矢嶋武弘・Takehiroの部屋

われ発信す 故に われ在り
83歳のジジイ 日一日の命

サハリン物語(6)

2025年01月29日 03時13分13秒 | 小説『サハリン物語』
 勇猛なジューコフ隊の側面攻撃を受けて、敵の部隊は混乱しました。スパシーバも剣を振るって突進し何人かの敵兵をなぎ倒したのです。ジューコフ隊はそのまま敵の隊列を突破し、さらにその後方の部隊にも襲いかかりました。また、他の別働隊も違った方向から敵部隊を急襲します。いわばゲリラ戦、遊撃戦となったため、敵は相当に混乱し思うように前進できません。一方、地下トンネルを通って、ロマンス・シベリア軍の部隊がカラフ . . . 本文を読む
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サハリン物語(5)

2025年01月29日 03時12分31秒 | 小説『サハリン物語』
その間、ソーニャ王妃やリューバ姫を乗せた馬車が全速力で発進しました。それを見たプーシキンの部下が追いかけようとしますが、オテンバ姫らが行く手を阻んで剣を振り回します。怒ったプーシキンは彼女らを排除しようと襲いかかりました。激しい戦闘が繰り返される中、馬車はどんどん遠ざかっていったのです。男勝りのオテンバ姫らはよく戦いましたが、さすがに強力な敵勢にはかないません。やがて、オテンバ姫もジャジャウマ嬢も . . . 本文を読む
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サハリン物語(4)

2025年01月29日 03時11分48秒 | 小説『サハリン物語』
 その頃、カラフト領内では、ロマンス・シベリア連合軍が快進撃を続け、着々と戦果を収めていました。ロマンス国のプーシキンの活躍も目覚しかったのですが、シベリア帝国軍はついにスターリン総司令官が陣頭指揮をとることになりました。 スターリンは途中から軍を二手に分け、サハリン島の東海岸と西海岸へ進めました。東へ向かったのがアントン・チェーホフ将軍らの部隊で、西へはユーリイ・ガガーリン将軍らが向か . . . 本文を読む
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サハリン物語(3)

2025年01月29日 03時11分00秒 | 小説『サハリン物語』
その頃、ツルハゲ王の指示を受けたロマンス国のラスプーチン宰相は、少人数の部下を連れてシベリア帝国に乗り込みました。帝国の極東軍総司令部がハバロフスクという所にあり、そこを訪れる予定なのです。ラスプーチンはもともと親帝国派で、何度もシベリアの地を踏んだことがあり、極東軍総司令官のスターリン将軍とも面識がありました。スターリンはシベリア帝国軍の実力者で、あとで詳しく話しますが、「次期皇帝」の有力な候補 . . . 本文を読む
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サハリン物語(2)

2025年01月29日 03時10分01秒 | 小説『サハリン物語』
「まあ、スパシーバ王子様では・・・」「そうです、スパシーバです。ご無沙汰していました」 彼がそう言ってもリューバ姫は絶句したまま、なかなか言葉が出てきません。「どうして、あなた様がここに・・・」と言うのがやっとでした。「ごめんなさい。あなたにぜひ会いたくて、やって来たのです。私の商人(あきんど)姿は満更でもなかったですか、ハッハッハッハ。ところで、私が忍び込んできたことは、もちろん内密にしてくださ . . . 本文を読む
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