国会招致拒否の自民に国民唖然 もう逃げ切りは通じない
2017年3月10日 日刊ゲンダイ
http://asyura.x0.to/imgup/d6/5416.jpg
揉みくちゃにされながら、9日、報道陣150人を相手にぶら下がりに応じた「森友学園」の籠池泰典理事長。あれが教育者か――と呆れ返った国民も多いはずだ。
「教育勅語のどこが悪い」「報道は無礼千万」「立派な人材をつくる教育は、もう少し温かい目でみるべきだ」と、質問には答えず、言いたいことを一方的にまくし立てた。なぜか、朝日新聞を目の敵にしていた。その揚げ句、まるで自分は被害者だとばかりに、今回の疑惑発覚について「これは4年ほど前から仕組まれてきたことだ」と、理解不能のことを口走る始末である。いったい誰が4年もかけて仕組むというのか。国有地を8億円も安く入手したのも、幼児に教育勅語を暗唱させているのも、自分がやったことではないか。安倍首相を応援するネトウヨは、朝日新聞を敵視し、妄想と謀略史観に取りつかれた連中が多いが、ほとんど籠池理事長も同じ発想である。
籠池理事長は日本最大の右翼組織「日本会議」の主要メンバーだが、しょせん「日本会議」も、このレベルということか。
それにしても、この男は、デタラメのオンパレードだ。ウソにウソを重ねている。
問題の国有地に建設している小学校の「建築費」まで、役所に虚偽申請していた。〈国交省には23億8400万円〉〈関西エアポートには15億5000万円〉〈大阪府には7億5600万円〉と申請。補助金や助成金がもらえる「国交省」と「関西エアポート」には少しでもカネを多く手にしようと高く、逆に財務内容を問われる「大阪府」には低く申請していたのだから、デタラメにも程がある。
さらに、経歴まで偽っていた。
本当は「関西大商学部卒、奈良県庁入庁」なのに、「関西大法学部卒、旧自治省入省、奈良県庁出向」と大阪府に届け出ていた。こうなると、もう教育者ウンヌン以前の問題である。
http://asyura.x0.to/imgup/d6/5415.jpg
稲田防衛相も「教育勅語」を称賛(C)日刊ゲンダイ
「民間人だから国会招致できない」は通じない
どうして、こんな男に国有地が8億円もディスカウントされて払い下げられたのか、本当に政治家の関与はなかったのか。国民の疑問はまったく解消されていない。
真相を解明するには、籠池本人を国会に呼び、話を聞くしかない。日経電子版の調査でも、70%が「国会に参考人招致すべきだ」と答えている。これだけ疑惑が噴出しているのだから当然である。
ところが、安倍政権は「民間人の招致は慎重であるべきだ」などと拒否しているのだから、どうしようもない。国民の財産である「国有地」が8億円も不当に安く売り払われたのである。国会が事実を解明するのは当たり前ではないか。「民間人だから」という屁理屈は通用しない。
それでも安倍自民党が籠池理事長をかばい、参考人招致を拒否しているのは、同じ穴のムジナだからだ。安倍首相は一度は籠池理事長のことを「私の考え方に共鳴している方」と同志だと認めている。もともと、政権の支持基盤である「日本会議」を通じて、安倍首相と籠池理事長は、理想の国家観を共有する仲間同士である。
「安倍政権が国会招致を拒否しているのは、籠池理事長を国会に呼んだらなにを口にするか分からないと恐れているからでしょう。と同時に、安倍首相も多くの自民党議員も、籠池理事長の教育方針を悪いと考えていないのだと思う。
その象徴が、教育勅語に対するスタンスです。多くの国民は、籠池理事長が園児に教育勅語を暗唱させることに強い違和感を覚えている。教育勅語の本質は、いざとなったら天皇のために死ね、だからです。国家総動員体制を正当化するために利用され、戦争につながった。子どもに道徳を教えるのなら他のテキストを使えばいい。ところが、稲田防衛相は『日本が道義的国家を目指すその精神は取り戻すべきだ』と国会答弁で教育勅語を称賛している。自民党全体が籠池理事長の教育方針にシンパシーを感じている裏返しでしょう」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
いまや自民党議員約240人が「日本会議」の国会議員懇談会に名を連ね、閣僚の大半がメンバーである。これでは「日本会議」の幹部である籠池理事長の国会招致に動くはずがない。
■国民は逃げ切りを許さない
どんなに野党が「国会招致」を要求しようが、安倍自民党は籠池理事長の招致を拒否するつもりだ。
これまで、小渕優子や甘利明など大臣のスキャンダルが浮上しても支持率が下落しなかった安倍首相は、森友問題も、参考人招致を拒否しつづけていれば、いずれ世間は忘れると計算しているらしい。
しかし、逃げ切れると思ったら大間違いだ。この疑惑は、小渕や甘利が辞任した「政治とカネ」の疑惑とは、次元が違う話だからだ。
