今日から私の妻は3回目の化学療法だ。先ほど病院まで送ってきた。帰りは午後3時過ぎになるだろう。
病院からは点滴のセットを首からぶら下げて帰ってくる。そのままあさっての昼頃まで自宅で点滴が続くのだ。もちろん当人は歩いたり食事をしたりは自由にできるのだが、力仕事はできない。私は迎えの時間まで自宅待機。
そんなわけで、また古いものに手を加えて投稿する。今回は3年前の秋に赤城山に行った時のものだ。
紅葉が美しい北関東の山々の中でも赤城山は特に人気がある。土日には結構な登山客が集まっているはずだ。そこで私は人が少なくて静かそうな花見ヶ原からのコースを選んだ。
最近の10月は天候が思わしくない。そこで気象庁のホームページで、天気分布予報のページでチェックした。ここの情報は前日にならないと出ないので、行けそうな日には、違う地域の候補地を複数もっておいて、ここを開いて日差しが出そうなところを選んで出かけるようにしている。この日も、関東は全般に雨や曇の天気だが、赤城山周辺は日差しがありそうなので決行することにした。
わたらせ渓谷への入口である大間々の町をすぎて谷間へと入り、水沼駅の手前で国道から左へと大きく回り込んで赤城山の山麓斜面へとあがっていく。この道はこのまま走れば沼田へと抜けられる。天気は曇りだ。
途中長いトンネルをくぐったりしながら峠近くで左の林道へとはいる。溶岩台地らしい地形の花見ヶ原を南から西へとまわりながらあがっていく。やがてガスがかかった中にキャンプ場が見えてきたので、そこの駐車場に車をとめた。
長い運転のあとなのでキャンプ場でトイレを借りようと近づくと管理人がいた。キャンプ場のトイレは鍵をあけていないので管理棟のトイレを貸してくれた。キャンプは夏場だけかと聞くと秋の今頃にも土日には客が来るといっていた。
管理棟から少しもどったところに赤城山への標識が立っていた。
ほとんど水平といえるようなゆるやかな斜面の森を歩き出す。すぐにササと落葉の木々が混じった森になる。
少し傾斜も増して、ガスの流れる森の奥から鹿の声も聞こえてきた。
鹿の声はこのような雰囲気にぴったり。なんだか秋の侘しさが増してきたように感じる。
ガスで濡れた落ち葉が緑の色のコケの上をきれいに飾ってくれている。
道ははっきりとしているし、500mごとにりっぱな標識が設置されている。
ただ中間点付近で丸い岩がごろごろしているところがあって、道がわかりにくくなったが、そこには目印の板などが枝に下がっているので注意してすすめば迷うことはない。
やがて木道があらわれた。しかし、傾斜地にまっすぐ登る形で設置されている木道は滑りやすい。
横木が打ってあるがだいぶ取れてしまっているので、今日のような日には注意して歩かなければならない。
山にむかってまっすぐの道。それだけ傾斜がゆるいということだ。
木々の葉の色づきを楽しみながら登るには、このくらいがちょうどいい。
朽ちた木にはキノコが。これは食べられそうな感じがするけどやめておく。
道は広い斜面から尾根の高まりへと登っていく。
そのころから色づいたカエデが増えてきて、周囲が明るくなりだした。
予想通り雲のガスの上に出てきたようだ。上を見上げると雲間から青空ものぞき始めた。
ゆるやかで広々とした尾根はそのまま黒檜山の稜線へと近づいていく。日差しが得られて森とともに気分も明るくなる。
行く手の空が広い。展望が開けてきたのだ。
そこにたどりつくと左下に小沼や地蔵岳が見える。駒ヶ岳から黒檜山へと登る登山道も近い。
メインの登山道に合流し、そこからひと登りで赤城山の黒檜大神の祠だ。そして山頂の標識は素通りして展望地へと向う。
雲はあるものの日差しがもれて沼田の街も見渡せた。谷川などの山々は上部が雲の中に隠されている。
足下の山に日があたって木々が華やぎを増していた。
今回の山歩きは同じ道を車に戻らねばならないが、気分のよい森を歩けるのであまり気にならない。
再び標高を下げるとガスがの中に戻ってしまったが、ぼんやり浮かび上がる紅葉の眺めに気分のよさが消えることはなかった。
実に気分のよい山歩きが経験できたものだ。アプローチの便がもう少しよければ度々来てみたいコースだった。
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