奥会津は温泉の宝庫で、金山町だけでも7つの温泉がある。
そのうちの一つ、玉梨温泉は小さいながら湯量が豊富らしい。
国道400号線沿いに流れている野尻川をはさんで玉梨温泉と対岸には「恵比寿屋」という宿と八町温泉共同浴場「亀の湯」がある。
源泉は玉梨温泉共同浴場とと恵比寿屋が玉梨温泉で、「亀の湯」は独自の源泉らしいが、最近湯量が少なくなり、玉梨温泉から分けているらしい。
近くには新装してきれいになった温泉施設の「せせらぎ荘」があるので、脇面に掛かっている「玉梨温泉共同浴場」の看板がなければ物置か倉庫だと思って見過ごしてしまいそうな小さな湯小屋になっている。
共同浴場は無人で、入ってみると正面に注意書きやらたくさん書いた物が貼ってあり、壁にお金を入れる箱が掛かっていた。
右が女性用、左が男性用のお風呂になっていて、それぞれ簡単な脱衣所と湯船だけの浴室があるのみだった。
湯船はコンクリート打ちっぱなしで、洗い場ともども温泉の成分で茶色くなっていた。
壁には造花が飾ってあり、地元の人が手入れをしてこの素朴な温泉を維持しているのが分かるような気がした。
鍵を掛けることもできず、いつ誰が入ってくるか分からないので、のんびりと浸かっていられなかった。
でも、表面にはうっすらと油膜があり、少し濁ったこの温泉は珍しい炭酸泉となっていて、とても良い温泉だと思う。
そして、湯上がりはなかなか汗が引かなかった。
近くには「幻のあおばと豆腐」を売っている「玉梨とうふ茶屋」がある。
“あおばと”とは枝豆のことで、こだわりの豆腐はもちろんのこと、豆腐ドーナツもおいしくて、行った時にはいつも買って帰ってくる。