「織絵。静かにせい」
「ぁ・・ぁ・・」
「ててご見つかろうに」
「ぁ、ぁぁ・・・」
織絵の家。
織絵の居室の中で織絵を抱く事さえ叶うようになると
陽道も流石に辛抱が出来ない。
「織絵。明日は、なんぞ理由を作るにわしの所に来い。のっ」
「あ・・・ああ」
別の言い方に着物のことを八口ともいう。
何処からでも好きな様に手を差し込んで
織絵を嬲れるのはいいが、
陽道の方は鉄斎が気になって己の物のうさを晴らせぬのである。
着物を絡げ上げ、朝告げ鳥の交尾さながら
事を済まされると、織絵の方も面白くない。
「今日はこれで終りですか」
と、皮肉な口調である。
「仕方なかろう。荒神の障りから娘を守りとうて呼んだわしに
娘をこのようにされておると判れば、鉄斎もわしを殺しかねない」
「ふ。荒神の障り?陽道。お前が荒神であろう?」
波陀羅も、陽道が織絵の元に入りこんだ首尾は判っている。
「そうよ。織絵。
わしが荒神ならお前は、わしを誑かす鬼じゃろうが?どうじゃ?」
そう言いながら、陽道は織絵のほとに指を入れ込んでゆく。
その感覚に織絵が押し黙る。
「え?」
黙った織絵の口から声が漏れそうになるのを
陽道はその口で塞ぎ込んだ。
ものの三月もせぬ内に織絵の身体は陽道に馴染んだ。
波陀羅のほたえが織絵の身体の芯まで届くほど熱いせいもある。
「よう、おうておる」
不思議なほどに波陀羅のほたえと
織絵の身体が同調するのである。
この女子、本意は陽道を好いておったのやもしれぬ。
そう、思いたくなる。
で無ければこの女子相当の淫乱の性を具有していたか。
『ふ、もっと、良い思いを味わう前に死に果てるとは、
間抜けな女子よ』
が、その御蔭で波陀羅は陽道を、
そして豪奢な暮らしを手に入れられたのである。
『織絵様、様よの』
その胸につうと手を伸ばし胸の先を指でくじるだけで
甘美なものが身体の中に走って行く。
『ふ、具合も良いわ。』
其れだけでほとの中にしぶりが込み上げ、
早くも潤んでくる物がある。
織絵の身体の芯の熱い欲情の火が
波陀羅のほたえを赤くいこらすとまるで、
刃物を打つように陽道の鎚が欲しくなる。
とろりとした粘りが腿を伝うほど陽道が欲しくてし方がない。
覚めやらぬのである。
「何や。身体がふわついて仕方のう御座います。
陽道様の所に行って守護を得て参ります」
そう告げれば鉄斎も織絵を送出してくれる。
陽道の元にやってくると
織絵は自ずから裾を捲り上げて行く。
それを見る間もなく陽道も袴を脱ぎ捨てると
着物を捲り上げ尻に絡げる。
下帯を押し上げる膨らみにもどかしげに
下帯を取り去ると陽道のその上に織絵が座り込んでくる。
織絵が両の足を陽道の腰に廻しこみながら
陽道の物をしっかり深く呑みこませる頃には
その咽喉からは憂いの声があがる。
「ああ・・・切ないに・・・・」
早くも湧き上がってきた悦楽のせいで、
織絵のその美しい顔の眉間に軽くしわがよる。
陽道が動き出すのが待てぬかのように
織絵の身体が上に下にと動き出す。
芯についた火に陽道の物が届くと
火が飛び散る様に小さな疼きが
ほとの中全体に広がってゆく。
「ああ、良い」
よう滑ると思っていたが、今日はひどく滑る。
面白いほどにつるつると精汁がほとから溢れてくる。
動き出した陽道に合わせて、
くちゅくちゅと小さな音を発てている。
陽道がたぶ実をほとの際まで抜いて行くと
その後にほとの下唇から熱い滑りがとろとろと尻にまで伝う。
「どうした。えらい、騒ぎようじゃ」
「なんか・・・しらん・・・が・・よ・・い」
快感の小さな点がほとの中に現れると、
それがますます疼いて切ない。
陽道の物にその点を擦り上げられると
はっきりとした、鋭い快感が上がってくる。
と、それがだんだん、高くせり上がって来た。
「あ、ああ、ああ、あああああ」
織絵の身体が初めてのあくめを迎え始めている。
「あ、あ、・・・もっと・・・」
陽道に激しく休まず擦りあげろと言いたいのである。
「織絵、いかぬ。わしが、もたぬ。
よう、締まりおる。・・果てそうじゃ」
陽道が喘ぐ。
織絵は陽道の腰に廻した足をぐいと締めると
樹を突付く鳥のように陽道の物を短い振幅で
押し込み引き込みを繰り返した。
「い・・か・・ぬ・・ああ・・おり・・え」
「あ、あ、あ、上がってくる・・・上がって来る・・・」
激しい動きのまま、織絵があくめを訴え出す。
ぐびぐびとほとの中が蠢めき、
陽道が耐えられず射ち放してしまいつつ、
織絵を喘がせる動きは止めようとしない。
「おお・・・」
今までと違う物を味わい尽くすと織絵の身体が止まり
すううと陽道に拠りかかった。
「覚えたの」
「ああ・・・」
その感覚を教えてくれた男を、
その感覚を与えてくれる男を、
波陀羅は離すまいと決めている。
陽道は陽道で織絵の美しい肢体が
己の物で喘ぐ様に魅了され、
魂を抜かれた傀儡のごとく、
快楽を与える下僕に成り下がっている。
が、そんな事がいつまでもうまく続く筈もない。
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