6年前の9月の山行。
この時も雨上がりのガスの中の登山となったが、おかげで信仰の山の雰囲気を味わうことができたように思う。
富士急行の三つ峠駅から三ッ峠山に登った。駅に着いた時はまだ雨が降っていた。
三ッ峠山は有名な山だが、私はまだ登ったことがなかった。どうせ登るならと三つ峠駅から登る古い登山道を使ってみることにした。
8時5分駅を出発。
雨はあがってくれたが、山も街ももやに包まれている。
コースの案内看板を見るとこのコースが昔からの信仰の道であることがわかる。途中にたくさんの石碑や石仏があるようだ。
住宅街を抜けて山に近づいていき、道がまがっているところに神社があった。
そこから山の中に入っていく感じだが、しばらくは舗装の車道歩きだ。明日からは10月という季節。山に入ると紅葉が始まっていた。
滝があった。下のものは自然の滝だが、上のものは砂防堰堤から落ちていた。でもコンクリートそのままではなくて自然石風に加工がしてあって、風景を壊していない。
1時間ちょっと歩いたところにだるま石という大きな自然石の石碑が立っていた。梵字が彫ってある。この字は大日如来を示すものだそうだ。
ここからいよいよ急なのぼりが始まる。
相変わらずのガスの中を黙々と歩いた。
だるま石から50分ほどで「愛染明王塔」という看板と自然石の石塔があった。
このあたりから次々と仏教の石碑が現れる。ほとんどが自然石だ。
奥の方に赤いものが見える。ここが八十八太師らしい。
赤いよだれかけをつけた石仏がたくさん並んでいた。周囲はガスに包まれていて異世界の雰囲気がただよう。
さらに10分ほど登ると親不知の巨石だ。
さらに10分ほど登ると崩れた覆い屋根の下にこれもくずれた石積みがあった。
11時近くなっていよいよ屏風岩の下についた。垂直の絶壁。昔からロッククライミングのゲレンデとして有名なところで、いろいろな人がここでトレーニングしたと聞く。
よく見ると岩壁にハーケンが残っていた。
岩の付け根にはユキノシタが岩から落ちるしずくを受けて咲いていた。
屏風岩を過ぎるといよいよ山頂へと続く道と三つ峠山荘への道との分岐点が現れた。私は直接頂上へとむかった。
11時50分山頂到着。残念ながら雲がとれず、富士山は姿を見せてくれない。
何も見えない中で山頂付近で昼食休憩。この後は府戸尾根を下って、寿駅か下吉田駅へむかう道を見つけて下りたいと考えていた。
これまでとは違って穏やかな雰囲気だ。
1491mのピーク手前から金峰山のある尾根へ下る道は赤テープなどで確認できたが、地図を見ながら注意深く歩いたけれど寿駅や下吉田に下るルートの入口は確認できなかった。
そのまま府戸尾根を富士山の方向へと下り続けた。
14時40分、小御獄神社の祠と石碑があった。
そこから10分ほどで河口湖から登ってくるケーブルカーの駅に出た。
長く歩いて疲れたので、ここからケーブルを使って湖畔におりて、あとは歩いて河口湖駅へと戻って帰宅した。
この日はとうとう一日中富士山を見ることがなかった。