矢嶋武弘・Takehiroの部屋

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(再)抗議の焼身自殺、不幸な老人の暴発

2015年08月29日 06時36分21秒 | 社会・事件・事故

去る6月30日、東海道新幹線の車内で71歳の男が焼身自殺し、乗客の女性が巻き添えで死亡、他に26人が重軽傷を負うという事件が起きた。まことに痛ましい事件であり、事実上の放火は許せるものではない。
新聞やテレビはこの事件を大々的に伝えているので、詳しいことは省略する。ただ、私がここで言いたいのは、焼身自殺した71歳の高齢者のことである。この男、つまり林崎春生容疑者に関心を持たざるを得ないのだ。今後の事件再発防止のためにも、それは意味があると思う。
林崎容疑者は現在 無職で、12万円程度の年金で暮らしていたという。そして、家賃4万円のアパートに住んでいるが、日頃から「年金が足りない」と不平を言っていたそうだ。近所の人の話では、不満が高じて「年金事務所で首吊り自殺でもしてやる」と言っていたという。要するに、生活が苦しく不平不満がうっ積していたと見られる。
さらに、この男は30年ほど前に離婚し、妻や子供2人とも別れずっと一人暮らしを続けていたという。職を転々としたあと、70歳の頃から足が不自由になり、現在 無職になっていた。こういう話を聞くと、林崎容疑者は全く運の悪い人生を送ったものだと思わざるを得ない。
実はこういう運の悪い、不幸な老人は大勢いるのだ。身につまされる話だ。私だっていつそうなるかもしれない。明日のことは分からないのだ。そんな話をして、今回の焼身自殺・放火事件に同情するものではない。彼を非難し責めることは簡単である。ただ私が言いたいのは、追い詰められた林崎容疑者は、覚悟の焼身自殺を図ったということだ。
彼は遺書などを残していないが、その言動から察すると、事件数日前から覚悟を決めたと見られる。ポリ容器でガソリンを買おうとしたり、自殺をほのめかすなど異常な言動が目立つ。もともと、林崎容疑者は“歌手”を目指していたそうで、自己顕示欲はかなり強かったと思われる。こういう男は、いざとなれば「派手」なことをしがちだ。まして、人生の幕引きには、人をアッと驚かせることをやりかねない。それが、今回の焼身自殺になったのだろう。
誰だって自殺なんかしたくないが、いざとなれば何をしでかすか分からない。私だっていざとなれば、とんでもないことをするかもしれない。誰だって穏やかな死を迎えたいだろう。しかし、運の悪い不幸な老人は何を考えるか分からないのだ。
林崎容疑者は日頃から「年金が足りないのに、住民税などを払わされる」と愚痴をこぼしていた。たしかに、12万円という年金では生活が苦しくなるのは当然だ。生活保護を受けられなかったのか? 素人だからそういう話は分からないが、同じ年寄りとしてつい同情したくなる。何とかならなかったのか・・・
もう一度言う。世の中には、運の悪い不幸な老人が沢山いるのだ。この人たちは、いつ“暴発する”とも限らない。もちろん、そうならないことを願うが、何かの拍子で爆発するかもしれない。普通の常識的な人間でもそうなる危険がある。
今回の事件は他に犠牲者も出た。まことに痛ましく、絶対に許されるものではない。ただし、通常のテロ事件のように、巻き添えを増やそうという意図はなかった。それとは逆だ。 林崎容疑者は最後に、近くの乗客に「逃げてくれ!」と要請したという。テロ事件の犯人は、そんなことは決して言わない。せめてそれだけが、唯一の“救い”と言えるのか・・・ 以上、駄弁を勘弁してほしい。


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