甘利氏に600万円以外に800万円以上提供か
[2016年2月4日1時39分]
甘利明前経済再生担当相の金銭授受問題で、現金を渡していた千葉県の建設会社の総務担当者が3日、共同通信の取材に応じ、甘利氏が受領を認めた600万円の他に、800万円以上を当時の秘書らに提供したと証言した。
現金15万円程度を50回以上渡したとし「都市再生機構(UR)との補償交渉を有利に進めるため、口利きしてもらった謝礼や経費」などと話した。
取材に応じたのは一色武氏(62)。建設会社とURの間で工事をめぐるトラブルがあり、補償に関する仲介を甘利氏側に依頼し、現金などを渡したと週刊文春に証言していた。
甘利氏は1月の記者会見で、2013年11月に大臣室で、14年2月に神奈川県大和市の事務所で50万円ずつ受領したと説明。13年8月には公設第1秘書(当時)が500万円を受け取り、うち300万円を使ったとし、建設会社側から計600万円が渡ったことを認めた。
しかし一色氏は3日の取材に、これ以外にも13年8月~15年12月、「URとの交渉経費」として15~20万円を53回、計約800万円を公設第1秘書らに提供したと説明。さらにURを所管する国土交通省の局長に渡す「商品券代」として、15年3月と4月に計35万円を渡したとも証言した。
一方、甘利氏が自ら受領した計100万円の趣旨を「就任祝い」「政治活動への応援」とした点は否定。13年8月、URが約2億2000万円を支払う契約が成立したことへの謝礼や、今後の交渉を有利に進めるためだったとし、甘利氏も認識していたと述べた。
一色氏は「2回とも甘利氏は現金が入った封筒をスーツの内ポケットに入れた」と証言。甘利氏の「ポケットに入れず秘書に政治資金としての適正処理を指示した」とする説明も否定した。(共同)
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