安倍首相の街頭演説で
抗議のプラカードを掲げる人たち(2017年10月7日)。
安倍首相は、千葉県内の2ヶ所で街頭に立ったが、
事前に場所を公開しないサプライズ遊説。
7月の東京都議選でやじを飛ばされた経験から、
演説の妨害を避けるため?
安倍政権、
不支持の方が多くても楽勝?
安倍の「森友・加計隠し解散」で急に決まった総選挙。安倍昭恵と森友学園、安倍晋三と加計学園の癒着・便宜供与、それに稲田防衛大臣のウソ発言、金田法相の超がつく無能ぶりなどなど、腐敗と堕落と傲慢ぶりは目を覆うばかり。そして集団的自衛権・秘密法案・共謀罪--安倍が国会のルールを破って強引に成立させた法律を並べただけで、なんとも胸が悪くなる。
<安倍を支持する20代若者>
「加計学園疑惑」以来、安倍への不支持は一貫して支持を上回っているが、こんな安倍を若者世代が圧倒的に支持している。30代~60代の支持は一貫して3~4割前後なのに、20代だけは6割もあるのだ。彼らの高い支持の理由は何なのか? それがまあ何ともはや--
①:政権が長いから--ハア? 長期政権だと安定感があるのだそうだ。
②:就職率が改善されているから--若い彼らにとっては、「就職」以外の政治的イシューなどピンと来ないらしい。ウヨクだろうとリベラルだろうと、就職できて生活が安定してれば、憲法ウンヌンも沖縄ウンヌンも「ぶっちゃけ、どうでも良いつーか・・」ってことか。
③:野党が信用できないから--これには笑ってしまった。何年にもわたるマスゴミの「民主(進)党」叩きの成果とでもいうべきか? アメリカの手先である「ジャパン・ハンド」と官僚のサボタージュ(非協力と怠業)と、これもアメリカの尻舐めマスゴミ(「日米同盟が基本」などと朝日の社説でさえ書いていた)によるバッシングと、消費税を巡る対立・分裂で、あっという間に民主党政権は倒れた。そのネガティヴイメージべったりのまま野党になった民主党は、安倍の凶暴政治に翻弄されじり貧となり、小池新党にすり寄ってついにこのたび分裂。
とはいえ彼ら若者も積極的に安倍を支持しているわけではないようで、
●首相を信頼・・11.5%
●指導力がある・・12.6%
●経済政策を評価・・10.5%
●他に適当な人がいない・・41.8%
「他にいないから」ということは、安倍の代わりに誰か目新しいのが出てくれば、あっという間に安倍はお払い箱ということ・・そう、東京都議選がそれを如実に示している。小池百合子のようなトリック・スター(小泉純一郎のような!)が出てくれば、安倍は用済みということだ。とはいえ大阪の橋下は、もうトリック・スターとしての賞味期限が切れてしまったようだが・・
今の日本の(世界の)空気が、グローバリズムの結果ひどく右傾化してしまい、トランプやルペンや安倍一派の右翼がやたら威勢が良いから、ワイドショーとネットしか見ないリテラシーの低い人々(若者を含む)が、安倍を支持するのも仕方がないことと言える。
労働人口が減り続けて「人手不足」となったため、仮の「需要増大」局面となって一見好景気のように見えるが、日本の経済成長率はわずか0.7%だ。GDPは確実に縮小している。もはや日本に成長の見込みなど無い。就職できても定年までその会社にいられるか、会社があるかどうかも分からない。
それでも、学生時代から年金の計算している(せざるをえない?)ようなクソリアリズムの自分たちを、彼ら若者は不幸とは感じていないのだ。
生まれた時から大不況の若者世代は、大文字(人間の知性による理想社会の実現)のことなど考える余裕もないから、ささやかな幸せを見つけ友人や恋人や家族と満足をシェアするしかない。B級グルメの写真でもアップして喜びを感じる世代だ・・バブル世代は見栄を張らなくてはならなかったから、逆に満足度は低かった。こういう若者世代にとっては「変化はリスク」なのだ。今のささやかな幸せが続いてくれれば良いと願う「消極的選択」が、野党を嫌う結果になる。で、二十代の自民党支持率が1970年代は26%だったのに、去年(2016)はなんと倍の51%だ。
