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【東京新聞1/30・有事の政権批判は御法度なのか?   人命軽視批判恐れる?】(東京新聞1/30)

2015-01-30 22:38:18 | 言いたいことは何だ
【東京新聞1/30・有事の政権批判は御法度なのか? 
人命軽視批判恐れる?】(東京新聞1/30)
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『有事の政権批判は御法度なのか?』 

「有事」の政権批判は御法度なのか。イスラム過激派組織「イスラム国」とみられるグループによる日本人人質事件では、日本の言論の在り方が問われている。
安倍政権の危機管理はや中東政策など論点には事欠かない。ところが、「政争の具にするな」「テロリストを利するな」「人命がかかっている」の大合唱の中、言論の府たる国会では野党が追及を控えている。大手メディアも安倍政権を擁護する論調が目立つ。


安倍晋三首相が出席した29日の衆院予算委員会。新執行部発足後初の本格論戦に挑んだ野党第一党の民主党は、論客の長妻昭代表代行をトップバッターに立てたものの、人質事件については「人の命に関わる問題で与野党の違いはない。政府にできる限りの支援をしたい」とエールを送った。
「イスラム国」が人質の殺害予告画像を公開した20日以降、民主党以外の野党も、政府への協力を明言している。27日の衆院代表質問では、維新の党の柿沢政調会長が「与野党の別なく事態打開に向けた政府の取り組みに協力したい」と宣言した。
政権批判が十八番の共産党も、新人の池内沙織衆院議員が「命を軽んじ続ける安倍政権」とツイッターに書き込むと、すかさず志位和夫委員長が「あのような形で発信するのは不適切」と苦言。ツイートは削除された。
歯に衣着せぬ物言いは、「生活の党と山本太郎となかまたち」くらいのものだろう。小沢一郎共同代表は27日の会見で、「人命が大事だから物を言わないのは非常におかしい。こういう時こそ論争すべきで、情緒論的な話で口を閉ざすのは政党、政治家として無責任と断じた。

なぜ、大半の野党が政権批判を自粛するのか。政治評論家の浅川博忠氏は「政権批判は、やはり人命軽視と受け取られかねず、4月の統一地方選への影響も考慮して慎重になっている。共産党もここで誤解されたら、犯安倍政権の受け皿として総選挙で躍進した勢いがそがれてしまう」と分析する。

鳴りをひそめているのは大手メディアも同じだ。論じるべきことは山ほどある。「イスラム国」の動画公開は、中東歴訪中の安倍首相が、イラク、シリアの難民やトルコ、レバノンへの人道支援を表明した直後のことだ。
首相がその際の記者会見で「ISIL(イスラム国)がもたらす脅威を食い止めるため」「ISILと戦う周辺各国に支援を約束する」と刺激したとの見方もある。
政府は人質2人の情報を昨年8月と11月の時点で把握していたが、首相は中東訪問を強行した。

にもかかわらず、大手新聞の社説は「脅迫者の批判は筋違い」「国際社会とともにテロとの戦いに貢献していく姿勢を支持する」と政権を擁護した。
元経産省官僚の古賀茂明氏は、テレビの報道番組で首相の対応に疑問を呈した後、自身のツイッターが炎上した。

元民放キー局社員で、法政大の水島宏明教授は、メディアと権力の癒着を疑う。「官邸や外務省が政治部著王や政治部デスクを呼び、どこまでの報道なら問題ないかを伝えることはよくある」


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『チェック機能失う懸念 人質対応、中東政策「臆せず議論を」』
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「政権批判を控えるようディレクターに言われたことはある」と明かすのは、フリージャ-ナリストの常岡浩介氏だ。
常岡氏は、2010年にアフガン政府系勢力に5ヶ月拘束された経験を持つ。
今回の人質事件でも、テレビやラジオにたびたびゲスト出演している。
「もちろん、政府の対応の問題点を気後れせずに指摘する」と常岡氏は強調する。
「真剣に取り組むよう政府に圧力をかけていくという意味では、批判という手法は含まれてもよい。
安倍首相は「イスラム国」と戦う国を支援すると表明した。人質がいるのに適切だったとは言い難い。こうした従来のやり方に反省を促されなければかえって人質の解放が危うくなる」

水島氏も「米国などのテロとの戦いを支持することは、こういう事件を覚悟することだと国民に伝えるのがメディアの役割。議論もせず口をつぐんだら、ますます考えない国民をつくってしまう」と説く。

戦史・現代紛争研究家の山崎雅弘氏は、戦前の大政翼賛会体制とダブらせる
「多くの人は、軍部から脅されて政府の方針に従ったのではない。まじめな人ほど、自ら進んで政府の考えを受け入れた。それが大政翼賛会につながった。
人質事件で安倍政権への批判を自粛する人々は、戦前の人々と同じようにまじめなのではないか。人質の早期解放につながる建設的な批判であれば、臆さずに行うべきだ」

東京大東洋文化研究所の安富歩教授も「言論の自由を前提とした社会であれば、いかなる時でも政府のやることは議論の対象になるべきだ。批判を控えるのは迎合するのと同じ。民主主義を脅かす危険な発想」と唱える。
一部では、人質事件を倒閣運動に結びつけようとする動きもある。国会や官邸の前で人質の解放を訴えるデモの中には、「安倍は辞めろ」「今すぐ辞めろ」といった声もまじる。
これには常岡氏も「安倍辞めろとか、関係の無い批判をしても仕方がない。『イスラム国』側から要求されてもいないことをやっても人質の解放にはつながらない。事件に便乗するのはどうか」と首をひねる。

とはいえ、倒閣まがいの言動に問題があったとしても、市民の側にばかりに非があるのか。安倍首相は集団的自衛権の行使容認にしても、沖縄県名護市の辺野古新基地建設問題にしても、反対派の声になかなか耳を貸そうとしない。
世間の「安倍派」と「反安倍派」の溝は深まるばかりだ。

一橋大の中北教授は「衆院選で小選挙区比例代表並立制などの導入を決めた1994年の政治改革以後、多様な民意が政治に反映されづらくなったことが背景にある」と説く。

「十分議論せずに多数決で決めるという風潮が強まった。多数派が物事を決めていく構造の中で、少数派の市民の側も、批判の内容は二の次にしてとにかく政権を批判する、という傾向を強めたのではないか」

山崎氏は、「政権への賛否は選挙で示すのが基本。でも、辺野古新基地の問題で露呈した通り、政権は、沖縄の知事選などで示された民意を尊重しない。安倍政権が自らの正当性を壊している。この点を反省しない限り、倒閣に走る人たちが耐えることはないでしょう」と警告した。

『デスクメモ』:
通常国会初日の26日、超党派の「和装振興議員連盟」が和服姿で登院した。恒例らしいが、人質事件の最中だ。「国民衣装の着物を着て、一致団結してテロ組織に対応している姿を示すとの説明はいかにも苦しい。論戦は自粛しても、晴れ着は誰はばかることなく披露するのか。







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