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朝日新聞記者まで「マニフェスト」を忘れて、小沢一郎代表を悪人扱い、もはや民主党は分裂、分党しかない

2014-08-24 17:38:54 | 言いたいことは何だ
朝日新聞記者まで「マニフェスト」を忘れて、小沢一郎代表を悪人扱い、もはや民主党は分裂、分党しかない
 
20140821日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」より転載
 
このごろ、「マニフェスト」という言葉が、すっかり聞かれなくなった。「宣言(書)」「声明(書)」「国政選挙では政党が、地方選挙では候補者が政権獲得後に実施する政策を具体的に挙げ、必達目標(コミットメント)と達成時期(デッドライン)と予算措置について明確に有権者に提示した文書。政権公約。政策宣言」という意味である。いわゆる「選挙公約」のような大雑把なものではなかった。2003年の公職選挙法改正により、選挙期間中に配布できることになった。
 
ところが、中央、地方の政界はもとより、政治ジャーナリズムの世界でさえ、「マニフェスト」という言葉を使わなくなっている。日本国民が、「忘れっぽい」のは、いつものことであるとはいえ、これほど早く、あっさりと忘れてしまうとは、驚きである。
 
朝日新聞DIGITALが8月20日午前5時に配信した「窮地の小沢氏、頼みは古巣 統一会派持ちかけ民主は慎重姿勢」という記事を読んで愕然とした。この記事を書いた渡辺哲哉記者が、「マニフェスト」という言葉をすっかり忘れているとしか思えなかったからだ。記事のなかで、渡辺哲哉記者は、こう書いている。
 
「小沢氏は、20127月に消費増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法案の衆院採決で反対し、民主党を離党した。しかし党を立ち上げるきっかけになった政策を降ろしてまで民主党との統一会派を持ちかけるのは、生活の党の窮状がある」
「民主党内では小沢氏との連携に否定的な声が大勢だ。小沢氏らの離党が野党転落につながったと考える議員が多く、復帰をゆるせば、再び党の結束をかき乱される、と警戒するからだ」
 
これでは、民主党が2012年12月16日の総選挙で大敗し、政権を失ったのが、丸で小沢一郎代表の責任であるかのように聞こえる。野田佳彦前首相が、安倍晋三首相の挑発に乗って、不必要な衆議院解散を断行してしまわなければ、総選挙で大敗し、政権を失うこともなかったのに、まんまと「罠の嵌った」ために、野党転落したことの重大責任については、不問に付そうとでも言うのであろうか。野田佳彦前首相が、不必要な衆議院解散を断行したことと、小沢一郎代表が離党したこととは何ら関係はない。
 
この渡辺哲哉記者は、小沢一郎代表が離党した本当の理由について、野田佳彦前首相が、「マニフェスト違反」をして国民有権者を騙して消費税増税法案を強引に国会で成立させたことにあったことを、すっかり忘れている。
 
小沢一郎代表は、もともと消費税増税反対論者ではない。だが、民主党は2009年7月21日の衆議院解散に伴う総選挙(8月18日に公示、830日投開票)に際して、国民有権者に示したマニフェストで、「衆院議員の任期中は、消費税増税はしない」と明記していたので、これを正直に守ろうとしただけであった。ところが、野田佳彦前首相が、これを破ったのである。
 
孔子が「民信無くば立たず」と述べているように、社会というものは、「信用」「信頼」をなくしては、成り立たない。だから、国民有権者に公約したことは、守らなくはならないと言って、小沢一郎代表は、野田佳彦前首相が、「マニフェスト違反」をして国民有権者を騙したのを咎めたのである。
 
にもかかわらず、いまは話が逆転して国民有権者を騙した野田佳彦前首相の方が正しくて、マニフェストを頑なに守ろうとして離党に追い込まれた小沢一郎代表の方が悪いというように決めつけている。
 
もう1つ、あえて言えば、広島高裁(筏津〈いかだつ〉順子裁判長)は2013年3月25日、広島1、2区について『違憲で無効』とする判決を言い渡した。広島1区の当選者は岸田文雄外相(自民)、2区は平口洋衆院議員(同)。野田佳彦前首相がヤケッパチになり解散して断行した総選挙について「違憲・無効」と厳しく処断されたのである。野田佳彦前首相が、「マニフェスト違反」により、国民有権者にウソをつき、その上塗りをして、違憲である解散・総選挙を断行して、国民有権者を二重に裏切ったばかりでなく、憲法違反の当事者として断罪されたとも言える。これに加担したマスメディアも同罪である。
 
弁護士らが1962年に始めた一票の格差訴訟で、これまで、「違憲判決」はあったが、無効判決が出たのは全国で初めてだった。言い換えれば戦後初である。この意味で画期的である。「違憲判決」を下していながら、「無効」と判決しないのであれば、司法権が持っている「憲法裁判所」としての機能を自ら否定するのに等しく、この意味でも、この判決は、実に素晴らしい判決であった。
 
この点で、前回総選挙で大惨敗させた野田佳彦前首相、岡田克也前副総理、前原誠司前国家戦略相、玄葉光一郎前外相、安住淳元財務相、枝野幸男前経済産業相の「戦犯6人衆」の「悪い因果」が、その後も続いてきた。これが2013年7月28日の任期満了に伴い、7月4日に公示され7月21日に投開票が実施された参議院議員通常選挙でも丸で「呪い」のように祟り続けた。
 
しかし、朝日新聞の渡辺哲哉記者は、この記事の最後のところで、「海江田氏も、小沢氏と組む決断をすれば、党が分裂する事態にもなりかねない。そのため19日の会見でも生活の党との統一会派は『決まっていない』と述べるにとどめた」と書いている。
 
海江田万里代表の背後には、小沢一郎代表と輿石東参院副議長(形式的に党籍離脱)が控えていて、「野党再編の策」を授けている。それは、リベラル派を中心軸に民主党内をまとめることだ。当然、自民党寄りの保守派の切り捨てを決断しており、「集団的自衛権行使容認・憲法解釈変更・閣議決定」に反対の姿勢で統一しようとしている。朝日新聞記者まで「マニフェスト」という言葉を忘れて、小沢一郎代表を悪人扱いしている政治状況下、もはや民主党は分裂、分党しかない。
 
海江田万里代表は8月19日の記者会見で、集団的自衛権の行使について「容認できない」との立場を重ねて強調しており、自民党寄りの保守派との「決別も辞さない構え」を滲ませている。問題は、民主党をいつ分裂ないし分党させるかのタイミングである。円満に別れるに越したことはないからである。
 


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