私がこの病院にきて、もう、3ヶ月が経つ。
ココに来た当初、ここは戦地から、程遠く、
前戦から、やむなく撤退してきた兵士の手当てがおもな勤務だった。
なのに、今、病院は戦地ととなりあわせになりつつある。
世界協定だけはまもられ、核兵器や細菌兵器などをつかわないかわりに、
文字通り、戦地は肉弾戦の修羅場とかし、
いつのまにか、破壊されてはいけないはずの
病院も砲弾を受け
建物の片側からは青空がくっきり見える有様になっている。
診察室の直ぐ隣の治療室・処置室までベッドが運び込まれ、
今はそこが病室になっている。
患者の多くは戦地から、離脱してきた兵士ばかりだけど、
みんな、傷病がいえたら、前戦に戻ることになる。
その中で源次郎さんという70過ぎたおじいさんだけが
一般市民ということになるんだけど、
源次郎さんは政府の勧告を無視して、
この地に住み続けた人なんだ。
でも、砲撃を受け源次郎さんの家屋は倒壊した。
迂回作戦で敵兵を襲撃するために
この地をとおった、1部隊によって、源次郎さんは
倒壊した建物の下でうめいている所をすくいだされ、
ここにつれてこられた。
部隊はここで、暫く休息すると
何人かの傷病兵をおいて、
戦地にむかっていった。
いくら、平和協定で病院への攻撃を禁止されていたって、
闘える状態の1部隊がここにいれば敵兵だって、
病院ごとふっ飛ばしたくなるだろう。
それを考慮して、部隊は水といくばくかの薬品を補給するに
限度と思われる15分を休息として、
ここにたちよると、
直ぐにでていってしまった。
そして、
残された兵士と源次郎さんの手当てが私達の仕事として追加された。
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