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今年は記録的に早く梅雨が明けた。仲間と梅雨明けに行く山の計画を話し合っていたが、決まらないうちに明けてしまった。
と思っていたら、どうも今日あたりから梅雨の戻りに突入のようだ。
これから1~2週間は雨の日が続くらしい。
こういう時期は昔の記録を思い出しながら綴っておくことにしよう。
ちょっと季節外れなのだが、2005年の年末に奥多摩の飛龍山に一人で出かけた時のことを記録しておこう。
奥多摩湖にそって青梅街道を西に走り、橋を渡って鴨沢に入るともう山梨県だ。
お祭りから後山林道にはいり、一番奥の駐車スペースに車を留めて、そこから往復した。
この日はずいぶん冷え込んでいた。林道を走っていると斜面から滲み出した水が凍って氷瀑となっていた。
駐車スペースに着いたのは朝の7時頃だったが、すでに何台も留まっていた。
しばらく後山川にそって林道を歩き、青岩谷と三条谷との分岐から山道を登って三条の湯へと向う。
山道といっても歩きやすいしっかりした道。
湯宿への荷物を運ぶ小型のキャタピラ車が往来している。
朝日が差し込み出した谷間の三条の湯。
なんども前を通っているのだがまだ泊まったことがない。
ここからなら、三条ダルミをへて東京都の最高峰雲取山へも3時間程度で登ることができる。
私は小屋の前から中ノ尾根をつかって北天のタルへと向う。
飛龍山は雲取山から西へと続く奥秩父主脈縦走路の最初のピークで、雲取山より高い2077mだ。
登山道の岩の上に動物のうんちがあった。鹿などの草食動物ではなく、肉食、雑食の動物のものだ。
三条の湯から北天のタルまでの道は、尾根近くの南西斜面をまくように登っていくので歩きやすい。
40分ほど登ると雪があらわれた。日当たりのいい道なので笹かげにそってわずかに残っているだけだ。
西のほうにピークが見えた。これから向かう飛龍山かその一角だろうと見当をつけた。
さらに20分ほどのぼると次第に積雪が増えてきた。
さらに20分ほど歩いてようやく奥秩父主脈縦走路に合流。北天のタルだ。
雪におおわれた道をさけて、あたたかい日差しの斜面で小休止。
ここから先の縦走路は学生時代に歩いたことがあるがあまり覚えていない。
その時は笛吹川から笠取山、将藍峠小屋にとまって雲取山をへて鴨沢にくだった。
随分経っているし季節も違う。
やはり年末だ。たっぷりと雪があって、木のはしごや木の桟道などは雪を落としながら歩く。
雪の道を1時間近くかかって飛龍山へ。途中展望の開けたところがあった。
ふりかえると雲取山から石尾根が長々とのび、右奥には七ッ石山らしいピークが見えていた。
途中の針葉樹の幹の皮がはがされていた。爪でひっかいたもののようで、たぶんツキノワグマの仕事だろう。
10時50分。ようやく縦走路から飛龍山山頂への分岐点に到着。
山頂とは反対の南側には長く尾根が伸びていて、サオラ峠から天平(でんでいろ)や丹波に出られる。
一度は歩いてみたいコースだが、なかなかその機会がないままだ。
ここからは急登をつめて山頂へ。
11時6分。ようやく山頂に到着。
山頂は樹林におおわれているが、西のほうに奥秩父の山脈(やまなみ)をこして八ヶ岳の赤岳、横岳らしい白い山が見えた。
南には富士山。
山頂付近はこんな感じのところで原生林におおわれている。
荷物は縦走路に置いてきたので、すぐ下山。縦走路に戻ってから昼食にした。
途中にはシャクナゲがあったが、寒さのなか葉が細くみえるほどまるまっていた。
北天のタルにもどる縦走路の桟道。
日当たりがいいので雪が消えているので助かる。
12時30分、北天のタルに戻ってきた。主脈縦走路も雪におおわれている。
私は右の道で三条の湯へとくだる。
石尾根の峰々と右奥には御前山と大岳山。
下るにつれて雪が消え、あたたかな日差しの中を枯葉を踏みしだく音だけを聞きながらくだっていく。
日差しの斜面から後山川の谷底におりるとうそ寒い真冬の景色にもどった。谷間の水はまだ凍ったままだった。
午後2時20分。ようやく駐車スペースに戻ってきた。もう他の車は姿がみえない。
最近の大雨で後山林道はたびたび通行止になっているようだ。
歩けば三条の湯からお祭りまでは3時間かかる。
今はとても歩く気にはなれないが、2002年の年末に雲取山に登ったときは、下山路としてここをとことこと歩いたものだった。
今なら、三条の湯にとまって翌日サオラ峠をこえて丹波山まで歩いてみたい。秋の紅葉のころに。
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