JRの高架のわきを歩いていたら、ナズナに似ているけどちゃっと変わった草を見つけた。
ナズナはペンペングサとも呼ばれるように実が三角形をしているけど、これは違う。
とりあえず写真に撮っておいたけど忘れていた。
ほかの草のことを調べていてマメグンバイナズナの写真が目に入り、ああこれだと思い出した。
写真を拡大すると実の形がたしかに軍配のように丸い。北アメリカからやってきて増えているらしい。
今年は梅雨入りが早くなるのか、このところ雨の日が続いている。
今日も朝から雨。明日にかけてかなりの大雨になりそうだ。
日帰り山行がほとんどの私だが、梅雨明け後の時期だけは小屋泊まりで出かけたい。
今からどこに行こうかとそわそわしながら考えている。
そんな中、すでに2回行っているのだが、もう一度、いや何回でも行ってみたいところが火打山だ。
1回目は2003年8月、職場の同僚と出かけてとてもいい印象が残った。
それなのに、使っていたバカチョンカメラの設定が間違っていたのか、写真はどれもひどいピンボケだった。
2回目は2011年8月、私と妻、そして兄夫婦とで1回目と同じ行程を予定して出かけた。
登山道の出発点には門のような建物がある。途中の蕎麦屋で早めのお昼をすませてきたのだがちょっと時間をくいすぎて、すでに12時をまわっていた。
まあそれでも4時か4時半にはつけるとふんでいた。
笹ヶ峰に車をおいて、まずは十二曲がりへむかって森の中を歩く。ここまでは順調。
しかし、十二曲がりを登り始めると当然のことながらペースがあがらない。
冷たい沢の水で汗を拭いて休憩。
女性陣から、話よりきついとボヤキがではじめた。
花がきれいだし、コースも楽だからといって誘ったのは私だ。
でもコースは楽ではなかった。
ようやく十二曲がりを突破。「ここからは楽勝だよ」などと言ってみたが、大間違い。
コースは黒沢池ヒュッテとの分岐点までまだまだ登りが続いた。
8年前の記憶で計画を立てていたのだが、メンバーが違う。これでは4時半までにはつかないぞ。
富士見平の分岐から高谷池ヒュッテまではそんなに高低差はないのだが、すでにお疲れのメンバーの歩調はあがらない。
高谷池ヒュッテについたのは、すでに夕食がはじまる時刻。
荷物はあとまわしですぐに夕食となった。出発が遅すぎたと反省。
翌日もいい天気。でもメンバーを考えて火打山山頂はあきらめて天狗の庭まで往復することにした。
荷物は小屋において空身で歩いた。
ヒュッテの前にある高谷池湿原をまわりこんで登っていく。
一段高くなると湿原ごしにヒュッテの三角屋根が見える。いいよね、ここ。
花をながめながらのんびり歩いていくと正面に火打山が見えてきた。
ああ、やっぱりいいな。写真を見ていたら今年も行ってみたくなった。
天狗の庭に到着。正面に火打山。そして足元の池には逆さ火打山。
8年前とほぼ同じ時期に来たのだが、今回は残雪がほとんど残っていない。
雪解けとともに咲くハクサンコザクラも前回よりは少ない。
ようやく大きな群落を見つけた。地形から見て雪が最後まで残っていたと思われる。
戻って高谷池ヒュッテで小休止後、今度は茶臼山をこえて黒沢池ヒュッテへとむかう。
ゆるやかな木道の道を登りきると大きな湿原が見えてくる。
この茶臼山のコースでコオニユリの大きな群落に出会った。
ドーム型の屋根が特徴の黒沢池ヒュッテ。こちらにも一度泊まってみたい。
ヒュッテのわきにある黒沢池のあたりにはまだ残雪が残っていた。
小屋の前のベンチで休憩。小屋の人がドーム屋根のペンキ塗りをしていた。
黒沢池の湿原にはチングルマの穂とワタスゲが一面に広がっていた。
昨日はきついきついとぼやいていた女性陣も今日はご機嫌だった。
1日目は私の計画の甘さを反省させられたが、とにかくたくさんの花に出逢えた山旅だった。
今年もし行くことができたら、黒沢池ヒュッテに泊まって、翌日は妙高山にも登ってみたい。
先日越前岳から下山してバス停にむかって林道を歩いていると、林道のヘリに点々とマムシグサが見られた。
その後、うちの狭い家庭菜園で同じような草をみつけた。仏炎苞なのだが、もっと細くて小さい。
おやおやと思って調べてみるとカラスビシャクという草だった。
ほかにもないか調べてみたが、葉っぱはあるものの苞をもたげているものはなかった。
たぶん以前からいるのだろうが、気がつかなかったのだろう。
うちの庭には毎年4月にヒトリシズカの花が咲く。
亡くなった妻の母親が植えたものだ。
妻の母親は、ちょっと怖い感じのある人で、私はあまり親しく話したことはなかったが、野草が好きだったらしい。
これは今年の3月末にとったヒトリシズカ。
5月の今は元気に丸い葉を茂らせている。
ところが、ついこのあいだ、ドウダンツツジの根元に同じように見えるがもう少し細身の葉のものがあるのを見つけた。
しかもまだ白い花が残っている。それも2本。
「これはフタリシズカでないの」
やはりそうだった。母親はフタリシズカの方もちゃんと植えていたのだ。
今まで気がつかなくてすまないような気分になったが、ほんとうに目立たない片隅にあったのだ。
「こんなところにいたの」
ちなみに現在のヒトリシズカはこんな感じ。
写真を見てお気づきかもしれないが、フタリシズカの花穂は2つではないものもある。
図鑑にも一つだけだったり、中には4つのものもあると書いてあった。
そんなことはさておき、春の楽しみが一つ増えた。