安倍政権が右翼組織「日本会議」と深くつながっていることや、稲田朋美を筆頭に「教育勅語」を礼賛する自民党議員が多いことがバクロされ、国民の政権を見る目は確実に変わりつつある。最新の日経電子版の世論調査は、「内閣を支持する」36%、「支持しない」63%と逆転している。
「幼児が運動会の選手宣誓で『安倍首相ガンバレ』『安保法案、国会通過よかったです』と籠池理事長に言わされている映像を見て、心ある国民は、こんな時代錯誤の教育をしている学校法人があるのかと衝撃を受けたはずです。しかも、安倍首相の昭恵夫人が新設小学校の名誉校長に就き、なぜか国有地が8億円も値引きされて払い下げられている。そのうえ、官僚は『資料は破棄した』の一点張り。どんな国民だって『これはおかしい』『なにか裏にある』と分かりますよ。国会で多数を握っている安倍首相は、これまで同様、強行突破すればいいと考えているようですが、国民は真相が解明されるまで、疑惑を忘れることはありませんよ」(金子勝氏=前出)
これまで安倍官邸の顔色をうかがってばかりいた民放各社が「森友学園」問題を一斉に報じているのは、視聴率が取れるからだ。それだけ国民の関心が強いということである。今度ばかりは、安倍自民党の逃げ切りシナリオは通用しない。
■籠池理事長を呼べば安倍政権は崩壊へ
こうなったら、野党は絶対に腰砕けになったらダメだ。ここで安倍政権を倒せなかったら、民進党が政権を奪取することは永遠にない。そう思うべきだ。
政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「鑑定価格9億5600万円の国有地が、わずか1億3400万円という不当な安値で払い下げられていた最大の疑惑は、極右思想を共有する仲間内で国有地が私物化されていたのではないか、ということでしょう。安倍首相が『腹心の友』と呼ぶ極めて親しい加計孝太郎氏が理事長をつとめる『加計学園』が新設する大学にも広大な市有地が無償で譲渡されている。大手メディアには、こうした視点がありませんが、鋭い国民は『なにかおかしい』『仲間うちでおいしい思いをしているのではないか』と疑いはじめている。野党が国民の支持を得るのは、いましかない。国民の立場に立って、安倍政治のカラクリを徹底的に追及すべきです」
籠池理事長を国会に呼び、洗いざらい話させれば、安倍政権はガタガタになるに違いない。それほど、この疑惑の闇は深い。安倍1強体制は崩壊に向かいつつある。
2017年3月10日 日刊ゲンダイ
http://asyura.x0.to/imgup/d6/5416.jpg
揉みくちゃにされながら、9日、報道陣150人を相手にぶら下がりに応じた「森友学園」の籠池泰典理事長。あれが教育者か――と呆れ返った国民も多いはずだ。
「教育勅語のどこが悪い」「報道は無礼千万」「立派な人材をつくる教育は、もう少し温かい目でみるべきだ」と、質問には答えず、言いたいことを一方的にまくし立てた。なぜか、朝日新聞を目の敵にしていた。その揚げ句、まるで自分は被害者だとばかりに、今回の疑惑発覚について「これは4年ほど前から仕組まれてきたことだ」と、理解不能のことを口走る始末である。いったい誰が4年もかけて仕組むというのか。国有地を8億円も安く入手したのも、幼児に教育勅語を暗唱させているのも、自分がやったことではないか。安倍首相を応援するネトウヨは、朝日新聞を敵視し、妄想と謀略史観に取りつかれた連中が多いが、ほとんど籠池理事長も同じ発想である。
籠池理事長は日本最大の右翼組織「日本会議」の主要メンバーだが、しょせん「日本会議」も、このレベルということか。
それにしても、この男は、デタラメのオンパレードだ。ウソにウソを重ねている。
問題の国有地に建設している小学校の「建築費」まで、役所に虚偽申請していた。〈国交省には23億8400万円〉〈関西エアポートには15億5000万円〉〈大阪府には7億5600万円〉と申請。補助金や助成金がもらえる「国交省」と「関西エアポート」には少しでもカネを多く手にしようと高く、逆に財務内容を問われる「大阪府」には低く申請していたのだから、デタラメにも程がある。
さらに、経歴まで偽っていた。
本当は「関西大商学部卒、奈良県庁入庁」なのに、「関西大法学部卒、旧自治省入省、奈良県庁出向」と大阪府に届け出ていた。こうなると、もう教育者ウンヌン以前の問題である。
http://asyura.x0.to/imgup/d6/5415.jpg
稲田防衛相も「教育勅語」を称賛(C)日刊ゲンダイ
「民間人だから国会招致できない」は通じない
どうして、こんな男に国有地が8億円もディスカウントされて払い下げられたのか、本当に政治家の関与はなかったのか。国民の疑問はまったく解消されていない。
真相を解明するには、籠池本人を国会に呼び、話を聞くしかない。日経電子版の調査でも、70%が「国会に参考人招致すべきだ」と答えている。これだけ疑惑が噴出しているのだから当然である。
