今日から妻は4回目の化学療法に入る。これで今回は一段落の予定だ。
そんなわけで、またまた過去録の投稿となる。
今回の投稿は、5年前の奥多摩、大岳山に、サルギ尾根というマイナーな尾根から登った時の記録だ。
サルギ尾根は、大岳山と御岳山の中間にある芥場(あくば)峠から東南東に伸びる短い尾根で、途中に高岩山がある。
武蔵五日市から8時20分ころの上養沢行きのバスに乗り、終点の一つ手前、大岳鍾乳洞入り口でおりた。
そこは上養沢方面と大岳鍾乳洞方面の分岐点で、神社があった。
いっしょに下りた人のほとんどは大岳鍾乳洞のコースから大岳山をめざすようだった。
その神社には登り龍のの石の彫り物があった。
神社の建物に木の彫り物があるのはよく見かけるけど、石のものはめずらしい。
神社の裏からすぐに尾根への樹林帯の登りが始まる。
足元は落ち葉で埋まっている。ザクザクいわせながら登っていく。
落葉樹の紅葉がが姿をあらわすとあたりの雰囲気も明るくなる。
炭焼き窯跡の標識があった。里山だね。
急登がおわった尾根の突起部にでた。
ようやく東に関東平野の展望が広がった。
向いの金比羅尾根は大部分が針葉樹に覆われているが、一部に残った落葉樹が色づいている。
こちら、やや北向きに向きを変えると尾根の向こうに筑波山らしい山が見えていた。
途中までは、針葉樹の植林帯だったが、尾根の上部は落葉樹林なので明るく暖かい日差しがたっぷりだ。
灌木の葉の赤が目を楽しませてくれる。
登り始めて1時間20分ほどで高岩山(920m)に到着。
目の前に大岳山の特徴のある姿が見える。
高岩山と次の上高岩山のあいだは、鞍部となっているので70mほどくだり、150mほど登り返す。
でもあたりは気分のいい紅葉の森だ。
青空と色づいた木の葉のコントラストがいい。
カエデ類もまじってより華やかになってきた。
上高岩山への登りは葉を落とした明るいコナラの林。
高岩山から上高岩山までは30分くらい。
上高岩山には東屋もあってそこからは展望が広がっていた。標高は1000mを少しこえたところだ。
すぐ前は色づいた木々におおわれた高岩山。左奥は針葉樹におおわれた金比羅尾根の麻生山。
反対側には養沢川の源流部、ロックガーデン越しに御岳山と御岳神社がみえる。
上高岩山から直接ロックガーデンにくだる道もあるようだ。
私はそのまま、尾根を歩いて芥場峠へむかう。
道が格段によくなった。
切り石積のしっかりした土留めの道。
大岳山の東斜面の道にはいると再び紅葉が見られるようになってきた。
土曜日だったので途中で大きなグループに追いついた。
道が広いので要所々々で追い越させてもらう。
大岳山山頂へむかうところには今は休業中の大岳山荘がある。
休業と言ってももうかなり長くなっていて、建物もそうとう傷んできている。
再開するには建て替えが必要かな。
大岳神社では大勢が休憩中。ここから20分ほど急な登りで山頂だ。
12時5分、1266mの山頂に到着。
この日は秋晴れの上天気で、富士山もよく見えた。
少しアップにして。手前から二つ目のシルエットは権現山だろうか。
風もなくてあったかい。みんな富士山の写真を撮って楽しそうだ。
でも人が多すぎる感じなので、おにぎりを食べ終わるとすぐに下山開始。
大岳神社に戻って、こんどは南の馬頭刈尾根から下山だ。
しばらくはアップダウンの少ない尾根道をのんびりとくだる。
逆光になるので木の幹の黒と木の葉の紅葉のコントラストが美しい。
北秋川の白倉や大岳鍾乳洞への道をわけて尾根は東南東へとくだっていく。
少し登り返しがはじまるとすぐに富士見台だ。南側が少し開けている。
富士見台から標高にして100mほど下ると大きな岩があらわれた。
鉄の階段もあった。
ここがつづら岩だ。ここで尾根からわかれて天狗ノ滝へと下った。
そのまま尾根を進めば馬頭刈山をこえて十里木に出られるが、かなり長いコースとなる。
標識には十里木まで6.5kmと書いてあった。
疲れてきたので素直にくだることにする。
つづら岩から45分で天狗ノ滝についた。高さは20mくらいだろうか。
岩盤をすべるように落ちている。
天狗ノ滝から急斜面の道を下っていくともう一つの滝が見えてきた。
こちらは小天狗ノ滝。
下の方がややすそ広がりに落ちていた。
こちらもなかなか見ごたえがある。
滝から少し下ると林道にでた。
もう午後の2時半くらい。少し日が傾いて暗くなった山陰にススキが浮き上がる。
北秋川の千足が近づいて、里の神社のモミジが美しい。
早くも日陰になってしまった山里の家と畑。
振り返った山はまだ午後の日差しをあびて暖かそうだった。
ここから舗装の道を少しあるいて払沢の滝入り口からバスで武蔵五日市駅へと戻った。