせるんですが、
それに切り返していくミーナちゃんが素敵。
淡々と返してるのが怒ってるように聞こえて
感情を押し殺して悲しいのを隠してるように
聞こえてしまって
そこにミーナちゃんの感情を
感じてしまいます。
タクマよ、早く帰ってきてあげて!