中国や韓国、北朝鮮などは目下、安部晋三が大嫌いなようである。もちろん日本から見れば、中国や韓国などには良くない面が多々あり、私もこれらの国を大いに批判し非難してきた。それは当然である。
しかし、国際関係は「相手」のあることであり、向こうから見れば日本の非だって見えてくるのだ。つまり、お互い様なのだ。それが嫌なら、付き合わなければいい。もちろん、外交はそんな単純なものではないから、各国が頭を悩ませいろいろ工夫をしているのだ。
そこで詳しいことを述べる時間はないが、今の安部外交を見ていると、よくもこんなに諸外国から嫌われたもんだと思ってしまう。日中や日韓、日朝関係だけでなく、ロシアとの関係も思わしくない。中国の国家主席・周近平と会ってもたった25分で、相手はいやいや会ってやっているという感じで、ニコリともせず安部の顔さえ見ない。韓国大統領のパク・クネに至っては、安部が韓国語で挨拶しても顔をそらし、返事さえしないのだ。
こんなに嫌われた日本の首相を見たことがない。祖父の元首相・岸信介以来ではないか(笑)。むろん、中国や韓国に迎合する必要はないが、よくもこんなに嫌われたものだ。北朝鮮とも例の拉致問題では、全く進展していないようだ。一時は11月にも大きく前進するかのように伝えられたが、今のところ“ナシのつぶて”だ。
ロシアとの関係もおかしい。プーチン大統領の年内の来日は先送りとなった(APECでは少し会談したが)。平和条約や北方領土の交渉は見通しが立たないのか? こう見てくると、日本周辺の国々は安部を相手にしていないようだ。何度も言うようだが、もちろん「国益第一」である。そう簡単に、相手の言う通りにしてはならない。
しかし、こう見てくると外交以前に、諸外国は安部を無視しているようだ。なぜ、そうなるのか。それは安部の“本質”が分かっているからだろう。諸外国は安部を国粋主義者、危険な復古主義者と見ているのだろう。
安部は日本を「取り戻す」と言った。この言葉の真の意味は分からないが、要するに失ったものを取り戻す、取り返すといったことではないか。これは完全に復古主義である。保守よりも「反動」に近い。安部は“反動政治家”と見られているのだ。諸外国の見方は知らないが、私自身は確信を持ってそう見ている。
だから、集団的自衛権の行使だとか、特定秘密保護法などの発想が出てくるのだ。これは放っておくと、自衛権の際限ない行使から軍国主義、昔の治安維持法復活に繋がるものだ。ここに安部の危険な要素がある。彼が考える憲法改正も、おそらくそんなものではないか。自衛隊の戦車に迷彩服を着て乗り、嬉しそうに笑っている姿を見るとますますその感を深くする。
以上、書き足りない面はまだあるが、安部の危険な行動に諸外国は警戒感を強めているのだろう。そして、平和・友好とはほど遠い施策に、ますます安部を嫌っていくと思われる。それで良いかどうか知らないが、日本は東アジアでさらに“孤立”を深めていくのだ。
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