ところが、安倍政権は「民間人の招致は慎重であるべきだ」などと拒否しているのだから、どうしようもない。国民の財産である「国有地」が8億円も不当に安く売り払われたのである。国会が事実を解明するのは当たり前ではないか。「民間人だから」という屁理屈は通用しない。
それでも安倍自民党が籠池理事長をかばい、参考人招致を拒否しているのは、同じ穴のムジナだからだ。安倍首相は一度は籠池理事長のことを「私の考え方に共鳴している方」と同志だと認めている。もともと、政権の支持基盤である「日本会議」を通じて、安倍首相と籠池理事長は、理想の国家観を共有する仲間同士である。
「安倍政権が国会招致を拒否しているのは、籠池理事長を国会に呼んだらなにを口にするか分からないと恐れているからでしょう。と同時に、安倍首相も多くの自民党議員も、籠池理事長の教育方針を悪いと考えていないのだと思う。
その象徴が、教育勅語に対するスタンスです。多くの国民は、籠池理事長が園児に教育勅語を暗唱させることに強い違和感を覚えている。教育勅語の本質は、いざとなったら天皇のために死ね、だからです。国家総動員体制を正当化するために利用され、戦争につながった。子どもに道徳を教えるのなら他のテキストを使えばいい。ところが、稲田防衛相は『日本が道義的国家を目指すその精神は取り戻すべきだ』と国会答弁で教育勅語を称賛している。自民党全体が籠池理事長の教育方針にシンパシーを感じている裏返しでしょう」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
いまや自民党議員約240人が「日本会議」の国会議員懇談会に名を連ね、閣僚の大半がメンバーである。これでは「日本会議」の幹部である籠池理事長の国会招致に動くはずがない。
■国民は逃げ切りを許さない
どんなに野党が「国会招致」を要求しようが、安倍自民党は籠池理事長の招致を拒否するつもりだ。
これまで、小渕優子や甘利明など大臣のスキャンダルが浮上しても支持率が下落しなかった安倍首相は、森友問題も、参考人招致を拒否しつづけていれば、いずれ世間は忘れると計算しているらしい。
しかし、逃げ切れると思ったら大間違いだ。この疑惑は、小渕や甘利が辞任した「政治とカネ」の疑惑とは、次元が違う話だからだ。
安倍政権が右翼組織「日本会議」と深くつながっていることや、稲田朋美を筆頭に「教育勅語」を礼賛する自民党議員が多いことがバクロされ、国民の政権を見る目は確実に変わりつつある。最新の日経電子版の世論調査は、「内閣を支持する」36%、「支持しない」63%と逆転している。
「幼児が運動会の選手宣誓で『安倍首相ガンバレ』『安保法案、国会通過よかったです』と籠池理事長に言わされている映像を見て、心ある国民は、こんな時代錯誤の教育をしている学校法人があるのかと衝撃を受けたはずです。しかも、安倍首相の昭恵夫人が新設小学校の名誉校長に就き、なぜか国有地が8億円も値引きされて払い下げられている。そのうえ、官僚は『資料は破棄した』の一点張り。どんな国民だって『これはおかしい』『なにか裏にある』と分かりますよ。国会で多数を握っている安倍首相は、これまで同様、強行突破すればいいと考えているようですが、国民は真相が解明されるまで、疑惑を忘れることはありませんよ」(金子勝氏=前出)
これまで安倍官邸の顔色をうかがってばかりいた民放各社が「森友学園」問題を一斉に報じているのは、視聴率が取れるからだ。それだけ国民の関心が強いということである。今度ばかりは、安倍自民党の逃げ切りシナリオは通用しない。
■籠池理事長を呼べば安倍政権は崩壊へ
こうなったら、野党は絶対に腰砕けになったらダメだ。ここで安倍政権を倒せなかったら、民進党が政権を奪取することは永遠にない。そう思うべきだ。
政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「鑑定価格9億5600万円の国有地が、わずか1億3400万円という不当な安値で払い下げられていた最大の疑惑は、極右思想を共有する仲間内で国有地が私物化されていたのではないか、ということでしょう。安倍首相が『腹心の友』と呼ぶ極めて親しい加計孝太郎氏が理事長をつとめる『加計学園』が新設する大学にも広大な市有地が無償で譲渡されている。大手メディアには、こうした視点がありませんが、鋭い国民は『なにかおかしい』『仲間うちでおいしい思いをしているのではないか』と疑いはじめている。野党が国民の支持を得るのは、いましかない。国民の立場に立って、安倍政治のカラクリを徹底的に追及すべきです」
籠池理事長を国会に呼び、洗いざらい話させれば、安倍政権はガタガタになるに違いない。それほど、この疑惑の闇は深い。安倍1強体制は崩壊に向かいつつある。
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