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一炊の夢

2021-04-25 06:54:40 | 日記
春はなぜか眠い。
人間の生態系からきているのかも知れないが、とにかく眠い。
ことに、昼食後はじっとしているとそのまま微睡(まどろ)んでしまう。
そんな時に、漫画家の弘兼憲史氏のこんな一文が目に入ってきた。

◆人生は「一炊(いっすい)の夢」という
 いままでにあったこと、これから起こること、とにかく誰にとっても長い人生に思えてくるが、
 死の間際に夢を見れば、おそらくほんのひと眠りの浅い夢の中で、辿ってきた長い人生が走馬灯のように浮かんでは過ぎていくのだろう。
 その時、ひとコマひとコマには楽しい場面だけが浮かぶような人間でありたい。
 地位だ、名誉だ、財産だなどと騒いでも、たった一人で死んでいくのは間違いないのだから、
 誰からものぞき込まれない「一炊の夢」に微笑めばいいのだ。
 そのことで僕がくやしいのは、それをマンガにしてわが人生にサヨナラできないことぐらいだ。

 たしかに、この死の体験はどんな作家にも書けないだろうな。
 自分の死については、その一瞬にやっと「ああ、こういうものなのか。」と納得するしかないのだろう。
 なので、死の直前まで好きなことをやって(むろん人に迷惑をかけてはいけない)生きることが、わが人生としていいのかもしれない。

 鴨長明の「方丈記」にこんな一節。
 知らず生まれ、死ぬる人、いずかたより来りて、いずかたへか去る。
 すべての人に共通する人生最後の体験ですね。
 長いようで短いものかもしれないし、短いようで長いものかも知れませんね。さあもうひと眠りしますか。

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