しかしねえ若者よ、「景気が良くなっているから」なんて言っているが、「アベノミクス」なんて振込め詐欺と変わらない。浜矩子教授の言うとおり「ドアホノミクス」である。安倍の5年間で経済政策は何ひとつ実現されていない。日本経済新聞でさえアベノミクスに否定的だ。「女性活躍社会」だの「働き方改革」だの「一億総何チャラ」だの、おいしそうな疑似餌を次から次と投げて、愚かな民が毛針に飛びつくのを待っているのだ。若者よ「気を付けよう、安倍の言葉と暗い道」だ!! 幼稚なペテンに引っかかれば、君の未来は孤独死と過労死が待っているだけ。
<なぜ選挙で自民は強いのか?>
このところ自民党の得票率は一貫して20%台で、総得票は野党(つまり反自民)の方が多いのだが、議席数は過半数だ。言うまでもなくこれは「小選挙区制」のトリックのせいだ。安倍はこの小選挙区制を最大限に利用し、逆らう者は公認から外すと脅して党を牛耳る。中選挙区制ならば自民党内から複数の候補者が立てられるから、強い派閥に加わっている議員は「首相だって恐るに足らず」で強気になれるが、小選挙区制では官邸に逆らうわけには行かない。安倍・菅に睨まれたら公認漏れで落選だ。大臣になるのが議員の究極の夢だが、それも首相の胸先三寸。安倍と菅には誰も逆らえない。
民主党・民進党が長期政権になれなかったのは、「地方組織」が脆弱だったからだ。そこへいくと、戦後半世紀以上も政権を独占してきた自民党の基盤は盤石だ。市町村議員も県会議員も圧倒的に自民党だから、都会で「無党派層」などというオチャラカが増えても田舎は関係ない。地方議員の54%が自民で、民進はたった11%なのだ。昔は田舎はNHKしか放送がなかったし(笑)・・
何か特別な風でも吹かない限り、結局「組織」の方が「無党派」より強いのは自明。今の日本で安定した勢力を維持しているのは、自民・公明・共産といった固定票の取れる組織政党ばかりである。今「小池旋風」などとマスゴミは囃し立てているが、それは都会周辺の現象で地方ではそんな風は吹いてはいない。地方組織の政治的性格は、冠婚葬祭のセレモニーのように保守的で頑迷だからだ。
そもそも農協にしろ警察・消防にしろ医師会や経済団体にしろ、あらゆる団体・組織が自民党支持の保守組織である。唯一の例外が「労働者団体」(昔総評、今連合)で、これが昔は野党・社会党支持のいわゆる革新勢力だった。だが総評も潰され「戦わぬ第二組合」の「連合」になってからは、組織力も衰退の一途。これでは「小選挙区制にすれば二大政党による政権交代が容易になる」も、看板に偽りありの絵に描いた餅。
それに市民革命の歴史体験(王党派と共和党派の争い)が無い日本では、二大政党制は馴染まない。というより、そもそも二大政党にならないのだ。自民党内の「二大派閥」(宏池会と清和会)が競争して二大政党の役割を果たしてきたのだが、小選挙区制で派閥は死滅状態。派閥という「切磋琢磨する場」は失われた。
<安倍の危険な「改憲」狙い!>
解散の「大義名分」などあるはずも無く、パクリ専門の安倍は「消費税増税分を教育に当てる」などと言いだし、民進党の政策を盗んで選挙の公約にしている。もちろん口だけで、本気でやる気は無い。本気なのは「憲法改悪」だ。何が何でも自衛隊を憲法で認めさせたいのだ。なぜ安倍はこんなに「自衛隊の憲法明記」にこだわるのか? 今だって自衛隊の存在を国民は認めているのに・・と不思議に思うだろうが、どうやらとんでもない深い狙いが安倍にはあるようなのだ。それは何かというと・・
「自衛隊の憲法明記」により、自衛隊最高指揮官である首相の権限は、明治憲法・大日本帝国憲法における「天皇の統帥権(大権)」に匹敵する強大なものになるからだ。自衛隊が憲法に明記されれば、大手を振って戦争が出来る!!
