憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

井戸の柊次郎・壱 6 白蛇抄第8話

2022-08-28 17:34:52 | 井戸の柊次郎・壱  白蛇抄第8話

白銅の問いに男、いや、柊二郎の顔色がさっと、変わった。
「何か、いわれはありませなんだか」
「あの井戸に?」
「何かがひそんでおります」
柊二郎は頭をだかえこんだ。
「あの・・・井戸は」
柊二郎は唐突に話し始めた。
「昔、色に狂うた先祖がおりましてな。
それが、私と同じ「柊二郎」といったそうなのですが」


先祖の柊二郎はその名が表すとおり次男坊であった。
が、長男の病死で家督を継いだ。
やってきたばかりであった亡兄の妻を
我妻に治すことにも依存はなかった。
由女は物静かで優しい女子で
面立ちも柊二郎の好みに叶っていた。
幸せで平穏な日々が続いた。
何の過不足もないはずの柊二郎であったのに
何に魔がさしたのか柊二郎は、
家に出入りする手伝いの女に手をつけた。
それが最初で、柊二郎は次々と女に手をつけ
狂い始めていった。
「むごい様が今も屋敷の中にのこっております」
柊二郎は果てには牢屋のようなものをこしらえ、
そこに女を押し込めた。
女が逆らえば体を縄で結わえ付けてまで、女を犯し続けた。
妻であった由女もそうなると
他の女子を抱く柊二郎への嫉妬なぞと言う
生半可な感情でなく、柊二郎を恐れ、うとんだ。
亭主の行状の異常さは意見すら、もはや聞き入れない。
「狂ってしまったのだとあきらめなされたようです」
それでも柊二郎が連れ込む女子までを、
見て見ぬふりは出来ない。
牢屋の鍵を壊して女子をにがしてやってはいたが、
其れが妻の仕業と気が付くと
今度は柊二郎は妻への異常を見せ始めた。
浮浪の者をよびこんでくると、その牢屋に妻と共に押し込め、妻を犯させ、其れを見てたのしむようになったという。
それで、柊二郎の異常が終わるのなら、
罪もない女子を連れ込んでの無体が治まるのならと、
由女は己の人生をなげた。
いつか柊二郎に正気が戻る事だけを願うしかないと考えた。
其れはなくなった先の夫にとって、
由女にかけるしかない弟への一縷の希望であったろう。
が、柊二郎の行状は輪をかけ出していった。
由女を浮浪者に犯させておき、
柊二郎は其れを見ながら
他の女をまたもや連れ込んでは犯した。
由女は暇を決意した。
柊二郎との離縁である。
が、それを聞き入れる柊二郎のわけがなかった。
―罪なき女子を囲いいれる事をおやめいただけねば、
由女はでてゆきますー
と、柊二郎はにたりと笑った。
―さほどに、己だけが浮浪者にだかれておりたいかや?
ならば、そうしてやる―
狂うておる。色に狂い果てている。
其の日。
由女は夜遅くに柊二郎の目を盗んで荷物をまとめた。
たぎった瞳の柊二郎が、
由女の言い分を聞き入れるとは思えなかった。
今度は誰が柊二郎の犠牲になるか?
だが、其れを護ってやることよりも、
もう柊二郎の無体を見たくない。
そして、己の身体をいとわせ
浮浪者に投げ渡させられる事なぞよりも、
我妻を傷みも覚えず、
己の狂いを煽らす玩具にしか
見なくなったことへの諦めがついた。
荷物をまとめるとそっと、娘のお久を呼んだ。
が、お久の部屋の布団にお久はいなかった。
―え?―
いやな胸騒ぎがする。
由女は柊二郎がこしらえた牢部屋に駆けつけた。
そこで由女が見た事は・・・・・。

「お久さんというのは、柊二郎の娘さんなのか、兄様のものなのか、さだかではなかったそうです」
そのお久の身体は荒縄でくくりつけられ、
くの字に曲げられていた。
捲り上げた着物のから幼い娘の白い尻がみえていた。
その上にまたがり、柊二郎は娘の秘所に
己の肉棒をつきいれ満足げな声を上げていた。
久の顔は向こうをむいていて、由女には見えなかった。
―お前さん・・堪忍しておくれ―
柊二郎は由女の声にゆくりとふりむくと、
―みせてやろうに・・・―
久の身体を抱え上げると、由女に向けて
久のほとが見えるように久の足を持ち上げた。
久は長い間柊二郎になぶられ続けていたのであろう。
既に生気をなくしぐったりとしていた。
暴れる事もない久の体は扱いやすい。
由女に己の肉棒を誇示するかのように、みせつけると、
ゆくりと久の身体を肉棒に向けておとしこみはじめた。
―きもちよかろう?―
柊二郎は由女に尋ねた。
交接の其の様を見る事は異常な興奮を生む。
だから、柊二郎は由女を他の男に抱かせ、
肉棒がほとの中に何度も入れ込まれてゆくのをみて楽しんだ。
―きもちがよかろう?―
牢の鍵を内側から落としこみ、
柊二郎はその中で、己一人だけのものだった
いびつな楽しみを由女にも分け与え様としていた。
―たまらぬじゃろう?―
こらえきれぬ興奮が柊二郎を包み込み、
久の体の中に精をはきだしていった。
入れ込まれた精は途端にほとからあふれだしてきた。
一度や二度の事ではない。
この何刻の間に柊二郎は久の中に精をはきだしている。
異常な興奮が異常な欲情をうみたたせ、
限りを知らぬず、飽くことがない。
―でてゆくのなら、おまえひとりででてゆくがよい―
―え―
柊二郎は由女の考えをみぬいていた。
―かわりに久がおればよい―
つまり。久をこんな目に合わさせたのは自分でもある。
―かわゆい女子じゃ。ほかの男なぞ、しらぬ。
わしだけのものじゃに。もう、おまえなぞいらぬに―
もう、いらぬ?必要であったというか?
どういう考えが柊二郎の中をしきつめているのか?
だが、所詮狂った男でしかない。
ふと、意識を取り戻した久に気が付くと、柊二郎は
―まだ・・ほしかろう?―
と、たずねた。
雄でしかない。雄のさがのまま、いきている。
それこそが狂いなのである。
―判りました。明日でてゆきます―
由女はうなづいた。



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