言わなければならない事は言わないと前には進まない

生活する中において言わなければならない事や、他の記事で共感したことなどを中心に。今その時の思いを表す。

<日本版ヒトラーに要注意><経済不況+政治不安><歴史を繰り返すな>

2012-04-19 20:35:10 | 言いたいことは何だ

  「ジャーナリスト同盟」通信



 

  本澤二郎の「日本の風景」(1040)



<日本版ヒトラーに要注意>
 国民の政党・政治家離れは、日本の近未来に深刻かつ重大な警鐘を鳴らしている。国民は、それを理解できるだろうか。官僚と政党・政治家がわかっていないことが悲しい。人々は身勝手・自暴自棄に陥っている。自己保身は官僚の体質で知られるが、これを言論人を含めて国民のほとんどがまねると、どういうことになるのだろうか。独裁者を容易に歓迎する国民に変身しかねない。日本版ヒトラーの出現に注意を怠ってはならない、とあえて指摘したい。



<経済不況+政治不安>
 日本記者クラブで「メディア展望」(602号)という小冊子を目にした。そこに「ヒトラーが再生する日」「1930年代に近づく時代位相」と題して、増山栄太郎氏が鋭い小論を書いている。
 35歳の時、獄中で書いたヒトラーの「わが闘争」を引用しながら、当時のドイツの政治経済状況と折り重なるようにして、人々がナチ・ヒトラーを受け入れてゆく過程を紹介する。第1次大戦でドイツが休戦受諾(18年11月)すると、ヒトラーも多くのドイツ国民も国内の裏切り者のせいにする。「戦争で巨利をむさぼったユダヤ人、休戦を急いだ社会民主党や労働組合などの左翼勢力」に問題があると。こうしたドイツ人の心情に潜在する「深層心理に火をつけ、あおり続けたヒトラーだった」のである。
 増山氏は、今の日本も同じと懸念する。同感である。こうした社論がマスコミにないのが、危うい日本を象徴している。
<国民の深層心理を悪用>
 筆者は「内閣は必要か」「国会議員は必要か」という課題をあえて取り上げて、民意に反してやまない政府と議会に警鐘を鳴らし続けてきた。理由は、このようなぶざまな政策推進と国会審議では、国民が独裁者の出現を期待しかねないと心配したからだ。
 政治無関心は、いかなる国民にも存在する共通の政治現象である。しかし、その割合が4割を超えると、それは民主主義が正常に機能していないことを意味する。立派な制度も腐ったリンゴでしかない。
 いまや4割どころか6割、7割に達している。腐敗する政府・議会に対して、言論界が正常に機能していない証拠でもある。国民に奉仕するジャーナリズムがその責務を果たしていないため、無能な政治家や官僚は状況をつかみ切れていない。7割という驚異的な無党派・政党不支持派の深刻な事態を、行政や議会が適切に対応できていない。
 独裁者は、国民の不安・怒りの深層心理を悪用することで、世論を牛耳ることが出来る、と密かにほくそ笑むのだ。日本にもヒトラーのような悪しき政治屋が存在する。「アメリカにNOと言える日本」という本で人気を博した石原慎太郎は、それゆえにまんまと都知事に当選した。彼の野望は、先日ワシントンでの講演で新たな策略をぶち上げた。
国民の心の襞に沈殿した怒りの炎は、財政を破綻させ、福祉や年金を崩壊させ、人々を不安にさらした犯人である「霞が関」「永田町」に向けられている。大阪の橋下市長は、公然とけしからん役人に鉄槌を食わせることで、大阪の有権者を懐柔してしまった。役人の特権的な地位・給与に市民の怒りは集約されている。これは全国津々浦々の現象である。その象徴が霞が関の官僚と公務員労働者の官公労である。悪しき政治は彼らによって推進されている。
 橋下徹の激しい主張は、ほぼこの1点に向けられている。それゆえの爆発的人気といっていい。その橋下と石原の極右の結合は、やはり注意を要するのだが、問題は自己改革が出来ない役人と国会議員にその認識が欠落している点にある。
 庶民の怒りの深層心理を引き出す天才が橋下であり、その先輩が石原なのである。
<歴史を繰り返すな>
 ヒトラーは45歳にして独裁体制を確立した。30年代の日本も同様だった。「政友会と憲政会の2大政党による不毛の政争が続いて、政権が頻繁に交代した。関東大震災と世界大恐慌の余波に政治は機能せず、5・15事件、2・26事件が勃発、軍部独裁体制が確立、戦争へと突入していった」のである。
 中曽根バブル崩壊後の竹下登から数えると15人の首相が変わった。野田は16人目か。2011年3月11日の東日本大震災・史上空前の東電福島原発事件に真っ当に対応していない。財政は破綻している。
 筆者は知らなかったが、その3カ月後に橋下は「今必要なのは独裁だ」とわめいたという。そして昨年11月の大阪市長選で圧勝した。だいたい「維新の会」という名称が怪しい。
 戦前の日本政治、ドイツの教訓を知る増山氏らしい分析は、軽視することはできないだろう。重大な日本国民に対する警告として受け止める必要がある。
 船底に大きな穴があいている。穴を埋めようとしないで荷物を積んでも無駄だ。家の土台は白アリだらけだ。それを放置しておいての補修工事は無意味である。10%消費税の前にやることをしないで強行すると、国民は白アリの犠牲になり、貧困化するだけである。
 このままでは日本は独裁者の餌食にされる。歴史を繰り返すことになるのである。
2012年4月19日8時55分記

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