矢嶋武弘・Takehiroの部屋

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「北斎展」について思ったこと

2017年01月31日 15時09分35秒 | 文学・小説・戯曲・エッセイなど

<先日、ある人から「北斎展」を東京・上野でやっていると教えられた。葛飾北斎の展覧会である。私は絵画や美術には素人だから、ネットで調べたら「ボストン美術館 浮世絵名品展」とあった。ボストン美術館?? さらに調べたら、北斎の名品140点ほどを展示しているという。つまり、葛飾北斎の傑作はほとんど日本にないということか。そんな馬鹿な!
そこでもっと調べたら、明治時代に北斎の多くの作品がアメリカのボストンに渡ったという。日本で最も著名な画家・葛飾北斎の作品が日本にはないのか! その事実に、素人の私は唖然とした。そういえば、あの有名な『富嶽三十六景』などの実物をこの目で見たことがない。みんな写真や印刷物でしか見たことがないのだ・・・>

実はこの文章を書いていて、途中で止めてしまった。絵画や美術品といったものはいろいろな事情があって“四散”する。別に北斎に限らない。歌麿だって広重だってそうだろう。もっと言えば、ある国が他国を侵略して、その国の財宝や文化財を強奪することは歴史上よくあった。
だから「北斎展」について、アメリカ人を悪く言うのは止めよう。むしろ、北斎や歌麿の真価もよく分からず、それらをタダみたいな値段で売り払った日本人が悪いのか。浮世絵を“春画”のように取り扱った輩が悪いのか。
そんなことは分からないが、浮世絵に惚れた外国人はそれを大切に扱った。「保存」のことを考えると、ゴミ同然(?)に扱っていた日本人よりも偉いだろう。そういうことで、フェノロサや岡倉天心、またその友人らが悪いわけではない。浮世絵の所有者・管理人が悪かったのだ。
とにかく、文化財や美術品は大切にしよう。それらが後になって、どれほど真価が認められるか分からない。今日は途中で自分の言いたいことが変わってしまった。こんなことは珍しい。悪しからず、ご了承願いたい。(2014年10月5日)


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