子供のころ、熱海をなぜ「あたみ」と呼ぶのだろうかと不思議に思った。なぜ「ねっかい」ではないのか、日本語は難しいと思ったものである。そんなことはともかく、きのうテレビを見ていたら、熱海に観光客がたくさん来て賑わいを取り戻しているというのだ。
年間の観光客がたしか570万人で、箱根に次いで全国2位だそうである。本当か? と疑ってしまった。熱海は観光客が減って“かんこ鳥”が鳴いていると聞いていたので、たいへん結構なことだ。外国人観光客も増えている。また、伊豆山神社に“縁結び”を祈願する若い女性たちの姿がテレビに映っていた。
熱海と言うと思い出が尽きない。何度行っただろうか? 東京近郊に住むわれわれ古い世代には、切っても切れない所だった。結局「安近短」で、安い近い滞在が短いで行きやすかったのだろう。今は品川から熱海まで新幹線で40分で行けるという。日帰りも楽にできるのだ。
その熱海が観光客に飽きられ、低迷状態に陥ったのはいつからだったろうか。マイカーの観光客は熱海を“素通り”してもっと遠くへ行った。新幹線の乗客はほとんどが熱海を通過して行った。昔は社員旅行、職場旅行と言うと熱海が最も人気があったが、いつの間にか見放されたのだ。というより、社員旅行などが激減したのだ。
しかし、長引く不況とガソリン高騰の影響でマイカーの遠出が敬遠され、再び「安近短」の熱海に人が集まるようになったらしい。それはたいへん結構なことだが、熱海には思い出がヤマというほどある。若いころ社員旅行や研修、会合などでどれほど行っただろうか。また、新婚時代に妻(今はババアだが)と温泉に行って熱い熱い時を過ごしたのも熱海である。もっと若いころ、私が“童貞”を失ったのも熱海・・・おっと、この話はやめよう(笑)。
思い出は尽きないが、先ほどの伊豆山も健保の寮があったのでよく行った。伊豆山神社は源頼朝と北条政子の逢引(あいびき)の場所としても有名である。だから恋愛成就のため若い女性たちに人気があるようだが、政子が頼朝と結ばれて日本の歴史は大きく変わったのだ。源氏と北条氏が一体となって鎌倉幕府樹立への道が開かれたのである。暗い夜道、雨に濡れながらいとしい頼朝のもとへ向かう政子。世紀の恋・・・おっと、この話もやめよう(笑)。
なんだか熱海の観光PRみたいになってしまったが、熱海というと昔よく歌った歌謡曲を思い出す。それでも聴きながら、レジェンド・熱海の復活を喜ぼう。(2014年3月19日)
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