その法的根拠はというと・・自衛隊法には「防衛出動」の命令権が首相にある、と書いてある。つまり実質は開戦(宣戦布告)と同じ権限があるのだ。今は自衛隊の活動に関しては市民が訴訟を起こす(小泉のイラク派兵には違憲判決が確定している)から、好き勝手に自衛隊を戦闘・戦争に参加させられない。それが安倍ら右翼ナショナリストにとっては我慢できないのだ。自衛隊が国軍(軍隊)として憲法に明記されれば「徴兵制」もすぐそこだ。大丈夫かお若いの?
<安倍政権の通信簿>
日本人の伝統的病=健忘症・・すぐに忘れてしまう。
森友に「主人がよろしく言ってました」と100万円カンパした安倍昭恵は、国会の証人喚問もまんまと逃げきり、安倍の親友加計も安倍に獣医学部新設で口利きを依頼したのは明白なのに、これも証人喚問を逃げ切った。安倍自身も憲法で決まっている「臨時国会開催」を延ばしに伸ばした末、疑惑を追及される審議をさせないために、一切の質疑を封じて「冒頭解散」するという暴挙。安倍の妄言の数々もすさまじい。
●我々が提出する法律は全く正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから。
●集団的自衛権が行使できても「専守防衛」に変わりはありません。
●他国に自衛隊を上陸させ戦闘行動をさせても、派兵には当たりません。
●こんな人たちに負けるわけにはいきません(都議選の街頭演説で「帰れ」コールを浴び)
●我が党は結党以来、強行採決しようとしたことはない。
閣僚も惨憺たる恥知らずの破廉恥ぶり・・
●こんなものは怪文書だ(加計疑惑の文部省内部告発に対して菅官房長官)
●観光マインドが全くなく、一番の癌は学芸員(山本・地方相)
安倍チルドレンもスキャンダルまみれ。
「このハゲー!」の暴力女・豊田真由子、重婚罪の中川俊直、被災地視察で長靴ギャグとばした務台俊介、癌患者に暴言吐いた大西英男、未公開株取得の武藤貴也などなど・・こんなクズにまたも一票を入れて当選させますか?
<低投票率>
総選挙は二昔三昔前なら70%くらいはフツーにあったのだが、今では50%をやっと超える程度だ。
投票率が低ければ低いほど、「組織票」を持っている自民党や公明党(つまり与党)が有利だ。だから森喜朗は「選挙に行かないで寝ててくれれば良い」と言ったのだ。
小選挙区制での投票は「死票」がやたら多く、一票でも多い方が勝ちという非常に不公平なメソッドであり、民意を正しく反映しない決め方である。と言っても投票に行かなければ安倍らウヨが三分の二以上の議席を獲得し、またまた汚い手を使って「憲法改悪」に突っ走るのは目に見えている。
「投票に行っても何も変わらない」「デモに行っても何も変わらない」と若者はよく言うが、それは「政治参加」という民主主義構成員の義務を放棄する口実・言い訳でしかない。アメリカ建国の父にして「合衆国独立宣言」起草者の一人トマス・ジェファソンはこう言っている・・沈黙している人々は民主主義の妨げになる。民主主義とは政治に参加すること、発言することである・・と。「選ぶ人がいない」などと斜に構えていないで「よりマシな人間を選ぶ」ことだ。
安倍の母方の祖父・岸信介は「声なき声に耳を傾ける」と言ったが、声なき声をどうやって聞くのだ。声なき声ならどのようにでも、自分に都合の良いように勝手に「聞く」ことが可能だ。「ほら、声なき声は憲法を変えろと言ってるぞ!」と。単に岸は国会を取り囲むン十万人のデモ隊の「安保反対、岸辞めろ!」の「声ある声」に「耳を傾けたくなかった」だけだ。孫の安倍晋三も「安倍、帰れ!」の声に幼稚に反応し、「あんな人たちに負けるわけには行かないんです」とムキになって反発した。血は争えない?
---了---
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