YとYの日々

Yuyuの日々の出来事と、時より登場するYoyoの交換日記のようなブログです

小林製薬「紅麹」プベルル酸の腎毒性について

2024-03-30 06:53:01 | 鳥 と 生き物 たち
プベルル酸の化学構造式です。

実は、植物や微生物の代謝産物を分離・精製して構造式を決定するのは私の専門分野です。
(いちお、この分野の研究で薬学博士号を取得しました)

この程度の低分子の化合物であれば、サプリメントの状態から1~2日で単離構造決定ができますね。
クロマトでは、UV吸収が見られるはずなので、追跡は容易です。

もしもこの物質がサプリメントに混入しているかどうかを証明する場合でも前処理を含めてHPLCで半日はかからないでしょう。
単品に精製するのは、自分の経験では「水ーアルコール系の溶媒」で再結晶させると思います。

化学構造の特徴から言えば、少なくとも高等植物では、このような化学構造を作る生合成経路はないでしょう。
その分だけ、動物体にとっても代謝経路が特殊になるので、細胞毒となり得るでしょう。

テレビで腎毒性だけの情報時点では、低分子が免疫複合体を形成してネフロンが詰まるのかな?と思っていましたが。
昨日の放送で、間質性腎炎であるとの事だったので、腎臓に選択的に取り込まれる(というか腎で濃縮される)結果として毒性を示すのかな?
という気がします。

毒があるかどうか(急性毒性)は、すぐに出せますが。
実験系としては、まず培養細胞で毒性を確認(in vitro)して、手軽にはマウスさらにはサルを使って(in vivo)毒性を調べるでしょう。
これは、いくら急いでも結果を出すのに時間がかかります。
多分、テレビのコメンテーターは好きなこと喋るでしょうが、代謝経路の解明まではかなり時間が必要です。



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1 コメント

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yuyu (研究者)
2024-03-30 07:46:28
そうよあなたは研究者
日々様々な事に興味をもって知るために努力をしています

鳥もカメラも。。。
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