エステレマドゥーラ州はスペインの南西にあり、ポルトガルと接している州。
マドリードからセビージャまでは電車で移動し、その後はすべてバスを利用することとした。
ヨーロッパは長距離バス路線網が発達しているため、バスを利用すればほとんどどこへでも行ける。
エステレマドーラ州の州都メリダにはスペイン最大のローマ遺跡群があるほどローマ帝国の最も重要な街だったが、次第に忘れ去られた街となり、現在ではスペイン旅行のゴールデンルートから外れてしまっているので、興味のある人しか行かない場所となってしまった。
そのような場所に敢えて行ってみようと思い今回の旅を計画してみた。
最初の街はサフラ。
”小セビーリャ”と呼ばれているが、どうしてかは分からない。
着いたバスターミナルは人もいなく、タクシーもなかったので、しかたないので荷物を引っぱりながらホテルまで歩いた。
サフラは小さい街なのでカテドラルや大小の広場など半日もあれば回れた。
ここで有名なのは大広場(Plaza Grande)、アーケードがあり、テラス席がたくさんあるお店がならんでいる。
その隣の小広場(Plaza Chica)、広場の中央に十字架のオブジェがあり、大小の広場がセットになっているようだ。
街を歩いていると屋根の上にコウノトリの巣がたくさんあって、時々飛んでいるのを見ることができた。
[屋根の上のコウノトリの巣]
残念なことは、この日は日曜日のためほとんどの店が休みだった。
それでも中国系のレストランは開いてたので昼食はそこで食べた。
予定を立てるときには曜日も考慮しないと行けないということを学習した。
[中華レストランで出たオレンジのデザート]
どこの街に行ってもオレンジは安くて美味しかった。
ここのホテルで朝食にオレンジ色をした柔らかい「ういろう」のようなものがあった。
初めて見るものだったので、説明してもらっても「メンブリージョ」というだけで、それは名前なので、何でできているのか、材料は何なのかと聞いても「メンブリージョ」と笑って答えてくれなかった。
後で調べてみたら、スペインではチーズのお伴に欠かせないもので、西洋カリンを砂糖とレモン汁だけで煮詰めた固形ジャムのことらしい。
スペインではあまりにもポピュラーなので、聞く方がおかしいと思われたのかもしれない。
次に向かったのは州都メリダ、ここでは2泊した。
前日のサフラが”小セビーリャ”ならこちらは”小ローマ”と呼ばれている。
ローマ遺跡で持っている街だから、納得する。
どこの街でも着いたら最初は街を周遊するトラムに乗って街の様子を見てから自分たちで歩くことにしていた。
おかげで万歩計は毎日1万歩を過ぎていた。
ランチといっても午後2時くらいになるが、いつもバルでメニュー・デル・ディア。
セットメニューのような物で、結構な量があったが、のんびりと時間をかけて食べた。
ここで覚えたのが「ティント・デ・ベラーノ」、赤ワインをソーダで割り、レモンを入れた飲み物で、これ以降ランチ時には毎回飲んだ。
メリダでは2日かけてじっくりとローマ時代の遺跡を見学した。
ミラグロス水道橋、ローマ橋、円形劇場、博物館、古代の住居跡、エウラリア教会、ディアナ神殿などを見学した。
博物館は「古代ローマ博物館」と言って、彫刻や肖像画、碑文など、ローマ時代の数多くの作品が展示されていた。
[モザイクの床]
[モザイクの壁]
特に印象に残ったのがモザイク画で、床や壁画などすべてのモザイク画が素晴らしい物だった。
ローマ遺跡の最大の見どころはローマ劇場(Teatro Romano)とローマ円形劇場(Anfiteatro Romano)でスペインでも最大の物らしい。
[ローマ劇場]
[円形劇場]
[ローマ橋]
[ディアナ神殿]
[アーチの門]
翌日は北を目指してカセレスへ。