<以下の記事は2013年12月13日に書いたものですが、内容を一部修正して復刻します。>
「誰(た)そ我に ピストルにても撃てよかし 伊藤のごとく死にて見せなむ」という短歌がある。これは石川啄木の歌だが、知っておられる人も多いだろう。伊藤とは伊藤博文のことで、1909年10月に彼が今の中国・黒龍江省のハルビンで、朝鮮の民族活動家・安重根(あん・じゅうこん)に暗殺された直後に作られた歌である。意味 . . . 本文を読む
<以下の記事を一部修正して復刻します>
青年時代のゲーテ
ヨーロッパ人が最も敬愛する文学者と言えば、ドイツの大詩人であるゲーテもその1人だろう。イギリスのシェークスピアと並ぶ文豪と言ってよい。私もゲーテは大好きだが、彼はペルシャやアラビアなどにも深い造詣を持っていた。 晩年の有名な『西東(せいとう)詩集』は、「ヘジラ」と言って、ムハンマドが信者たちを連れてメッカからメジナへ移住したことをモ . . . 本文を読む
もう50年以上も昔のことだが、当時勤めていたテレビ局の朝のニュース番組に「記者席」というコーナーがあった。ここでは毎日、記者が取材したものを話すことになっていたが、ある日、私がそのコーナーで話しをする番になった。早朝なのでいつものように車で局に駆けつけるのだが、その日は、首都高速道に入ると間もなく大渋滞に巻き込まれてしまった。どうやら交通事故が起きたらしく、車はにっちもさっちも進まない。時間に余裕 . . . 本文を読む
1969年(昭和44年)にリリースされた曲で、菅原孝・進の兄弟2人組のビリー・バンバンが発表した。作詞は小平なほみ、作曲は弟の進である。われわれ爺婆(じじばば)が青春時代を送った頃、よく耳にしたのがフォークソングだった。この『白いブランコ』は、その代表的な曲の一つだと思う。ちょっと寂しい時にこの曲を聴くと、なんとも癒された気持ちになる。そして、明日への希望を取り戻して歩んでいく・・・ そうした曲で . . . 本文を読む
空想、幻想、妄想の物語
今から1200年あまり前、長岡京から平安京時代にかけて1人の傑出した女性がいた。名を藤原薬子(ふじわらのくすこ)と言う。彼女は名門・藤原家の1人だが、歴史上「薬子の変」で有名になった。このドラマは、藤原薬子を中心として描くもので、できるだけ現代風に書いていくつもりである。 なお、文体はドラマ風と小説の混合体となっている。
第1部
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歌の女王・美空ひばりの最大のヒット曲の一つで、1964年(昭和39年)にリリースされ、半年足らずで180万枚以上を売り上げたという。作詞は関沢新一、作曲は古賀政男だ。日本テレビのドラマ『柔』のテーマソングで、テレビの主題歌では「演歌は当たらない」という当時のジンクスを破り、見事に大ヒットしたのだ。1964年の東京オリンピックで、柔道が初めて正式競技に採用されたという背景もあったが、やはり、美空ひば . . . 本文を読む