昔々に登ったきりご無沙汰の白馬岳にもう一度登ってみたい。
どうせ行くのなら、歩いたことのない白馬大池からの尾根道をたどってみたい。
そんな思いでコロナ禍の2020年夏に山行計画をまとめ、実行した。
第1日、栂池高原からロープウェーを利用し、乗鞍岳を越えて白馬大池のほとりに建つ大池山荘に泊まる。
翌日は、大展望とお花畑をたのしみながら小蓮華山をこえて白馬岳へ。その後は大雪渓をくだって戻るというプラン。
猛威をふるう新型コロナの影響で休業する山小屋もあったが、さいわい大池山荘は、人数を制限して営業を続けていた。
山仲間のM氏をさそって、早朝出発し、白馬村のバスセンター近くに車を駐車して、バスで栂池高原へとむかった。
ゴンドラとロープウェーを乗り継いで自然園駅へあがる。観光客もおおぜい乗っていた。
自然園入り口にたつビジターセンターのところから、いよいよ乗鞍岳への登山道にむかう。
夏の木々が生い茂るうっそうとした森の中、いきなりの急騰がはじまった。
中腹にある天狗原の湿原まで標高差300mの急登が続く。
道沿いにはいろいろな花が咲いていて目を楽しませてくれる。
この日は雲が多いもののまずまずの好天気だった。
白馬村をみおろせるところがあった。手前にスキーコースがたくさんある岩たけ山が見えている。
もう少しあがったら上空の雲の中に入ってしまうかもしれないと思った。
ロープウェー駅から天狗原の湿原を往復するのだろうか、小さな子をつれた家族が身軽な格好で登っていた。
ロープウェー駅から2時間弱で天狗原に到着した。
上空の雲に夏の光がさえぎられて落ち着いた雰囲気の湿原が広がってた。
私の好きなイワショウブがりっぱな花穂を凛とかかげている。
ちょうど12時をまわったので、湿原中央で昼食休憩。
直射日光がないので暑すぎず助かった。
湿原の西のはずれで、北にある風吹大池への道を見送り、もう一段上にある乗鞍岳山頂をめざす。
ここからおおよそ250mあがった2456mが山頂だ。
火山らしい丸い形の岩がごろごろしていて、そのかたわらにいろんな花々が咲き乱れている。
傾斜は登るにつれて増してきた。
もう大きな樹木も姿を消して、急斜面にはお花畑が広がっている。
もはや山をおおう雲の中を歩いているので残念ながら下界は見えない。
ひたすら足元の花々を楽しみながら歩き続けた。
乗鞍岳の東斜面。かなり大きく残雪が残っている。
登山道も残雪の中を歩くところがあった。
残雪に冷やされた水蒸気がガスとなって流れていた。
ようやく乗鞍岳の山頂部についた。
乗鞍岳は山自体が大きな溶岩ドームのようなものなので、山頂部はハイマツにおおわれた広い台地となっている。
午後2時20分、山頂に到着。
標識のあるところは通過し、白馬大池が見える台地のへりまでいって休憩した。
池のほとりには、今夜お世話になる大池山荘の建物がみえていた。
上空の雲が切れて日差しももれてきた。2500m近くまで登ってきたのでちょうどいい暖かさになった。
おおよそ100万年まえごろの時代にさかんに活動していた白馬大池火山の噴出物によってせき止められてできたといわれる白馬大池。
小屋の周囲は、大池とゆるやかな斜面が広がっていて、気持ちのいいところだ。
乗鞍岳をくだり、池の北側にある2469mの山のヘリを小屋へと歩く。
この山がせきとめて大池をつくったのだろうなどと想像した。
小屋にはいって荷物を整理し、ふたたび外に出て周囲を散策した。
少し風が強くなって花の穂をゆらしている。
でも寒くはない。池のほとりや花が咲き乱れる斜面をぶらついた。
チングルマの穂も風になびいていた。
小屋のそばのベンチに腰を下ろし、小屋で買った缶ビールを飲みながら、山の空気をゆっくりと味わった。
通常ならこのスペースに4人入るはずのところ、コロナによる制限のおかげ?で相棒とふたりで占拠できた。
ただし、シーツと枕カバーは持参だ。私は古シーツとタオルを用意してきた。
夕食の時間のころから周囲には雷雲がわきあがってきたが、さいわい白馬大池には接近しなかった。
食後もふたたび外に出て夏の山の夕暮れを楽しんだ。
最後にすぐに忘れてしまので、花の名前を思い出すために、この日写真に撮った花を記録しておく。
シロニガナ、イワショウブ、オタカラコウ、イワイチョウ、モミジカラマツ、ミヤマダイコンソウ、コイワカガミ、ツチガネミンジン、チングルマ(穂)、ヤマハハコ、ミヤマアキノキリンソウ、ウサギギク、ミツガシワ
バイケイソウもあったが、花はつけていなかった。小屋のそばにはアヤメかカキツバタかわからないが咲いていた。
明日は、快適なコースを小蓮華岳をこえて白馬岳へとむかう(続く)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます